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空き家対策に必要な視点としての隈研吾『負ける建築』

県内空き家率最高18.5%

『四国新聞』2024年5月21日(火曜日)付報道によれば、「(香川県の)順位は全国ワースト10位」、「香川県の空き家は増え続けており、1993年の3万9400戸(空き家率10・8%)が今回は9万1千戸(同18・5%)と、30年間で戸数は2・3倍に膨らんだ」とのことです。

県内での対策事例

県内での空き家問題解決に向けた事例・施策としては、

◆高松市
高松市は2022年度から、所有者と宅建業者をつなぐマッチング事業を始めた。市が窓口となって所有者からの物件の情報を受け付け、約130の登録事業者に提供。仲介を希望する事業者が買い手や借り手を探す仕組み。今年3月末までに所有者から389件の申し込みがあり、3割近くの103件が成約に結びついた。

◆宇多津町
宇多津町も同様の取り組みを実施

◆綾川町
過疎地域の空き家の老朽化に悩む綾川町は、物件を町が借り上げてリフォームし、移住希望者に貸し出す事業に着手…町は「空き家対策と同時に、移住の促進にもつなげたい」。

◆小豆島町
(同様の取り組みを)モデル事業として取り組み、効果を検証する。

◆丸亀市、坂出市
老朽空き家の解体を促すため、固定資産税の減免制度を導入。本来は取り壊して更地にすると支払額が増えるが、解体前と同じ水準になるように一定期間減免する・
「『税金が上がるから解体できない』という所有者に制度を活用してもらいたい」=坂出市。

多度津町の取り組み

さて、多度津町の取り組みはどのようになっているでしょうか。

1. 町内に存する老朽危険空き家の撤去費を補助
老朽化して倒壊等のおそれのある空き家の除却を促進し、地域の住環境の向上を図るため、多度津町内にある老朽危険空き家の除却を行う者に対し、その費用の一部を補助します。

他市町の取り組み事例を参考にしながら、利活用できるような制度づくりに早急に取り組む必要があります。

建築家の隈研吾は、周囲の環境を圧倒する「20世紀的な建築(勝つ建築)からの脱却」を説き、弱さや柔らかさに注目し、さまざまな制約を受け入れる「負ける建築」に21世紀の途を探ります。空き家対策にもこうした視点が必要不可欠だと僕は考えています。

『四国新聞』2024年5月21日(火曜日)付。




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氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。