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勤怠管理サービスのデザインコンセプトを作成した話

ラクスUIデザインチームのうえだです。

今回は、私がUIデザインを担当した楽楽勤怠について、
そのデザインコンセプトを設定するまでの過程をまとめました。

そもそも何のためにデザインコンセプトを設定するのか?

デザインコンセプトとはプロダクトに込めた意図や目的などの世界観を反映したもので、フォーマットは様々だと思いますが、
個人的にはデザインの方向性がブレたり、判断に迷った際の指針として利用するために設定しています。


1. バリュープロポジションの設定とターゲットの明確化

デザインコンセプトを作成するにあたって、
まず最初に、自社サービスがどうありたいか、
どんな課題を解決し、どんな価値を提供したいかを明確化します。

たまに、POの心の中にはなんとなくビジョンがあるものの、
それが関係者に共有されず、プロダクトに落とし込みきれていない状況を見かけるので、その場合はデザイナーがそのビジョンを言語化し、関係者間で共有できるように見える化する必要があります。

楽楽勤怠では「組織の労働生産性に貢献する」というのをミッションに掲げているので、「効率的に勤怠管理を行えること」がバリュープロポジションになっています。


2. キーワードの抽出

次にサービスを象徴するキーワードを抽出します。
キーワード抽出には、ユーザーとプロダクトの関係性を明らかにする必要があります。
楽楽勤怠では、利用ユーザーは大きく3つのロールに分けることができるので、各ロールごとに関係性を整理し、キーワードを抽出しました。

■ 勤怠管理者
主に人事や労務の担当者。従業員の勤怠状況を管理する。
・勤怠管理自体がメインの業務になりうる
・日常的に利用する(週に数回、数時間程度)
→ キーワード:正確、信頼、誠実、真面目etc...

■ 管理職
マネージャーや管理監督者。従業員の勤務状況を観測する。
・ 勤怠管理は業務の一部であり、メインではない
・ 必要に応じて利用する(月に数回、数分程度)
→ キーワード:正確、安心、信頼etc...

■ 従業員
労働者。自身の勤務状況を報告する。
・ 勤務状況の報告自体は業務ではないが就業規則上の義務である。
・ 日常的に利用する(1日数回、数分程度)
→ キーワード:親しみ、馴染み、友好etc...


3. 市場調査とポジショニングの検討

競合他社のプロダクトを以下の観点から調査し、
自社のプロダクトはどこにポジショニングすべきかを検討します。

印象 :柔らかい ↔︎ 固い
複雑さ:シンプル ↔︎ 細かい
色味 :暖色 ↔︎ 寒色


4. デザインコンセプトの設定

上記の工程を踏まえ、デザインコンセプトを設定します。
イメージボードを作成するときもありますが、
今回は新規立ち上げで時間の制約があったこともあり
ブランドカラーを設定し、その意味するところを言語化するにとどめました。
そして出来上がった楽楽勤怠のデザインコンセプトがこちら↓

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今回、カラースキームについては、自社のブランドが市場で埋もれないように、抽出したキーワードに沿いつつも、あまり利用されていない色を選択しました。
また、楽楽勤怠は他の自社サービスである、楽楽精算や楽楽明細といった「楽楽シリーズ」のうちの1つであることから、シリーズ内で利用されていない色である必要もありました。


5.最後に

デザイナーはサービスに関する様々な情報から暗黙的にイメージをつくり、それをプロダクトデザインに反映させていると思います。
今回デザインコンセプトを設定し言語化したことで、私自身、自分の考えを整理することができたのと、関係者にデザインの創作意図や目的、思いなどを伝えやすくなったように思います。
今後はデザインコンセプトのフォーマットもいろいろ模索してみたいです。

※ お知らせ

弊社のクリエイティブデザインチームが作成した、楽楽勤怠のサービスサイトが先週の7/10に公開されました。
色やラディアスなどの印象を合わせてデザインしてもらっています。
よろしければこちらも合わせてご覧くださいm(_ _)m
https://www.rakurakukintai.jp/


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https://career-recruit.rakus.co.jp/career_designer/




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