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マネージャー3年生がマネジメントとは?を振り返り、答えを出してみた

新卒一社目からベンチャーなので、いわゆる”マネジメントする側”に比較的早く関わってきました。そして現職でも、状況に応じてマネージャーの立場になってきました。過去を合算すると肩書としてついていたのは3年ほどになります。(自己紹介は省き、別記事のリンクにしておきます)

ただ、初めてメンバーを迎えてから今に至るまで、いまいちマネジメントって何なのか?はよくわかんないし、何が正解なのかも分からぬまま、しっかりしなきゃという責任感と不安がいつもあり「自分はマネージャーの才能ない」と何度も思ってきました。きっと、ある日突然マネージャーになった人が自分と同じように悩んでるんじゃないかと思い、今回自分なりに「マネジメントという仕事にはどんな要素があるのか」「これからのマネジメントの形」について30歳になる前の振り返りとして、自分なりに考えてみたのが本記事になります。

マネジメントの大部分を占める2つの要素


いきなりですが、たぶんマネジメントって、仕組みマネジメントとヒトマネジメントこの2つが大きな要素になるんだと思います(どちらも造語で仮称です。本文中でのみ勝手に意味づけています)。パキッと別れる分類なのか、各業務毎にグラーデーションのつく属性なのか?は自分にもまだ答えは出ておらず…ですが、過去マネージャーとして行った事のほとんどがこの2要素を中心に整理できました。
【ヒトマネジメントとは】
「個人の生産性を高めること」「各個人がより高い成果を出すためには?を考え支援すること」
具体的にはメンバーの成長のため1on1/振り返りでの支援や、勉強会・研修を企画実行すること等がヒトマネジメントに属します。能力面での伸長もですが、個々人が実力を存分に発揮できるようにすることもこちらに属します。例えば、チームMTGでの何気ない日常会話や、案件の相談にのるなど、本人の能力を発揮できるよう支援するのもその一つです。
世の中には抜群に感度が高い天才もいて、直感でできる人も居るのが悔しいところです。自分みたいなタイプは、もっと人に目をむけたり、素の自分で接することも大事になってくるんだと思います。話が逸れましたが、上述の通り、チームメンバーの「個」に注目し、属性や志向を把握しながら高い成果に導くことはヒトマネジメントとして整理できると思います。
【仕組みマネジメントとは】
「人時生産性を高めること」「チームメンバーの現状出力値から最大の成果を出すためのプロセスを考えデザインすること」
例えるなら ”1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍” のような要素ですね。KPI設計をして現状を正確に把握できるようにしたり、業務フローの改善・システム化をもってチームの成果を最大にする要素です。特記したいのが、決してシステム屋さん・ツール屋さんではない点です。マネージャーはITツールを導入し管理者になるだけでは不十分で、それを使い何を改善したくてどう成果を最大化させるのか?を目的を持って仕組みをデザインします。仮にその手段で目標に届かなそうであれば主体的に次の一手を打ちにいくことが仕組みマネジメントの要素として求められます。
話をわざと逸らしますが、ヒトマネジメントとの対比として、仕組みマネジメントにはタブーがあると思っています。それは”現状出力値と乖離した仕組みマネジメントをしてはいけない”です。あくまで現状値で最大の成果をめざす。今も自分が頻繁に失敗するんですが、メンバーがこのくらい成長する/してほしいという希望的観測(ヒトマネジメント的要素)をもとに仕組みマネジメントをした場合、前提が崩れることで失敗しやすいと思います。

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この2要素は、組織フェーズによってどちらの要素がより重要かが違うのだと思います。大企業など組織化されるほど、仕組みマネジメントが現場から剥がれていき、マネージャー1個人に求められるものがヒトマネジメント寄りになるんだと思います。一方で、ベンチャー企業や新規部署立ち上げフェーズは、仕組みマネジメントが比重が高いと思います。
そして、目標達成のために局面に応じてヒトマネジメント(個人最大化)と仕組みマネジメント(チーム最大化)を使い分け、チームのアウトプットを最大化させることが”今の”マネージャーの役割なのだと思っています。

ここから考えたこれからの組織設計のこと


多分ですがベンチャーにおいても大企業同様に、ヒトマネジメントと仕組みマネジメントは複数人で分担されていくのがトレンドになるんじゃないか?そう思っています。
職能上のマネージャー(営業部長・マーケ部長など)と別でオペレーションデザインを担う存在として実際にOpsと呼ばれる組織形態を採用している会社もあります。営業しかなかったところから、マーケティングやCSが自然と分化していったように、仕組みマネジメントが職業として分化していかないかなと妄想しています。
理由その0:マネージャーとして何を求められているのか?が曖昧になることがない。ミッションを明確にすることで、自分のように何をすればいいの?と迷う人が減るといいなと思います。)

理由その1:個別具体に注目するヒトマネジメントと、抽象化して考える仕組みマネジメントは、脳みそのスイッチングコストがかなり高いため。(あと個人的にはシンプルにヒトマネジメント、仕組みマネジメントの両方を高いレベルで常に実行できる人が市場において希少すぎると思うため)
理由その2:ヒトマネジメントのベストと仕組みマネジメントのベスト選択肢は相反/矛盾することも多く、一人の人間のリソースだと溢れてしまうことがあるため。例えば、「焦らなくていいから一歩一歩成長していこう。と言いたいが、今月の成果を目標にアラインさせないといけない」「成長のためにはこんな研修してあげたいが、チームの目標達成のために今すぐ追加施策の検討が必要」などが実際ありました。

実際、転職活動をしたときも、マネージャー募集にて何をする存在で何が求められているのか?をはっきり伝えられたことは無かった気がします(偉そうに言っておきながら過去の自分もふわふわな募集要項出してた…)。そのため、「マネージャーとして○年やってきました」という言葉に、以前の環境でヒトマネジメント/仕組みマネジメントどちらが強く求められていたのか?や今の採用枠でどちらを求めているのか?によって採用ギャップがおこりやすいのでは?と感じました。

そこで、多分の多分ですがマネージャー層の採用枠の形は変わっていくと思います。今までの「マネージャー募集(1枠)」が、ヒトマネージャー募集で1枠(赤線)、仕組みマネージャは別枠(青線)で募集になるんだと思います。

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マトリクス組織(参考:ハイアウトプットマネジメント)の、機能組織(=職能軸)と使命中心の組織(=業務軸)の二重所属に近いと思っていて。付け加えたいのは、現状の一般的な考えだと、職能軸にはマネージャー(例:営業部長等)が立ちますが、業務軸にはマネージャーが立つことが少なく、トップが一人で全部見ることが多くない?ってことです。それを仕組みマネージャーを立てることにより、個の出力アップと組織としてのアウトプットを切り分け、状況における部署を横断した課題に対しての改善活動が回しやすいのでは?と妄想しています。

実際、Saas界隈では「ザ・モデル」が人気ですが(自分も大好きです)、現場レベルでは部署を横断した課題への対処がネックになりやすい感覚があります。特に一つ下流の部署のKPIを上流の部署がKGIに含めても、上流部署への施策投下・運用・検証を回すには職能軸のマネージャーという立場では権限的にも時間的余裕も、厳しいのが実態なのかなとも思います。

これからの私のこと

今、私は希望してマネージャー職を離れており、新プロダクトでやりたい放題やってますが、いつか仕組みマネジメントとヒトマネジメントをジョブとして分けた組織づくりをしてみたい。あわよくばその中で仕組みマネージャーをやってみたい。そう思っています。
あと仕組みマネージャーをまとめた部署のマネージャー、つまりは仕組みマネージャー長もやってみたら楽しいだろうなぁ。
それで自ら事業成長に貢献してたんまりお金稼いだら、壁にぶつかり始めたベンチャー企業に投資しながら仕組みマネージャー組織の手法を取り入れてもらって、事業成長をお手伝いできたら楽しそうです。そのころには日本におけるマネージャーって言葉の意味を変えられそうです。

最後に

自分なりの整理をしてみたこの記事を読んで頂いた方に、「私は気質的にはヒトマネージャー寄りかも」とか「マネジメントの一環としてやっていたこれは、仕組みマネジメントだなぁ」など少しでも頭の中を整理する助力となっていれば幸いです。
マネジメントとは?に対して今の考えを吐き出しただけなので、私はこう思うよとか、もしありましたら声をかけていただけると幸いです。Zoomで一緒にやんややんやディスカッションしましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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