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ミニマリストは結婚生活(共同生活)でより多くの妥協が必要


「ミニマリスト 結婚」でGoogle検索すると、「結婚できない」とか「結婚しない」とかサジェストに出てくるように、「ミニマリストは結婚に不向きなんじゃ?」という心配を持っている方が少なからずいらっしゃると思います。

ミニマリストであるかどうかに限らず、自分以外の誰かとの共同生活において、長期的なライフスタイルから日常生活の仕方まで様々な面で、パートナーと合う合わないが生じます。生活スタイルにこだわりが強いミニマリストの場合はなおのことですね。

実際、ブログやYoutubeで発信しているミニマリストの大半が一人暮らしの方です。ミニマリストの共同生活が非ミニマリスト同士のそれより難しいのは想像に難くないと思います。

今回の記事では、自信の結婚生活の経験を交えてミニマリストの結婚生活というものを考察をします。僕らはミニマリスト夫と非ミニマリスト妻の結婚約5年の夫婦です。今のところ子供はまだいません。結婚を考えているミニマリストの方やミニマリストとの結婚を考えている非ミニマリストの方の参考になればと思います。

ミニマリストと非ミニマリストの場合

夫婦の片方がミニマリストのパターンですが、よりしんどいのはミニマリスト側だと思います。というのも、ミニマリストはパートナーが相当歩み寄ってくれないと現状に不満を持ち、ストレスを感じることになるからです。一方、非ミニマリスト側はミニマリスト側が干渉しない限りは現状(物が多い状態)維持ができるので比較的不満を持ちにくいです。

ただ、実際は共同生活だから物が多くなっても仕方ない、と簡単に割り切れるミニマリストはそういないと思います。そこで以下のようなことが想定されます。僕の失敗談でもあります。

失敗談その1:相手の持ち物に口出しする

自分は服を上下数着ずつしか持っていませんが、妻はその何倍も服を持っています。流石に『毎日同じ服を着ればいいのに』とまでは思いませんが、『1週間のうち1回も着ないような頻度の服は要らない』と思ってしまいます。これまで何度も「同じカテゴリーの服何着もいらないでしょ?」とか言って、妻の機嫌を損ねています。

これを言ったら絶対怒るだろう、ということは誰でも分かっていると思いますが、どうしても口出ししてしまいがちです。ミニマリスト側の自制心が求められます。

失敗談その2:無断で人の物や共有の物を処分する

我が家の冷蔵庫の中には、月に一回使うか使わないという調味料が複数あります。自分の好みじゃないので、頑張って消費することもできません。何度か処分していいか尋ねましたが、妻は「頻度は少なくても要るものだから」と言って許可してくれません。

(尚、各種調味料の開封後の賞味期限に関心がある方はこちらをご参考下さい)。

ある時我慢できなくなって、『大したもじゃないし、捨ててもどうせ気付かないだろう。もし気付いても別に怒ることはないだろう』と思って、勝手に捨てたことがあります。そして、数日後にそのことに気付いた妻は怒り狂いました。

虫の居所が悪かったせいもあるかもしれませんが、想定外の激怒だったので面食らいました。値段は問題ではなく、他人(あるいは共有)の物を勝手に処分するという行為自体が問題なのです。断捨離あるあるだと思いますが、「これは絶対やめた方がいい」と断言できます。

ミニマリスト同士の場合

持ち物の総数を減らすということには同意が得られるので、ミニマリスト×非ミニマリストのカップルよりはマシかもしれませんが、ミニマリスト同士でもそう簡単ではないと思います。

ミニマリストには二パターンある

ミニマリストにも物に対するこだわりが強いタイプそうでないタイプがいます。後者は部屋がすっきりしてさえいればいいので、物のチョイスに対するこだわりが強い方が主導権を握って自分好みの自宅にできます。一番楽なパターンだと言えるでしょう。しかしながら、これは少数派です。

ミニマリストはただ単に物が少ないだけでは満足せず、所有物は少ない代わりに厳選したい人が多いです。自分もそうです。こだわりが強すぎるため、物を選ぶ(調べる)のに時間をかけすぎてしまい、妻には「もっと他にやらないといけないことがあるでしょ!」と何度も怒られています。

こだわるポイントや好みの違い

ミニマリストと言うと、一緒くたに思われがちですが、やはり人それぞれこだわる対象やポイントは違います。

例えば、服はみすぼらしくなけば何でもいいというミニマリストもいれば、ファッションにこだわりたいミニマリストもいます。持ち物は必要最小限でいいけれど、趣味グッズだけは減らせない、というようなミニマリストもいます。

こだわるところが全然違うミニマリスト同士が一緒に住めば、物がそれほど減らないという結果になる可能性も十分あります。あるいは、好みの家具のテイストが合わず、揉めるというもあるかもしれません。こだわりが強いほど妥協も難しくなります。

ミニマリストが誰かと一緒に住むためのコツ

ここまでミニマリストが誰かと暮らすことの難しさをあげつらってきましたが、これを解決するのは難しい、というかほぼできないと思った方がいいです。シンプルに、他人はコントロールできないからです。コントロールしようとすれば軋轢が生じます。

じゃあミニマリストは誰かと暮らせないのか?というと、家族持ちのミニマリストはいるわけですし、できないことはないです。現にミニマリストの僕も結婚しています。

ここからは完全な「解決策」はないという前提で、ミニマリストが共同生活を送るためのコツ(対処法)を列挙します。 

個人スペースと共有スペースの区別

家族持ちのミニマリストの方々がよく言っていることですが、自宅の中を個人スペースと共有スペースに区別する意識を持つことです。どういうことかと言うと、自宅と言えども共有スペースは自分の好き勝手にできない「いわゆる公共施設のようなもの」だと思うことです。

著名なミニマリストおふみさんは、この共有スペースを駅に例えて上手く説明しています。

例えば最寄駅の構内が理想のインテリアでなくても、「こう変えたい、なぜ変えられないんだ」ともどかしくなったりはしませんよね。

そこが自分の管理下ではない、公共空間だと認識しているからです。

同じような感覚で、家の中のあしあさんの管理スペース以外の部分を認識することをおすすめします。

家の空間を区分けしてみましょう。

引用元:物を捨てさせてくれない家族とどう折り合いをつけたらいい?【ミニマリストおふみの相談室】 | いい住まい (esumai.jp)

精神論的な感じではありますが、ある意味諦めがつきやすくするための意識改革だと思います。

自分の物から手を付ける

上述の自宅の個人・共有スペースの区別にも関係することですが、共有スペースはひとまず置いておいて、まずは自分の裁量で好きにできる個人スペースを自分の理想の状態にすることです。

これもよく言われていることですし、正しいとは思います。僕も実践しました。ただ、尻切れトンボになっている主張が多い気がします。自分の物(個人スペース)に手を付け終わったその後は?という限界が遅かれ早かれ来てしまいます。

むしろ自分のスペースが理想通りになると、そうでない自分以外の持ち物がどんどん悪目立ちしてくることになります。公共スペースとは言っても、毎日住んでいる場所ですから、そう簡単に割り切れるものではありません。

非ミニマリストのミニマリスト化に期待しない

夫婦の性格や顔つがだんだん似てくるという話を聞いたことはないでしょうか?「シンクロニー現象」と呼ばれる、心理学的にも認められている現象です。非ミニマリストのパートナーが自分(ミニマリスト)の影響を受けてミニマリスト的志向に目覚める可能性はあるでしょう。

しかし一方で、僕の両親のように長年連れ添っていても全然性格が違う夫婦もいます。やはり期待し過ぎるのは危険だと思います。僕の妻も僕に多少影響されて以前と比べれば持ち物が減りましたが、それでも僕に言わせればまだまだです。

現実逃避の手段になっていないか?

個人的にこれが特に重要なポイントだと思っています。部屋の整理整頓や断捨離が現実逃避の手段になっていないか思い返してみて下さい。学生時代テスト前に無性に掃除をしたくなるタイプだった人はこれに当てはまる可能性が高いです。

試験前に漫画を読んでいたら強烈な罪悪感がありますが、掃除だったらそこまで罪悪感を覚えません。遊んでいたわけじゃないという正当化ができるからです。これはやらないといけないけれどやりたくないことから逃げるための言い訳を作る心理が働いています。

試験で良い結果を出すことに比べれば、その時部屋を綺麗にすることは大して重要ではないですよね?試験前にやらないといけないことは勉強であり、掃除をそこまで頑張る正当性はありません。

ミニマリストとして理想的な部屋を目指すことにも同じことが言えます。例えば、社会人ならスキルアップのための勉強や転職活動など他に注力すべきことがあるのに、それらから目を背けるために自宅の状態が必要以上に気になっていませんか?

かくいう僕もこれが当てはまります。現実逃避を止めるのはなかなか難しいですが、まずは自分が現実逃避をしていることを自覚することが第一歩かなと思います。

まとめ

ミニマリストが、というよりはこだわりの強さが結婚生活(共同生活)に不向きな要素になるのは確かです。一人暮らしなら自分の思い通りにできますが、誰かと一緒に住むならそういうわけにもいきません。共同生活をする上で歩み寄りや妥協が求められるのは、ミニマリストかどうかに限った話ではありません。

当たり前のことになりますが、結局「それでも一緒にいたいかどうか」が肝要です。ミニマリスト側はミニマリスト的な理想を妥協してもいいと思えること、非ミニマリスト側は持ち物を減らす努力をしてもいいと思えること、それが結婚生活が上手くいくために必要不可欠だと思います。


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