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『自己と他者』【読書】

 先月「認知科学」の本を読み漁り、アフォーダンスにたどり着き、さらにギブソンという方を知り、それらの知見を使って「自己とは?」「他者とは?」を書かれている本に行き着き、読みました。

認知科学系の本は、当たり前のように哲学者の名前がバンバン出てきて、さらにそれらの哲学者が書いた本の引用が至る所でされております。
身体性についての本は、必ずと言っていいほどメルロ=ポンティが登場します。
また、現象学もよく出てきて、そうするとフッサールが登場し、「世界内存在」という概念がでてきてハイデガーが現れてきます。

 様々な角度から考察されて一つ結論は、「身体がなければ自己は成立しないということ」のようです。
「いま、ここ」にある身体を持つから自己感があるということは、他の本でもそのような結論に至っており、心身二元論ではなく心身一元論が科学的にも主流の考え方になっているのだと感じます。

そして、その身体を持つもの同士が関わり合うから、『我ー汝』のような「私たち」という感覚がうまれ、一体感を感じ合うことが可能になります。

 また、[他者の経験を他者がするままに自己が経験することはできないのであり、仮にできたとしたらそれは他者の経験ではなくて自己の経験となってしまう]と記述があります。

当たり前なので普段は意識もしないことであるけれど、だからこそ他者と出会うことに「わからなさ」は常に伴っており、その「わからなさ」から不安を感じることがある。
この箇所には、とても納得しました。
それも身体を持つからこそ、感じられる感覚なのだと思います。

 この本に書かれていることは感覚的に当たり前のことばかりだけど、その当たり前を一回考えてみることを様々な角度からやっておりました。

その当たり前を一回考え直し、人間について改めて考えることで、自分の普段の行動を見つめ直す機会となりました。
そのプロセスに面白さを感じている自分がいました。

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