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戻りたい過去があるわけでもなければ、今が幸せなわけでもない

いつしか普通のレールから外れてしまった。

裕福ではない家庭で育ったけれど、なんとか普通に生きていけるように頑張って生きてきた。

学生時代は学級委員をしたり、クラスの中心にいるような子と仲良くして上手く立ち回って生きてきた。

高校を卒業してからは地元の中小企業に就職した。

いつも情緒不安定で死にたかったけれど、普通に見えるように振る舞ってきた。親や友だちに迷惑をかけないように無理をした。

素直になれるのは彼氏に対してだけだった。
そんな彼氏も私の非常識な言動に呆れて離れていった。
後悔しかないけど、そうして生きていくしかなかった。


何か特別なことがあったわけじゃない、
むしろ何もなかった。


何もないまま、
何も築かないまま
年だけ取ってしまった。


3X歳になって、独身で無職で彼氏もいない。
かろうじて一人暮らしをしている。


精神的にきつくても20代は乗り越えられた。
嫌なことと引き換えのように楽しいこともあった。
体力もあったから無理もできた。

30歳を迎える頃、限界が溢れてついに鬱病になった。

それからは定職に就くことを諦めた。


仕事も諦めた。

恋愛も諦めた。

人間関係も諦めた。


久しぶりに会った友だちに、時間あるなら勉強したら?と言われた。

もうこの子と会いたくないな…と思った。

充実していない人生を否定された、私を否定された。

自慢できるような出来事もない。誇れるようなものもない。

頼れる親もいない、心も体も弱い。


見た目だって可愛くなりたい、社交的な性格になりたい、資格を取ってスキルアップしたいし、仕事をして生活レベルをあげたい。

願望はあるけれど、ベッドから起き上がれない日が続いた。

スーパーに買い物に行けるだけで上出来だった。


そんな女が結婚できるわけがないし、子どもを育てれるわけがない。


時々、誰かに私のことを聞かれる。

いい歳して夢も希望も持てないし、積み上げてきたものもない。

それっていけないことなのか?

生きてる意味がないと言われた気がした。


何も頑張ってなくて、何も恵まれてない人がいると安心する。

そんな人いないけど。
そんなことわざわざ公表する人いないけど。

SNSには向上心や充実した生活、お金がかかる娯楽でいっぱいだった。

普通に生きれる人たちがネットの世界も征服した。



居場所なんてどこにもなかった。



私の人生でキラキラした瞬間なんてなかった。

もし、あったとしたらこんな風になってない。

人生を終わらせることができればどんなに楽だろうと思うことが多々あった。というか、それを考えない日はなかった。



今まで人に嫌われないように気を遣って生きてきた。

誰にも嫌われなかったけど、好かれてもなかった。

自分から連絡をしなくなったら、友だちは1人もいない。

近況報告をしたい人も些細な出来事を話したい人もいない。

誰の目から見ても孤独で寂しい人だと思う。



普通のレールを大幅に外れて、軌道修正が不可能になった今の私に積極的に関わろうとする人はいない。

すごく平和で穏やかな時間にも思える。

これで生活に不自由のないお金があれば、幸せかもしれない。

ただ、生きているだけで受け入れられるような人として産まれたかった。

特別な人として選ばれたかった。

死ぬまで生きるだけ。

それでも、なんとか生きてるだけ偉いよね。




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