耳の御守り(dBud)
はじめに
真珠腫性中耳炎の手術後、聴覚過敏のような症状が出た者です。これは、一歩踏み出すために、耳のノイズ軽減イヤホンを買ったお話しです。
聴覚過敏?
手術前、点耳薬をさし始めたあたりに、交通量の多い道路の音が無理。救急車の音が無理。バイクの音が無理。と、音にはかなり敏感になっていた。突き刺ささる感じ。
術後、そういった音は平気になったのだが、一部の音には過敏に反応してしまう自分がいた。なんか、耳がゴボゴボする感じ。
耳が「イヤなんです」ってしゃべってるみたい。
家の中では、カラトリーどうしが擦れるカチャカチャ音。
お皿どうしが擦れるカチャカチャ音。
ステンレスのピンチハンガーの擦れる音。
ゴミ袋のカシャカシャ音。
せんべいのビニールのカシャカシャ音。
私の隣で、せんべいのビニールで遊びだした夫に
「遊んでるんだったらやめてほしい。この音ムリ。」
と思わず言ってしまった。
これは当事者にしか分からないこと。
昔、ADAH(注意欠陥・多動症)のお子さんをお持ちのお母さんとお話ししたことがあって、芸術的な面を伸ばしたほうがいいと思い、気軽に
「音楽やったら?」と言ってしまったことがあった。
「音を拾い過ぎてしまうから無理なの」と返事があった。
(ADAHの方は、聴覚過敏であることも多い。)
当時の私に喝を入れてやりたい。
当事者にしか分からないつらさ。ほんと無理なんだよ。
私は片耳なので、まだいいけど、両耳になるとほんと「イヤーーーー」ってなるんだろうな。
学校なんて逃げ場がないし、どうやって過ごしてるんだろう。イヤーマフかな?
私は、家の中では人の声は平気(空間の問題?)で、TVなどスピーカーを通した音も平気。
それが、一歩外に出ると、人の声が無理な時があって、電車だと車両を移動したり、飲食店だと早々に退散したり、スーパーはなるべく子供がいない時間に行く(とりわけ小さな子どもの大きな声が苦手)
と今のところ、対策をしている。
でも、逃げ場がない時はどうしよう。飛行機や電車などの指定席の場合。今のところ、小声で話す方にしか遭遇していないが、これがいつもそうとは限らない。
ちょっとザワザワした空間にはもう行けないのかな。
イベントとかライブとか飲み会とか。
「押し」がいたら死活問題ですね。
一つ、飲み会は断ってしまった。
学生時代の友人同士で集まろうって話。
おそらく20人とかになると思うので、私でいう「ザワザワした空間」。
おそらくお皿やカラトリーもカチャカチャ鳴るだろう。
お酒も入るので、大きな声を出す人もいるだろう。
小さなお子さんを連れてくる方もいるだろう。
今は家で過ごしているけれど、外で働くとなったら
ザワザワしたオフィスは無理かもしれない。
電話の音は大丈夫?
ものすごく、生きづらくなるかもしれない。
でも、これは一過性のものかもしれない。どうしよう。
ノイズ軽減イヤホン
そこで出会ったのが、ノイズ軽減イヤホンの「dBud」。
ディーバッドと読みます。イヤホンですが、音楽は聞けません。
春くらいからちょこちょこサイトは見ていたのだけど、何度も完売している。
ノイズに苦しんでいる人がたくさんいる。
点耳薬も終わったし、おそらく耳の中に何か突っ込んでも問題ないかな。装着するのは、少しの時間だけだし。
ちょっとノイズに耐えられない時が増えてきたので
ようやく購入してみた。
イヤーマフだとちょっと恥ずかしいけど、これだと見た目はイヤホン。
デザインもかっこいい。
なぞのルーティンワーク
最近の日課は、朝起きると、まずはノイズチェック。
カラトリーをカチャカチャ鳴らしてみる。
「今日はいける」「・・・今日は無理かな」
これがわたしの一日の始まりだ。
今年亡くなったフジ子・ヘミングさんがインタビューで、何気につぶやいていた言葉をよく覚えている。
これをTVで見たのが、私が耳の病気と診断された直後というのも相まって、耳の悪い方の生き様などには敏感に反応してしまう。
「今日はよく聞こえる。」
「・・・今日はダメだわ。」
日によって耳の聞こえ方が違うらしい。
この方は、中耳炎をこじらせて聴力を失っている。
私も日によって、音に過敏になっている時とそうでない時がある。朝大丈夫でも夕方にはダメになることもある。ゲリラ豪雨や雷でダメになることもある。
大丈夫な日でも、この「dBud」を持ち歩こうかなとおもっている。持ってるだけで安心する。
"カッコイイ"耳の御守りです。
もう少し使ってみてレビューを書いてみようと思っている。
※この製品の注意書きには「持病のある方は、主治医の指示に従ってご使用ください」とある。
今度の通院時に聞いてみようかな。聴覚過敏のお薬を処方されそうだけど。
まとめ
かっこいいノイズ軽減イヤホンがあるよ。
不快な音は我慢しないでね。