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あんときのデジカメ ひょっとすると「桜の樹の下には」 with Pentax Optio VS20

(はじめに)写真を趣味とすることで変化したのは、細部への注目ということです。季節感や季節の草花になどこれまで注視することなどなかったのですが、改めて見渡してみると発見の連続です。「神は細部に宿る」とはよく言ったものですが、今回はリコーペンタックスのコンデジで桜を撮影してみました。

神は細部に宿る

 写真を撮るようになってから変わったことがいくつもあるのですが、そのひとつは細部に注目するようになったことです。

 具体的に言えば、季節感を意識的に感じてみたり、あるいは、季節の草花に注目してみたりすることです。

 なあんだ、よくある趣味人の風流じゃないですか!

 などとしたり顔で突っ込まれそうですが、そうではありません。

 たとえば、今は桜のシーズンですが、これまでであれば、桜が開花するとたしかにどことなく楽しく、宴席などを喜んでいたのですが、それは桜の開花を楽しむというよりも、どちらかといえば、お花見や乾杯の席を心待ちにしていただけれで、桜に注目することなどは決してありませんでした。

 しかし、あらためて写真を撮るようになると、蕾が膨らみ、花びらを開き、そして吹雪として消えていくさまを

 「なんともいえぬ」(←ここは池波正太郎風に

 などと感じるようになりましたので、これは写真を撮るようになったことのアドヴァンテージではないかと考えています。

 「神は細部に宿る

 などと言われますが、これはよくできた言葉です。

桜の樹の下には

 さて桜です。

 例年だと3月の20日前後に開花しはじめ、4月のはじめには桜……といっても、それはソメイヨシノのことになりますが……はほとんどその時期を終えてしまうのが例年のことです。

 俗に入学式の頃に満開を迎えるなどという季節のイメージがありますが、実際には卒業式に添えられるというのが実際で、これは東京でも讃岐でもほとんど変わりありません。

 しかし、ことしは、春分以降、天候のすぐれない日が相次いだために、桜の開花期間が長引いています。コロナウイルスの影響などもあって、お花見客はほとんど散見されませんが、それでも新しい季節を、桜が祝っているようにも見えます。

 桜の木々の隙間には、メジロの姿も見え隠れし、実に何とも言えぬ風流な光景を今年も楽しむことができました。

 ひょっとすると「桜の樹の下には」と考えるのは梶井基次郎だけではないかも知れませんね。

 桜の樹の下には屍体が埋まっている!
 これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

(出典)梶井基次郎「桜の樹の下には」、『青空文庫』。

20倍ズームで使いやすいリコーのペンタックスブランド

 さて、そんな桜の様子をスケッチするにあたり使用したのは、2012年に発売されたPENTAXブランドOptio VS20 となります。20倍ズームのやや大きめなコンパクトデジタルカメラになります。そしてあえてPENTAX「ブランド」と表記しているのは、このカメラは、すでにリコー傘下となった「後」のPENTAXの名を関した商品になるのがその理由です。

 別にどうでもいいじゃないかと言われてしまえばそれまでですが、厳密に言えば、リコーのペンタックスのコンデジとでも言うのが正確でしょうかね。

 では、簡単にスペックを紹介します。センサーは有効約1600万画素の1/2.33型CCD、で3型の液晶モニターを備えた中級のコンパクトデジタルカメラです。このカメラの特色は、その高倍率ズームにあります。

 レンズの焦点距離は、35mmフィルムカメラ換算で約28-560mm相当の20倍ズームで、CCDシフト式の手ブレ補正機構「Shake Reduction」と相まって、望遠レンズが大活躍するカメラという印象です。ただ、若干、望遠端でのピントが甘くなってしまうのがこのカメラの「悪い癖」といったところでしょうか。

 発売時に、最大の特徴として指摘されているのが、グリップ部に縦位置撮影用のシャッターボタンとズームレバーを備えたことです。横位置撮影用のシャッターとズームレバーと遜色ないサイズと操作感を持ち、カメラを縦位置に構えたときにも自然に操作できます

 使用感は、ペンタックスらしいナチュラルな発色です。ただ増感するとノイズが強くなってしまうので、昼間専用と割り切って使ったほうが使い勝手がよいという印象です。

 3月の終わりの曇天から今週の好天にかけて使用しましたが、曇天に映えるほんのりした桜色も、快晴の青空に答える強烈な桜色も見事に再現できているのではないでしょうか。

 ということで、以下、作例です。拙い写真ですがご笑覧くださればと存じます。

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 今回の撮影行で立ち寄ったのは、善通寺市の讃岐うどん店「こだわり八輻」(香川県善通寺市善通寺町1059-1)さんです。ぽかぽかしてきた陽気のせいで、今季初の冷たい「ぶっかけうどん」をちょうだいしました。自己主張のはっきりした麺にちょっと甘めの出汁がよく合います。


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ということで撮影データ。プログラム撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像は16M(スーパーファイン)で保存。撮影は2020年3月28日~4月8日。撮影場所は香川県三豊市。


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氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。