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仕事とつわり。

産休がとれるのは予定日の6週間前なんて、
遅すぎる。

時々、こんな嘆きの投稿をX(旧Twitter)でみるけど、本当にそう思う。今日はやっとの思いで産休前の最終出勤を終えた。退勤打刻をした時は、何とも言えない開放感と、体から重たい何かがすぅっと抜けていく感じがした。

しんどいなら仕事辞めればいいじゃん?
と言う人もいるかと思うが、なかなかそれでは生活が厳しい。

だから妊娠が発覚して、最初に悩んだのが「仕事、どうしよう...」だった。私が勤めるのは1日でも休んだら置いて行かれてしまうんじゃないか、と思えるほどスピード感があるITベンチャー企業。新卒入社2年目ながら、かなり裁量権ある仕事をさせてもらっていた。だからこそ泣きながら働いたこともあるし、朝方までPCにかじりついたこともたくさんあった。

それでも仕事が好きだったし、若いうちは身をすり減らしてでも何かを成し遂げたいと思っていた。

そんな中での妊娠だった。

妊娠したこと自体はびっくりしたけど嬉しくて、産む選択肢以外なかった。いつもみたいに自分が努力すれば、仕事も出産も何とかなるだろうって思ってた。けど、甘かったんだ。

ネットで調べてみると、妊娠の報告は大抵「安定期」と呼ばれる、妊娠から4〜5ヶ月経過した頃にするそう。ふむふむ。「じゃあ妊娠初期の今は、とりあえず隠しておこう」って思ってたんだけど...

・異常な眠気で業務中にウトウトしてしまう
・朝ベットから起き上がれない
・今までできていた徹夜が全くできない
・通勤の時点でHP0
・電車、バス、会社、あらゆる場所で吐き気。トイレから出られない
・空腹で吐き気がするから常に何か食べたい
・集中力がなくすぐぼーっとしてしまう
・流産したらー...とことあるごとに不安になる
・ワケもなく涙が出る
・冬で雪が降ってたから転ぶ危険があった

こんな症状がどんどん押し寄せてきて、隠すのは不可能なことがわかった。今になって、1番辛くて休みたかったのは、安定期に入る前の、妊娠初期の頃だったなと思う。

上司に伝える時、かなり緊張したな。きっと、少し嫌な顔をされるんだと思った。新卒として大事に育ててきてもらった自覚はあるし、それなりに仕事をこなして会社に貢献していた自負はある。だからこそ、ここでキャリアがストップすることにがっかりされるんだ、と。

「すみません、妊娠しました」と伝えようとすると、涙が出てきて。子どもを授かることは素晴らしいことで謝る必要なんてなかったのだけど、キャリアがストップすることの悔しさと、大事に育ててもらったくせにこんな中途半端で終わってしまう申し訳なさで謝罪から報告は始まった。

...

報告は怖かったけど、上司の言葉に救われた。
「おめでたいことだよ。妊娠することは悪いことではないし〇〇さん(私)にとってタイミングがちょっと違っただけで、泣くことじゃあない。」改めて、うちの会社は人間性が良い人ばかりだと思った。(業務量は優しくないけれど。)

それからはお腹が大きくなると、「お腹出てきたね!」「性別は決まった?」「楽しみだね」「辛かったら休も休も」と、声をかけてくれる人ばかり。SNSで見ていたような、妊婦をお荷物と捉えるような発言や態度は全くされなかった。幸運なことである。

最後に、つわりを乗り越えた方法を書き留めておきたい。

つわり中の出勤を乗り越えた、5つの方法

事前にお伝えすると、
私の当時の状況はこんな感じ。

・IT企業で、平均10~12時間働く
・業務中は座りっぱなし
・だいたい家出6:00、帰宅20:30
・通勤は、電車30分・バス15分・徒歩15分
・つわりの種類は「食べつわり」※主に空腹時に吐き気を感じること
・つわりが酷かった時期は秋〜冬

※あくまで自己流の対策方法です。正しい情報や一般的な知識等は専門家に聞く・ネットで調べる等行ってください。


①通勤の三種の神器は「ちいさいおにぎり」「水筒」「ビニール袋」
私がつわりの時期に最も辛かったのは、通勤。乗り物に揺られる時間は、相当苦痛だった。さらに、嘔吐しそうになってもすぐにトイレへ駆け込めない不安も大きかった。だからこそ、空腹を感じないように一口サイズのおにぎりを電車に乗る直前に一個。バスに乗る直前に一個。さらに会社に到着したら一個。食べるようにしていた。

通常サイズのおにぎりは一気に食べると逆に吐き戻しそうになることがあったため、分割して食べるのがおすすめ。あとは万が一吐き戻しそうになっても対処できるよう、ビニール袋を忍ばせ、水分補給ができる水筒も持ち歩いた。

②空腹を乗り越えるための軽食を常に持ち歩く
①の3つの他にも、空腹を凌ぐための軽食を持ち歩いていた。選んだ基準は、気分に関係なくいつも食べられたものと、ネットで見てなんとなく良さそうだったもの笑

ぐみ・干し芋・一口サイズのおにぎり・酸っぱいもの(かむかむレモンとか)は常備していた。

スタバのデカフェが気軽に飲めるし美味しい

③体重が増えても気にしすぎない
こうやって空腹になるたびにモノを口に入れていると、やっぱり体重は増える。びっくりするくらい増える。今まで見たことない数字を体重計で叩き出してきた。

でもね、気にしない。(妊娠糖尿病とかがあるから、ある程度は気をつけなければなのだけれど)だって、しんどいんだもん。しんどいを和らげる方法がわかっているのに、それを我慢したらストレスばかり溜まって心が壊れそうだった。吐きつわりで何も食べられず入院をした知り合いもいたから、食べられるだけありがたい、と思って体重計をそっと棚にしまった。

④申し訳程度のマタニティマーク
マタニティマークっていつからつけるのが正解?
まだお腹も出ていない時は、遠慮がちにカバンの端につけて、会社に着いたら中にしまって隠していた。電車でマタニティマークをつけるのも怖かった。(妊婦とわかるとお腹をパンチしてきたり、ヒソヒソと嫌なことを言われたりすることもあるらしい...)

お腹が大きくなった今はつけなくても妊婦って分かってもらえるから、本当に必要なのはつわりの時期だったな、って思う。

⑤身近な社員には、可能な範囲で妊娠を伝え、仕事環境を整えた
つまり、仕事を急に休むことになっても、周りの人の理解を得られるように早いうちから動いた、ということ。
出社ができないと、その日のタスクは他の人に割り振られる。仕事が増えるのは誰だって嫌だ。けれど、休んでしまう原因が「つわり」と理解してくれているだけで、仕事を引き受けてくれる人は「ゆっくり休みな!」と、メッセージをくれる。(たぶん、私の会社の人はかなり良い人が多いからかもだが...)妊娠を早くから伝えることで信頼関係を築いた、とも言える。

...

こんな風に乗り越えた、仕事とつわり。

1人で乗り越えたわけでは決してなくて、あたたかい会社の人や、支えてくれる夫のおかげだと忘れないようにしたい。

今、つわりと仕事に苦しんでる人へ
あなたの気持ちに、とても共感する。自分を追い込みすぎないでね。

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