見出し画像

11月に入り、寒い日々の天気の話




秋の雨は降るたびに空気が冷たくなっていく。
“一场秋雨一场凉”とはよく言えてると思う。


「最高な天気だね」と雨の日、会った人に言ったりする。ほんとうは反語でも皮肉でもなく、真面目に「最高な天気」だと思って言っているのだが、それを理解してくれる人なぞいない。そもそも理解してもらおうと思って言ってない自分が悪い。笑笑


雨の日の匂い。ペトリコールというらしい。
高校の時、雨上がりの後の長距離走で、女の子たちが「この匂い臭いよね」と話しているのを聞いて以来、気安く「好き」と言えなくなってしまった。「良い匂い」と「臭い」は中々紙一重だし、世の中のことは大抵紙一重に、表裏一体にできていると思う。

雨の音。
雨の音が聴こえる夜はいつも以上に寝やすい(少なくとも私は)。心を落ち着かせ、それでいて体の奥深くまで満ち溢れる音。風に揺らされる木々が擦れ合う音と、どことなく似ている。少しマニアックな話をすると、電車に乗っているとき、車体を叩く雨音も良いが、駅に着いて、ドアが開いた瞬間、一気に車内に押し込める雨音が堪らない。この瞬間だけ、世界には、私と雨しかない。


雨は好きだが、流石にこの時期になると、太陽も恋しくなる。
日の恩恵をたっぷり取り込んだ布団をしまうとき、そのまま一緒に寝ると、お日様の匂いに包まれながら、この上ない幸せを感じ取れる。
カーテンやブラインドの隙間から差し込む午後の日の光も大変愛おしい。猫たちはその時最も確実に温い場所をよく知ってる。真似して、日の光が当たる温もりを求めて、そこで寝てみたりする。たぶん猫たちと同じ顔になっている。


今年の11月は温度差が激しい。体がついていけてないことを、喉の違和感によって思い知る。白湯を飲もう。


故郷ではもう雪が降ったそうで、横殴りの雪が夜空をきってゆく動画が送られてきた。
「そっちは降るの?」と聞かれたが、どうだろう。降ってくれたら嬉しいのだが、まあ降らなくても別に困らない。本音を言うと、ちょっとは淋しいかな。


お風呂に行きづらい、布団と離れ難い(布団と結婚すると言った女の子がそういえばいたが、なかなか賢明な判断だと思う)、水がとにかく冷たい季節がはじまる。

息が白くなるのが少しだけ待ち遠しい。


2023.11.18  星期六  曇りときどき晴れ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?