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未来志向のタスクスケジュール管理を考える

はじめに

このnoteはスケジュール管理、タスク管理について、私の独善的な考えを書いていますので、ほとんどの人には役に立たないかもしれません。
でもずっと気になっていたテーマで、この思考を吐き出したかったので、論点があちこちに飛ぶかもしれませんが、お暇な方はお付き合いください。



上司から、他部署から、大小いろいろな仕事がどんどん降ってきて、それをさばくので精一杯。
計画的に仕事をこなすなんて夢のまた夢。
バックオフィスの皆さんの中で、そういう方も多いのでないでしょうか?

でも、依頼されたことを即応すれば、喜ばれるし、喜ばれたら嬉しいし、やりがいも感じられる。
だから降ってくる仕事を目に付いた順、気が付いた順から片付けていく。
でも振ってくる仕事が減るわけではないし、仕事を依頼してくる側も即応してくれるのが当たり前になって、感謝の言葉のそのうちなくなる。
そして、日々疲弊していく……不満もたまる……



タスクスケジュールを管理するには

唐突ですが、月間のタスクスケジュール表を作るには、どうしたらいいでしょうか。

  1. タスクを洗い出し、リスト化する

  2. 各タスクの実施時期を決めて、それらを表形式(縦:タスク、横:日付)にする

とりあえず簡略的にこの2ステップを踏むことで月間のスケジュール表は作られると仮定します。
それぞれのステップについて私が思考したことをツラツラと書いていきます。
まずはステップ1「タスクを洗い出し、リスト化する」について。


タスクってなに?

事例:
いつも忙しそうにバタバタしているバックオフィスのAさんに、月間のスケジュール表を作ってもらうことになりました。
提出されたスケジュール表を見ると、なんと中身がスカスカです。
これはどうしたことでしょう?

原因:
タスクをタスクとして認識していない

「タスク」は、作業や業務のユニット(単位)のことです。
Aさんはあんなに忙しいのに、自分の仕事の多くを「タスク」として認識していないのです。
どうやら突発的に発生する(ように見える)業務で、なおかつユニット(単位)が小さいと、「タスク」と思えないようです。

問題点:
まずタスクとして認識しないと、そのタスクを管理できない

例えば、Aさんが名刺発注を依頼された都度行っていたとします。
現状では突発的に発生、かつ小さい業務なので、Aさんはこれをタスクとみなしていません。
このままだと、Aさんは依頼~都度発注のループから抜け出せません。
しかし、業務を計画的に行うには、まず業務の出発点を他人都合から自分都合に変える必要があります。
そうしないと、そもそも計画が立てられないからです

行動変化:
もし名刺発注をタスクとして認識できたらどうなるでしょう。
その業務が自分の手の中にある感覚を得られれば、「管理できるかもしれない業務」という意識の芽生えにつながるかもしれません。
そこからさらに「では実際に管理するにはどうすればいいんだろうか」という疑問が発生する可能性があり、「〇〇〇したらいいんじゃないかな」というアイデアに到達することも十分あり得ます。
具体的なアイデア例としては、毎月10日〆切で名刺発注依頼を社員から募り、月1回の発注業務で済ませる、とかでしょうか。

コピー用紙などの消耗品の発注を、ストックが無くなる都度発注していたところを、毎週木曜日に在庫確認をして、その時の在庫残高状況によって発注する。
経費精算について、申請の都度従業員に精算支払していたところ、月1回の申請~支払にする。
郵便の発送を依頼された都度行っていたところ、毎日午後3時に郵送するものはないかを社員に聞き取り、午後4時に郵送作業をする(3時以降の依頼は翌日に持ち越し)。

などのように、タスクをタスクとして認識することで、突発的に発生しているように見えていた業務について、計画的に行えるものがまだまだあるのではないでしょうか。

解決策:
日報をつけて、自分の仕事を可視化する

今日1日何をしたのか、些細な業務も漏らさず日報に書き、自分の仕事を可視化します。
そして、小さなタスクは実施タイミングを決めてまとめられないかを考えます。
逆に大きなタスクなら、分割して日々のタスク量をなるべく平準化できないかと検討します。

自分のバックオフィスとしての仕事を、タスクとみなせないほどの雑事と考えることは、他の人がバックオフィスの仕事を誰にでもできる雑事と考えることと同じです。
私としても、自信とプロ意識を持って自分の仕事をマネジメントしていきたいものです。


タスクを線や多層で捉える

次いで、ステップ2「各タスクの実施時期を決めて、それらを表形式(縦:タスク、横:日付)にする」について。

スケジュールを立てるには、まず何を何日までに完了させるかを決めなければなりません。
しかし、〆切の日を決めるだけで終わってはいけません。それはスケジュールを立てる作業の一部でしかありません。
実際には、その業務を完了させるまでの行程を考える必要があります。
つまり、スケジュールを点ではなく、線で捉えます。
なぜなら、すべてのタスクが、とある一日だけで完了するわけではないからです。

ここまできたら、さらにタスクを分解して多層で捉えることができると尚良しです。

タスクAをA1、A2、A3に分解

なぜこんなにタスクを複雑にするのか、面倒だ、と思われるかもしれませんが、タスクの分解にはそれなりに効能があります。
それは一定時期へのタスクの集中を緩和できることです。

タスクC1を早い段階で終わらせておく

経理業務であれば、月次決算でタスクが月末月初に集中することはよくあります。
しかし、月次決算のタスクを分解し、一部を月末月初以外の時期に済ませられるとしたら、たとえそれが月末月初の総タスクの10%程度であったとしても、体感的にはかなり楽に感じるのではないでしょうか。
心に余裕が生まれれば、その分ミスも起こしにくくなりますので、ミスによる手戻りが減り、さらに業務量は軽減されるかもしれません。

タスクをただ単純にリスト化するだけでは、それはタスクスケジュール表ではなく、ただのToDoリストです。
タスクスケジュール表は、タスクを線、さらには多層に捉えてこそです。


タスクはまとめるべきか

ここで、タスクの作業量について思考したいと思います。
作業はある程度量がまとまった段階で一気にやってしまった方が効率的だという考えがあります。
しかしこれは場合によります。

月間営業日数が20日の会社において、毎日手がけたら1日10分かかる作業を、月1回にまとめて行ったら150分しかかかりませんでした。
毎日作業をしていたら合計200分かかりますので、50分の作業時間の短縮となります。

作業時間は確かに短縮しましたが、まとめて作業する日が前述の経理にように、月末月初の業務が集中する日だったら?
何もわざわざそんな日にやらなくてもいいじゃないか、と思われるかもしれません。
しかし、そのタスクの〆切日が月末月初だったら、その時期にまとめてやろうとするのはあり得ることです。
とはいえ、たとえ作業時間短縮になったとしても、それはまとめてやるべきではないのではないでしょうか。

タスクをまとめない方がいい場合は他にもあります。
タスクをまとめると、ある程度の時間が必要な量になりますが、常日頃忙しいと、そのまとまった時間がとれない、または時間をとるのが億劫になってしまうことがあります。
なので、どんどん後回しになってしまい、さらにそのタスクが膨張していくことになります。
1日10分程度のタスクなら、まとめずに毎日やってしまった方がいいと思います。


未来志向になれない

スケジュールを組み立てるには、「未来に目を向ける」という大前提が存在しています。
スケジュールを決める際は、タスクの〆切日を未来に置きます。つまりそれには、現在から未来に自分の視点を移すことが必要です。
何を当たり前のことを言ってるんだ、と思われるかもしれません。
しかし、私のちっぽけな経験的観測範囲内では、これをやり慣れていない人がいるような気がします。

未来を考えるというのは実はとても重労働です。
旅行の計画など、楽しい未来なら話は別ですが、仕事や勉強のように、やらなければならない義務的未来を考えるのは、本当は訓練やテクニックが必要なのではないかと私は思っています。

だったらどうしたらいいのか、と問われると、それはもうスケジュールをいっぱい立てて視点を未来に置くことに慣れるしかない、という答えしか思い浮かばないのですが。


目先だけのサービス精神に捕らわれない

バックオフィスを担う方々には、周囲に気を配り、サービス精神を発揮されている方が多くいらっしゃると思います。
気分を害されるかもしれませんが、あえて言わせてもらうと、そのサービス精神は、ときにはタスクやスケジュール管理を阻害する可能性があります。

たとえば、前述の「タスクってなに?」において、他の従業員に依頼される都度対応していたのは、サービス精神からかもしれません。
そして、業務の出発点を他人都合から自分都合に変えることは、ある意味サービス精神に背くことになります。

しかし、ここでも未来志向を取り入れられないでしょうか。
もしサービス精神を発揮することで、都度対応を求められる環境を維持すれば、将来その業務を引き継ぐ方も、サービス精神の発揮を強いられます。
元からサービス精神が旺盛な人ならまだしも、そうでないなら心理的に負担に感じてしまいます。
さらに、計画的にタスクをコントロールできない状況に置かれて疲弊するとなれば、そのサービス精神は果たして会社のためになっているのか、私としては疑問に思います。
組織拡大を見越している会社であれば、バックオフィス人員の定着や業務負担の軽減は無視できない問題のはずですから。



いろいろ根拠もとりとめもない思考を繰り広げましたが、タスクスケジュールは考えれば考えるほど奥深く、各人でも考えが分かれるところだと思います。
なので今回はここまで。


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