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Love the Coopers

perfectly imperfect.

クリスマスマーケットに続いて、
クリスマスの映画をひとつ。

邦題は『クーパー家の晩餐会』

タイトル通りクーパー家という家族のお話なのだけれど、単に幸せな家族の話というわけではない。
Mr.CooperとMrs.Cooperは熟年離婚寸前、その娘は婚約者に浮気された傷を引き摺って独り身なのに、見栄を張って空港のバーで出会った男性に恋人のフリを頼む。息子はリストラされたことを元妻にも息子にも隠して就活中で、その子供は反抗期真っ只中。Mrs.Cooperの妹は、不仲の姉へのプレゼントにお金を使いたくなくてデパートで万引きしてパトカーで連行。
絵に描いたような幸せな家族ではなく、みんな何かしらの秘密や問題を抱えているのだ。

はちゃめちゃホームコメディ映画ではあるけれど、欧米のクリスマスにありがちの、幸せな家族団欒はこの映画の序盤には存在しない。どこかよそよそしい家族会がスタートするのである。「完璧に幸せな家族団欒の一時を演じなければいけない」という呪いがかかった家族の、ある意味現実的な物語なのだ。

日本でいえばお正月やお盆の帰省がこれにあたるのだが、大人であれば少なくとも1度は、毎年の行事が億劫になったことがあると思う。
私自身、新しい報告事項もないので、年々帰省が面倒になっている。カレンダーによっては休暇も短いので東京にいたいわけだが、元旦は実家にいなければいけないというのが暗黙のルールだ。
帰れば「いい人はいないのか」、「ひとりばっかり楽しんでないで」の応酬でうんざりするのに、
なるべく顔に出さないように取り繕った笑顔でお節をつつく。
さすがにその場で知り合った男性を婚約者として連れて行くことはしないけれど。笑

「完璧に幸せな家族団欒」など絶滅危惧種で、実際はクーパー家のように、誰もが家族に打ち明けられない秘密や問題を抱えている。

完全に不完全。

家族なんてそんなものだから、クリスマスだからといって上っ面の幸せを演じる必要なんてない。
むしろたまには自分を曝け出してぶつかりあえばいい。この映画はそんなメッセージもこめられているように思う。

でもやっぱりクリスマスだから、ドタバタしつつも物語はハッピーエンド。
ラブストーリーに飽きた方は、こんなクリスマス映画を観るのもいいかもしれない。


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