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青と白の世界で

Chamonixを選んだのは、何となく山が見たくなったから。
モンブランの麓にあるフランスの町、Chamonix。
フランスと言ってもスイスの国境近くにあるので、Zurichからバスで向かう。

冬はウィンタースポーツのためにたくさんの人が訪れ、夏は避暑地としてハイキングやスカイダイビングを楽しめる町だ。
フランスなので、食事も美味しい。少しクセのあるチーズたっぷりのグラタンがとても美味しかった。

ハイキングや氷河の洞窟も旅の目的だったものの、いちばんの目的はモンブランの山頂を臨めるAguille De Mediという展望台に行くことだった。展望台は富士山と同じくらいの標高に建てられている。

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ゴンドラを2つ乗り継いで、2800m近くもの高さを一気に登っていく。1つ目の駅では緑に覆われていた世界が、展望台に辿り着くと雪と氷と岩の世界に変わる。
真夏なのに肺に入る空気は痛いほど冷たく、薄い。
展望台の階段をいつものペースで登ると息が切れてしまうので、ゆっくり踏みしめるように登った。

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『白い貴婦人』
その別名に相応しく、モンブランの頂上は緩やかなカーブを描いた真っ白な雪のドレスで覆われている。岩肌が雪の上に青く影を落としている場所は、ドレスの襞のように見えた。
空の青と、雪の白、所々見える黒い岩肌。息を呑むほど美しい世界がそこにあった。
展望台から見下ろすと、雪のドレスの裾を登山隊が歩いて行くのが見える。
なだらかに見えても雪と氷で覆われた山は危険に満ちている。標高約4,810m、西ヨーロッパ最高峰で滑落事故も少なくはない。
彼らが無事頂上にたどり着けるよう祈りながら、ゆっくりと展望台を後にした。

展望台内のカフェが個人的にはいちばんのお気に入りだった。
さすがフランス、バターがたっぷりの焼きたてクロワッサンとコーヒーがいただけるのだ。
カフェの窓からはモンブランの絶景が見えるので、温かいカフェの中で美しい景色が楽しめる。
ただカフェは大人気なので、朝イチのゴンドラをおすすめしたい。


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