京大理系数学を数弱なりに講評するよ③(2013-2017)

こんにちは。

前回に引き続き京大数学の難易度を自己満で講評します。
数学が苦手な受験生目線の甘ったれた講評になるので、そこんとこよろしくお願いします。

私でも解けるレベルの問題は方針もほんのちょっと書きますが、解答とか載せないんでご了承ください。

あとめんどくさいので問題も載せません。
ごめんね。自分で解いてから読んでね。


ー難易度基準(独自です)ー

  • 易(解けなかったら多分落ちます)

  • やや易(易!と言うほどではないけど標準よりは易しめ。数弱でも何とか喰らいつけ)

  • 標準(合否の分水嶺。合格者は取るが数弱は多分落とす)

  • やや難(数学で稼ぎたいなら取りたい。数弱にとってはもうここから関係ない世界)

  • 難(地雷です)

あと2024年度までの入試の範囲外の分野(行列)は飛ばします。




2013

①(30) 易
②(35) やや難
③(35) やや難
④(35) やや易
⑤(30) 標準
⑥(35) (1)易 (2)標準


① ひたすら1次独立ベクトルで表して係数比較して終わりです。絶対取りましょう。

② 帰納法だ!といきなり飛びつくと泥沼です。帰納法は実験により一般項を推定できてからです。それからanの和が最大になるときは…と議論する必要もあり中々大変です。
前半に難問がある場合もあるので、詰まった時には潔く逃げましょう。

③  aとbが整数かつ互いに素であることを示すのですが、きっついです。解説を読んだらギリ分かるけど解けないな〜という感じです。この問題はガン無視していいと思います。

④ cosxで-π/2≦x≦π/2ときたら…そう、対称性の利用です。でもこれが中々出てこない。
対称性に気づかなかった場合は、ご丁寧に
-π/2≦x≦π/2の範囲でf‘(x)の増減表を描く、
-π/2<x<-π/6、-π/6<x<π/6、π/6<x<π/2の範囲にそれぞれf’(x)=0の解がただ一つずつあることを示してf(x)の増減表を描く… 感じでいいと思います。

数多のサイトでこの問題が簡単だ簡単だとこき下ろされてますが、こういう問題こそ論証に注意を払わないといけません。あと私は別に言う程簡単じゃないと思います。やや易にはしたけど。

⑤ 円Cの中心のy座標が正とは限らないんですが、こういうの初見で気付けます?練習では出来ても本番だったら絶対見過ごすと思います。
とりあえず接点を置けば何とか進むことはできます。完璧な答案を作るのは難しいけど、答えは出せる問題です。

⑥ (1)はすぐ出来るけど、(1)が与えるヒントに気づけるか。2n回とあることや、(1)で作った樹形図から何とか「2回の操作を1セットとして見る」ことを思いつきたいです。




2014

①(30) やや易
②(30) やや易
③(35) やや易
④(35) 難
⑤(35) 難
⑥(35) やや難


① ベクトル。以上。


② あからさまな確率漸化式の問題です。n秒後に各粒子がAかBかCにいる確率をそれぞれan、bn、cnとおいて…でも出来ますが、n秒後2つの粒子が同じ点にいる確率をpnとおいて…とやった方が早いです。別に解けたら何でもいいんですけどね。

③ 正弦定理、積和、微分をフル活用。答えの値が汚いですが、ここは落ち着いて取っておかないといけません。だって後の問題がね…

④ 青本の解説が気色悪かったので難にしました。論証が何かかなり難しいらしいです。途中まで書いて逃げたらいいと思います。

⑤ これも解説で格子点がどうとか言ってて意味不ですが…… modでゴリ押し、したくないですか?
a、bについて調べてみると一方が1余り、もう一方が2余ると題意に合います。なので、a=3k+1、b=3l+2とおいて(逆の場合も同様だとことわっておく)a^3+b^3を計算すると、a^3+b^3は9で括れます。あとはこの括った()内の式が9で割り切れるためのk,lの条件をひたすらmod9で調べます。

言わずもがな非常に時間がかかりますよ。ただ途中で周期性が分かるので計算ミスは防げます。写経みたいな答案になりますが論理的に書けば採点者も押し黙らせられるので万事解決♪

⑥ きついな〜。関数的に解くだけじゃできない、図形的な考察が必要な積分の問題です。途中までは問題なくできるけど、そこまで出来たとて果たして部分点をもらえるのか。これぞやや難というような問題です。難ではない。




2015

①(30) やや易
②(30) 標準
③(35) (1)やや易 (2)やや難
④(35) やや易
⑤(35) 難
⑥(35) 難


① sin^2x、cos^2xの積分ときたら半角の利用ですよ。ちょっとだけめんどい積分の計算問題です。

② 差がつきそう。こういうので弱者はふるい落とされる。とりあえず円の中心と接点を結べば方針が何とか立つはずなので、この問題は頑張って取りましょう。

③ (1)は典型です。おなじみ定数分離です。
(2)も典型といえば典型ですが、ハイレベルだと思います。極限ときたらとにかく不等式を作るんですが、これは経験が無いとどうしようもないです。数3は暗記です。

④ 答えまで一本道のベクトルの問題です。


⑤ 地雷です。

⑥ 自信のある人だけ挑戦したらいいと思います。サボってるわけではないです。




2016

①(30) (1)やや易 (2)標準
②(30) 標準
③(35) 易
④(35) 標準
⑤(35) 標準
⑥(35) やや難


① (1)は式がごちゃっとしますが頑張って綺麗に因数分解しましょう。(2)はeの定義をひたすら使います。かなり複雑ですが、指数をeの定義式に合うよう無理矢理変形すれば出来ます。何とか取りたいところです。

② 綺麗な式ですね。こういう素数の問題は偶奇に注目です。すると片方は2と分かるので、そこからは実験です。するとお得意のmod3でいけそうだとなります。2006の整数問題に加えて、これも京大受験生なら絶対解いておきたい問題ですね。

③ 数1の三角比のとこでこういう問題ありませんでしたか?垂線が対面の外心通るから何やかんやあって3つの三角形が合同で…って流れ。それを繰り返せば終わります。
それを忘れてても、ベクトルでも外接円の半径に注目して立式すれば解けます。落とせません。


④ 平面y=zとか言ってるし、図を描こうとすると大変です。とりあえず平面y=tで切ったときの切り口を考えると線分を表す式が出てきます。あとはそれを回転させて積分ですが… まあ、慣れです。


⑤ 露骨に確率漸化式の問題です。n秒後にXのx座標が0、1、2である確率をそれぞれan、bn、cnとすると、bnはすんなり求まりますがanを求めるところは差がつくと思います。anとcnが係数交換型なので、こういうのはan+cnとan-cnを作ってやりくりすれば良いです。


⑥ 実際に割っちゃえばいいじゃない。この解法は青本のお墨付きです。ただ割り算がしんどい。しんどすぎる。
①〜⑤までに明らかな捨て問がないので、この問題までたどり着いた時には却って時間が無いと思うんですよね。そんな状況でこの過酷な割り算を正確に行えるのか…

割り算さえできたら、あとは一つ一つ調べるだけです。割り算の話ばっかりしてますが、勿論他の解法もあります。ただ解説読んでも私にはよく分からないんです。




2017

①(30) (1)やや易 (2)標準
②(30) (1)やや易 (2)やや難
③(35) やや難
④(35) (1)標準 (2)やや難
⑤(35) 標準
⑥(35) やや易

30点問題、ここんとこずっと①②ですね。


① 式の形から極形式の利用を想起するのです。媒介変数消去については、(1)はお馴染みの方法ですが(2)は個人的に盲点でした… (2)は範囲にも注意。でも取りたい問題ですね。

② (1)文字をおきまくるのが正攻法です。式よりも文字の方が多いので不安になりますが、大丈夫です。(1)のヒントと対称性を利用しまくるのが(2)なのですが、図形苦手なら飛ばしちゃってもいいんじゃないですかね。頻出の四面体の論証ですが、去年とは打って変わって難しいです。

③ q=1は別に扱うというのは、tan2βを考える段階で気づきましょう。あとは計算してpをqの式で表します。分数式になりますね。
色々やりようがありますが、私はpは自然数だから(分母)≧(分子)より… としてqの範囲を絞りました。青本では「難」とありますが、さすがに難ではないです。青本の難易度評価は時々全然あてにならn


④ (1)は内心の定義から攻めることを思いつきさえすれば、瞬殺です。(2)は(1)の誘導に乗るのがきついので、ガン無視して面積から攻める方がまだ分かりやすいけど、難しい。飛ばしていいかと。

⑤ 図をちゃんと描いて!直線の傾きによってS(a)の式がどうなるかを追います。計算がきついし時間もかかるけど何とか取っておきたいです。

⑥ これまでのその手の問題と比べて、確率漸化式だと見抜くのが難しいんじゃないでしょうか。漸化式だと分かったら易しいです。






はい。こんな感じです。
この辺りの問題、結構難しくないですか?2000年代の頃より難化してると思います。

今回の記事はいつにもまして見にくくなってしまいましたが、参考になれば幸いです。
ではまた。



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