【243】百段階段の話:写真と俳句 2024.9.26
1 目黒雅叙園
その日は、今から約2か月前、7月29日月曜日でした。
東京で夕方から人に会う用事があったので、どうせなら午前中から行って色々見て回って美味しいものも食べてこようと思ったのでした。
しかし月曜日というのがネックでした。
前日に調べていて驚きました。美術館や博物館などが、これほどにと思うほど軒並み月曜定休なのです。
上野の国立博物館、西洋美術館、東京都美術館、目黒の東京都庭園美術館、すみだ北斎美術館、恵比寿の東京都写真美術館等々見てみたい展示も多かったのですが、どこもかしこもお休みなのです。
しかたなく29日に空いている美術館や催しを検索していて引っ掛かったのが雅叙園の「和のあかり×百段階段2024~妖美なおとぎばなし~」というイベントでした。ホームページを見ても、どんな展示なのかイメージがわかなかったのですが、他にめぼしい選択肢があるわけでもなく、「百段階段」って一体なんだろうという興味から、多くを期待せぬまま雅叙園に行ってみることにしたのです。
その日は快晴で、狂気のように暑い日でした。目黒の駅から街に出ると身の危険を感じるほどの殺人的な日差しがジリジリと照り付け、熱風がブワッと吹き付けてきました。
あっという間に吹き出る汗をぬぐいながら急な坂を降りて、なんとか雅叙園にたどり着くと、ホテルの中は冷房が効いていて涼しく案内の女性も親切でようやくほっとしました。
しばらく庭園を眺めたりして一休みし、汗が引いたところっで「百段階段」に向かいました。
2 百段階段
百段階段は1本の階段があって、その途中にあるいくつかの踊り場から横の部屋に入ることができ、そこに「和のあかり~妖美なおとぎばなし~」という企画展示がされていて、その各部屋を見て行きながら頂上に至るというものなのです。
詳しくは、雅叙園の下のサイトをご覧ください。
3 「和のあかり~妖美なおとぎばなし~」
和のあかり・・の展示は、しんと静かな中に妖異蠢く騒がしさがあって、大正浪漫を思わせるモダニズムの世界は、華麗で重厚で、どこかキッチュなかわいさがあって、初めてなのに不思議に懐かしく落ち着ける異空間でした。
写真撮影は自由ということでしたので少し写真を撮ってきました。
といってもフラッシュは禁止で場内は薄暗く、次の予定もあったので、あまり落ち着いて納得のいく撮影ができたわけではないのですが、取れた写真に俳句を添えてみたので下に載せます。
4 写真と俳句による「百段怪談」
5 またいつか
美しくてかわいくて妖しくてちょっと怖い展示がとても魅力的でした。
出展者については下記紹介がありました。
小澤 康麿さんの猫はそんなに細かく作り込んではいないのに、例え様もないリアリティがあって凄いなと思いました。
勝手に名を付けた白猫お雪さん、夜中に人に変わって忍んで来てくれたらなんて思ってしまい、その時の美女振りが想像できるようでした。
またいつか、ここに戻ってきたいと思います。
(注)「和のあかり・・・」の展示は、9月23日で終了してしまいました。
次は10月5日からの、「月百姿×百段階段 -五感で愉しむ月めぐり-」になるようです。これを読んで「和の・・」を観たいと思った方がいらっしゃったらすみません。