【93】こだまでしょうか:金子みすずさんの童謡 2022.12.14
大正時代って不思議な時代だったと思います。大正デモクラシー、大正浪漫と言われ、「赤い鳥」や「金の鈴」などが刊行され、竹久夢二、西城八十、野口雨情、北原白秋、中山晋平、山田 耕筰、芥川龍之介、小川未明、坪田譲治さんなどが活躍した時代、宮澤賢治さんもこの時代なのですね。私の家には、戦前の本が沢山あって、子供の頃特に好きだったのが大正時代の童謡や童話でした。
関東大震災が起きず、第2次大戦が起きず、優しくて繊細で懐かしいこの時代がずっと続いていたら日本は今頃どんなになっていただろうと想います。この時代に20歳でデビューし一躍脚光を浴びた女流童謡詩人の金子みすずさんの作品は、この「こだまでしょうか」のように、今でも新鮮な感性にあふれています。
こだまでしょうか
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。
*********
さて、ここで問題です。
東海道新幹線には「のぞみ」「ひかり」「こだま」の三種類の電車が走っていることは皆さんご存じですよね。
この三つのうち、東京駅を出発してから、品川、新横浜と停車していくのはどれでしょうか?
こだまでしょうか?
いいえ、どれでも。
「のぞみ」も「ひかり」も全部、品川、新横浜には停まっていくのでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?