頭が良いってなんじゃろ…の、お話


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「よーう、低学歴のおっさん!」「中卒漫画家!」
「大学行けないから、漫画家やってるんだろ!」

「大学に行ってない父親なんて、娘が可哀想だな!

漫画家・ウヒョ助(45歳・中卒)に、この8年間で山ほどぶつけられたツイッターでの野次の声である。いつもいきなり学歴にまつわる悪口リプが、見知らぬ誰かから飛んでくる。誰一人ブロックせず、全部受け止めている。

(誰だオマエ?)と、わしが相手のアカウントのプロフィールにチラリと目をやると。たいがい「慶應大」「青学」などと、自分の通った大学だけを短くアピールしている人が多い。素性を隠し、匿名で悪口を好き放題に言いたいくせに、出身校だけは隠さない。

「俺はあの一流大学卒だ! なのでもちろん頭が良い!」 
「そしておまえは中卒の漫画家! ならば頭が悪い!
「どうだ、悔しいか低学歴! 俺が羨ましいだろ!」

 の、ノリである。
(また来たか…)と、わしはそのたび苦笑いである。

正直、出身校がわかると、本人は匿名のつもりでも、たいがい身元は見つかってしまう。SNSはそこまで、姿を完全に隠し切れるような、広大なジャングルではない。

それが在学中の学生さんなら、たいがい友達とSNSで会話をしたりしてるので、会話の内容から、その交友関係をたどっていけば、ほぼほぼ生息する範囲が絞られてくる。ジャングル探索は、わしの得意とするところだ。

中には、自分の好きな女性タレントなどと一緒に、ポツンと自分のサークルのアカウントをしっかりフォローしてる、ガードの甘い子もおり。結果、活動紹介の集合写真で、顔までバレてしまう子もけっこういる。

ある時「中卒!」とわしに絡んできた学生さんが、慶應医学部のゴルフサークル部長とわかるまで2時間もかからなかった。

SNSで差別的な悪口を垂れ流してる子が、お医者さんになった時。
こちらはフルネームまでわかっているので、もちろんすぐに、どこの病院に勤務してるかわかってしまう。


「あの病院の医者に、長いこと中卒中卒って絡まれていたんだよなあ。今でも患者看る時、頭の中でそうつぶやいて、馬鹿にして笑ってるのかなあ」みたいな話を、しつこいウヒョ助おじさんに、数年はつぶやかれ続けるわけだ。フォロワー3万人近い漫画家に。

事実だから仕方ないし、それで訴えられても、デビュー作が裁判漫画、訴訟が平気どころか好物なわしである。その子の一生は地獄でしかない。

ただ、ちゃんと謝ってきたので、「あかんぞ」と、軽い注意で終わった。
大学生とはいえ、子供である。それでいい。

しかし本来は頭の良い子のはずなのに、そんな馬鹿をしでかす子供が、過去に数十人もおった。頭が良いのか悪いのか。見つけられて、ほぼ全員が謝った。

(中卒に頭下げるのは、悔しかろうなあ)…と、ちょっと笑ってしまう。


もっと言えば、簡単に見つかる時点で。想像力が働いてない時点で。
まわりで眺める人たちには「頭が悪い子だなあ」というイメージで見られてしまう。人生において、何の得もない。黙っていたほうが良いくらいである。

でもわしは、その子たちのことを、頭が悪いとは思わない。

元々、20代前半の若者なんて、誰もがヤンチャしたい年頃。
わしだってそうだった。
学校のレベルなんて関係ない。

子供って、そういうものなのだ。
時に「頭の悪いことをしてしまう」のだ。

しかし、大人になってもそこが変わらない人たちもおる。
職場を見つけられて、まわりに騒がれて、結果クビになった人もいた。

「頭が良い」
「頭が悪い」
…って、結局なんなのだろう?



よくネットで使われる文句である。
わしだって使う。

自分が頭良いと信じてイキって絡んでくる人ほど、わしが「おまえ、頭悪いなあ」って返すたび、ムキーッと感情をあらわにして怒り出す。返信の文字が真っ赤に見えるくらいだ。赤牌の化身なのか?

もちろん赤牌は大好きなので、わしもそれが見たくて「頭悪いな」という言葉をよく使う。中卒に言われたら、そりゃもう相手はプライドが傷ついて、なおさら赤くなってくれる。リーチ後の村上選手くらい赤くなる。


でもわし自身は、煽り文句としてはよく使うけれども。実際はそこまで、相手を馬鹿だとは思っていない。ただの言葉遊びである。


わしは「人間なんて全員、ちょっとお利口なお猿さん」としか思っていない。どんな利口そうな顔の人も、パンツに少なからずウンチをつけてしまうのだ。


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かの鳥山明先生は、チンパンジーを飼おうと考えたらしいが、猿のお尻がすこぶる汚いことに気がついて、夢をあきらめたらしい。しかしそれは人間も一緒である。


「いや、俺はよく尻を拭けている! 他のやつらと違う!」
「ウォシュレットで丹念にアナルを洗ってる!」
「俺のはアナルはきれいだ! 水戸黄門!…違う、見て肛門!

そうムキになって叫ぶほど、馬鹿に見られてることに気づかない人たち。

どうも本気で「俺は頭が良い!」「おまえは頭が悪い!」という言葉を、心の底から吐いてる人たちが、少なからずおるようで。

そういう人を観察するのが、わしはとても興味深いのである。
バードウォッチング。
わしの「中卒」というプロフには、とてもよく鳥が集まってくれる。

・三重県のソンソンおじさん

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三重なのか、見栄なのか。
わしにはこのテーマを語る上で、印象深い一人の男がいた。


おそらくこの世で一番数多く、長きにわたって、わしのことを「低学歴!」と、ののしり続けた男である。おそらく7年くらいは、しつこく野次を飛ばしてきていたであろうか。

過去形なのは、すでにわしから遠ざかって、最近は彼が何をしているか、まったくわからないからである。


わしが登録したまま放置していたツイッターを、ちゃんと始めたのは2012年。今より8年前である。ちょうど渋川難波プロとタッグを組み「鉄鳴きの麒麟児」という麻雀漫画をスタートさせた頃である。

麻雀が題材の漫画だけに、麻雀ファンによく知られることになり、フォロワーをゆっくりと増やしていった。読者さんから声をかけられることも多くなった。


「おまえの漫画つまんないな」
「あ、すみません。いつか楽しんでもらえるよう、頑張ります!」
「まあ、一度も読んだことねえけどな、ヒャッハー!」

初っ端から、そんな煽り文句で声をかけてきた男。
それが彼であった。

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ここで彼の名前を「ソンソンおじさん」と呼ぼう。
気をつかって、仮名である。

孫悟空っぽい名前なのに、なぜか犬のアイコン
そんな三重県在住の、40歳前半・独身のおじさんである。


このソンソンおじさん、ネット麻雀の「天鳳」を遊ぶプレイヤーたちには、昔からそこそこ有名な名前の人だったらしい。麻雀が強いので有名なのではなく、麻雀界隈で目立った人に絡んでは、皮肉や悪口を言う「嫌なやつ」として有名なようであった。

福地先生が発行した「天鳳完全攻略読本」にも、彼は紹介されていた。

その本の「痛キャラ偏差値ランキング」というコラムで、5位の男としての紹介である。そのランキングの2位の男が「殺人予告して逮捕された人」…そして5位の彼には「天鳳位が誕生するたび発狂する人」と説明文が記されていた。

まあそういう類の人物である。
とにかく「痛い」のだ。

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ソンソンおじさんは、他人を見下して、叩かずにはいられない。新しい天鳳位が生まれるたび「あんなの運だけだ!あいつにそんな実力ない!」と叫びまくる。そんな彼は、最高到達段位が九段である。

九段はたいした実力だ。数年前はそれほど達成できた人もいなかった。
それだけでもう、数字に強い、俗に言う「頭の良い人」なのだろう。
そして天鳳にも、真剣にとりくんでいたはずだ。

しかし彼は持ち前の態度の悪さから、あまり評価はされなかった。それがきっとまた彼を苛立たせたのであろう。ソンソンおじさんによる、天鳳位への攻撃は続く。


その当時、天鳳界隈で人気があったプレイヤーは


・初めて天鳳位に到達した「アサピン」こと、のちのMリーガー、朝倉康心プロ
・天鳳十段を達成し、すぐプロの世界に飛び込んで成功した、渋川難波プロ
・3代目天鳳位、貫禄ある麻雀と見た目で人気となった、山田独歩プロ
・アサピンの兄、十段達成数回、今も麻雀業界で活躍している、ゆうせーさん


自分より到達段位が上で、かつ人気あるプレイヤーに対し、とにかく気に食わないのか、ソンソンおじさんはがむしゃらに噛みついていった。

まずソンソンおじさんは、朝倉プロと渋川プロの出身大学を馬鹿にした。
中卒のわしから見れば、どちらも自慢できる立派な大学である。しかしソンソンおじさんは、それを見下すような言葉を吐き続けた。


そんなソンソンおじさんの出身大学は「三重大学」である。


こちらも立派な国立大である。たいしたものである。
しかしソンソンおじさんは、それが自慢でもあり、劣等感でもあったようだ。中卒のわしには、よくわからない感情だ。誰もが堂々と母校を誇れば良いと思うのだが。

三重大学と、農工大、どちらが上かはわしにはわからない。


さて、アサピンの兄こと、ゆうせーさんは京都大学であった。

わしは、最近まで京都大学を「お坊さんを養成する学校」と本気で勘違いしていたが、どうやら東大生と殴り合いができるような、超一流の大学だったようだ。

京大をさすがに馬鹿にできないと思ったソンソンおじさんは、ゆうせーさんの職業を馬鹿にし始めた。

ゆうせーさんは当時、好きな麻雀に打ち込むため、塾講師と雀荘の仕事を2つかけ持っていた。そして独歩さんに対しても、ソンソンおじさんは「あいつの会社はブラック企業だ」と同じく仕事を馬鹿にし始めた。

そんなソンソンおじさんは、自分の職業を

「某大手上場企業の東海エリアマネージャー」

と自称し、何を語るにしても「東海AMのぽっくんはー」というお決まりのセリフで、自分が世間的にはエリートであることを、強くしつこくアピールしていた。

そんな、ソンソンおじさんが。

かねてより大嫌いである渋川難波プロが、麻雀漫画の監修を始めたことを知り。
つまんない!と馬鹿にしようと、わざわざタッグを組んでる漫画家にまで絡んできたのが、わしと彼のファーストコンタクトであった。

(まあ、読者さんだから我慢するか…)と、投げつけれられる悪口にも、敬語で言葉を返して、気をつかっていたわしが。

「うるせえ、この野郎! 東海AMなんて嘘だろ! 
 人気者に嫉妬して、良い歳したおっさんがやさぐれやがって! 
 せっかくいい大学出たのに、さえない人生でイジけてるんだろ!」

と返すまでに1年もかからなかった。

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おそらく図星だったのであろう。
彼は怒りまくった。
ソンソンおじさんは、嫌いなやつリストの筆頭に、ウヒョ助の名前を記した。

そこから数年にわたる、わしへの粘着が始まる。
アンチの誕生である。
わしの発言に、何かにつけて、野次を飛ばすようになった。


彼は三重大出身で、東海エリアマネージャー(自称)である。
そして相手は、中卒の売れない漫画家である。

ソンソンおじさんは当初、簡単にマウントを取れまくる相手と思ったはずだ。

さっそくソンソンおじさんは「低学歴!低学歴!」と叫び始めた。
よく聞く鳥の鳴き声である。
ブッポウソウ!ブッポウソウ!みたいなものである。

わしは慣れっこである。ノーダメージである。
三重大の彼が、京大のゆうせーさんに感じるような、劣等感はそもそもない。
大卒の人たち全員をすごいと尊敬しつつ、それ以上に自分への自信がある。

みんなすごい。
でも、わしだって、すごい。

子供の頃からの夢だった漫画家という職業に、学歴はまったく必要なかった。
夢を追って、中に飛び込んでみたら、そこは完全実力オンリーの世界。
その世界で、夢を叶えて、この歳まで生き残っている。
そこには誇りしかない。自分にウットリである。

しかし「おまえ頭悪いな」を言いたいがために
ソンソンおじさんは、わしが辞めた高校を調べ始めた。
どうやら偏差値とやらで馬鹿にする作戦に出たようだ。

しかしわしは、ツイッターを始めてから「偏差値ってよく聞くけど、いったいなに?」と、東大卒の須田プロに質問していたレベルの男である。偏差値の意味がわからない。なにせ大学受験をしていないのである。

意味がわからないもので、人は傷つかない。


ソンソンくんはわしの母校を調べあげたが、馬鹿にはしてこなかった。
わしは知らないが、思ったより我が母校の偏差値は高かったようなのである。
きっとわしのことを、不良が集まる学校をクビになった、ヤンキー上がりオジサンだと思いこんでいたのであろう。

確かにわしは、工業高校に入ったとは語っていた。
そこで遊びすぎて、留年してクビになったと。

しかし正確に言うと、工業高等専門学校、いわゆる高専である。

実家が貧乏ゆえ「学費が安い」という理由で選んだ、国立の学校である。
もっと上は狙えたが、とにかく学費が安かった。年15万円だ。
わしのバイト代で払える上に、大学とほぼ同じで、1年の半分が休み。
いっぱい働ける。

しかも5年間通って卒業後、国立大学に編入ができるのだ。
そして、わしの高専から編入できる大学の中に。

三重大も含まれている。

わしの高校をうっかりバカにすると、三重大までバカでも入れる大学になってしまう。なので、そこを突いて馬鹿にするのは、アッサリあきらめたようだ。


次に彼は、漫画家という仕事を馬鹿にし始めた。

会話してみると、ところどころで漫画自体は好きなのは伝わったので、本音の部分では馬鹿にはしていないのだろう。でもなんとかして、わしを傷つけたいと頑張っておるのだ。見下す材料を探すことで。

彼は自分の年収を自慢し始めた。
手取りで年収いくらだと。
これがエリート、東海エリアマネージャーの年収であると。
どうだ!と。

SNSで年収を公表してる時点で、大人として頭悪く見えてしまうだろ…と思ってはいたが。わしは素直に「すごいな!」と言葉を返した。立派な年収だ、本当ならたいしたものだ。

(でも、わしの年収、その○倍…!)

喉まで出かかったが、ぐっと飲み込んだ。
漫画家の収入は、ページ数と発行部数から、外野からでも計算しやすいはずだが、彼はなんでそれもできないのだろう。大学出てるのに。キミより少ないわけがない。こっちは人の3倍の時間、めちゃくちゃ働いておるのだ。年収も時間に比例して、そこそこ多い。


続いて、ソンソンおじさんは、英検1級を持っていると自慢をし始めた。

【OM記事】英検Jr-1


英検1級はすごい。素直にすごい。
月並みな言葉だが「頭が良い」としか、言いようがない。

本来は大勢からすごい!と褒め称えられていいものだが。
彼は嫌われ者なので、その機会を失っていた。

「ぽっくんの英検1級の合格証明書、見たい人ー!?
 RTが20いったら、公開しちゃうー!」

と、ソンソンおじさんは叫んだ。


集まったRTは11で止まっていた。

それを馬鹿にしたら、当然、怒り出すソンソンおじさん。
中卒には、英検1級のすごさがわからない、と。

確かにわからない。
わしは英語も喋れない。
数学と英語はめちゃくちゃ苦手だった。

なのでわしは、英語を話せる嫁様をもらった。
かつてイギリスに住んでいて、スラングもわかる女性である。
スペイン語もちょっとできる。それで十分である。
英語を習得したと一緒だ。

そう。

世の中には、マウントが効かない人もおるのだ。
効かない理由。

満足しているからである


・さよなら孫悟空


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この漫画家にはどんなマウントも効かないと、7年かけてやっと気づいた彼は、とうとう「わしの子供を侮辱する」という最終手段に出た。

それは世の中のお父さん、すべてに効く。
家族への侮辱。
ナイフのようなものだ。
非力な人間でも、相手を簡単に傷つけられる。

しかし、たかがネットの口喧嘩でそれを出したら、いよいよ最後だ。

世の中の善良なお父さんすべてを、一瞬でギャングに変える。
わしはそれを知ってるので、怖くて絶対にできない。

わしがログをためて、こっそり情報開示で追い詰める準備をしてる最中で、ソンソンおじさんはやっと気づいた。あいつ、ナイフに対し、銃を出す用意を始めてると。正解である。

もっといえば、それをするまでもなく、ほぼほぼ所在はつかめていた。ご自慢の、学歴も職歴も、すべてを無に消しとばすことができる。あとはナイフを出した相手を銃で撃つことを、まわりが許してくれるかどうかだけが問題だった。子供を守るためなら、誰もが認めるだろう。いける。

ソンソンおじさんはあわててアカウントとログを消去し、行方を消した。


元気にしているだろうか。

わしは彼を思い出すたび「頭が良い」とはいったいなんだろう、と考えてしまう。


彼は、世間的には「頭は良い人」に見られても良いはずだ。
そういう評価の中で、それなりの満足感を感じながら、年相応、楽しく余裕を持って生きられたはずだ。なのに、そこに知性は見えなかった。

のちに彼のヒストリーを人づてに聞いた。
本人から聞いた部分もある。

卒業後、教師になったが上手くいかず。しばらくパチスロで暮らしていたらしい。親戚から「良い大学を出たのに」と指差され、悔しい思いをしたのだと、本人が真面目なトーンで話してくれたこともあった。そこでまた頑張って就職活動、中途入社で現在の職場に。やっと世間的には堂々とできる身分になった。

なのにまだ満たされない。
満足していないからこそ、やさぐれて、暴れてる。


彼に強く感じたのは「言葉の意図や意味を、汲み取る能力が深刻に足りない」ということである。言葉をなんでも、そのままストレートに受けてしまう。解釈がいつも一つしかないのである。めずらしい。

初手で間違うと(ちょっと考えればわかるじゃん)に、いつまでも気づかない。

例えば


「いやあーこんなひどい漫画描いちゃったから、あのチーム全員、わしのことなんかすぐブロックですよ!」とわしがつぶやくと。

大勢には、すぐネタだとわかるのだが。
ブロックされない前提の、ベタな軽いジョークだと。

ところがソンソンおじさんは「え、あいつ全員からブロックされたの!?」と読んでしまう。で、そのまま信じこむ。どうしてそういう解釈になる?

会話するたび、そんなことばかりなのである。キャッチボールが難しい。

おそらく教師をやめたのも、生徒や同僚とのコミュニケーションが難しかったんだろうな…と想像できてしまう。食事の画像をいっぱいアップしても、友人や部下と食事をしたり遊んだりしたツイートが一度も見られなかった。今の職場でもおそらくコミュニケーションがうまくできていないのだろう。


「もしかして友達いないのか?」と言ったら、烈火の如く怒り出した。
ソンソンおじさんの、過去最高の怒り方だった。


言っちゃいけない言葉だったかもしれない。
反省している。
本来なら、わしが友達になってやりたかった。
ただしあちらは、頭が悪いと見下してる相手を、友達には選べないだろう。

見下し癖がつくと、まわりに人はいなくなる。
人が離れていくというより、自分から人と離れてしまうのだ。


・褒められたい子供たち


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頭はとても良いけど、コミュ能力が足りない。
頭が良い子だとみんなに見られたいけど、褒めてくれる人がいない。
なので、いつまでたっても満足しない。

満足してそうな人気者を見ると、悔しくてついつい悪く言ってしまう
感情的に暴れてしまうので、他人からは頭の悪い人に見られてしまう。
挽回したくて、自分は頭がいいアピールを、必死に頑張ってしまう。

そんな人がネットには多いような気がする。


今まで「低学歴!」とわしに絡んできた人の9割が、コミュニケーションに難があり、何らかの劣等感がある人だった。謝ってもらった後、会話することも多いが、そういう寂しさをどこか深刻に抱えている。

「おまえってすごいな!」って褒めてくれる友達や恋人がいなかったり。
親がきびしくて、勉強を頑張って結果を出しても、いつも怒られてばかり。

考えれば、可哀想である。



そして良い大学に入ってしまうと、まわりも頭の良い子ばかりである。
頭の良いドングリたちの背比べ。

頭の良い集団にまざると、なおさら褒められる機会は減ってしまう。
いつだって集団の中で、頭が大きく抜けてる人だけが褒められるものだ。
バカの中にいないと、頭の良さは際立たない。

中学生の時には、まわりから天才児に見られても。
同じ学力レベルの「頭の良い子」が集まった大学では、目立つのは難しい。


頑張って合格したのに、頑張って卒業したのに。
全然、俺って褒められていない…!

そんな不満を持った「頭の良い人たち」が、ネットにはあふれてると、わしは感じてる。その不満を「低学歴!」と下を探して叩くことにより、発散している。

自分の頭の良さを、上手に表現する方法を、彼らは知らないのだ。
誰かをバカにすれば、自分が持ち上がって見えるはずだと。
そんなわけがない。同じバカに見られるだけである。


結論としては

褒めてあげないと、頭の良い人ほどやさぐれて
馬鹿になってしまう。

これだ。





つまり本当の「頭の良い人」とは、たぶん
「満足できる人生を、手に入れられる人」なのであろう。


仕事にも、人付き合いにも、この人は満足そうだ。
輝いて見える。素敵だ。
どんな考え方や行動で、この人はその「満足」を手に入れたのだろう?
 
そこに大勢が「この人、頭良さそうだなあ」「どうやったら満足できるか教えてくれないかなあ」と惹かれるのである。
そして大勢に「すごいね」って褒められて、さらなる満足を得ている。

人は、満足が欲しくて生きている。
満足を得るために、頭を使っている。
そして満足を得た人からしか、満足を満たす方法を学べない。


人は、学歴に惹かれない。
毎年、同じ学歴の人間が、大量に生まれているのだ。

学歴はちんこを測るモノサシ
、しかしちんこは使いよう。
学歴だけあって、現在に満足していない人は。
「立派なちんこはあるけど童貞」みたいなものである。
さらにパンツを脱いで「こんなに大きいのに!」と泣き叫んでも。

良いちんことは言えないであろう。


メンタリストのDaigoさんや、キングコングの西野さん、目立って人を惹きつけてつけて「頭が良い」と評判の人たち。そんなインフルエンサーの、学歴を知らない人も多いんじゃないだろうか。わしも知らないし、知らなくていいと思ってる。きっと幼稚園卒でも評価は変わらない。

今に満足してる人は、きっと全員、頭が良いのだ。
頭が良かったからこその満足だ。
満足するための、日々の学びである。

駐車場であくびしてる猫からも学べる。
發をイチ鳴きしてるお爺ちゃんからも学べる。


ちなみにわしは、普段「中卒じゃ!」と言っているが。
高専は、高校と短大が合わさった学校なので。
4年生に進級した時点で、高等課程は終わってることになり。
そこで学校を辞めて、大学受験をする人も多く。
たびたび高卒じゃん、というツッコミもいただくが。

ただ高専の卒業式には出ていないので、最後の卒業式は中学校。
なので「中卒」と言い続けている。間違いじゃない。
学歴詐称ではない。

もっといえば、どうでもいいのである。

なにより中卒って言ったほうが、相手をのぞくのに都合がいい。
わしは頭は悪いが、悪い頭の使い方が上手いのじゃ。


最近は「東北大出身の、もう一人のソンソンおじさん」をのぞいているが、彼と生き別れの兄弟なんじゃないかと思うくらい生態がそっくりで、興味深い鳥である。

肛門に自信がある鳥。

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面白いので、もう少しのぞいていこうとは思っている。



ご機嫌がよろしい時、気分で小銭を投げていただくと嬉しいです。ただあまり気はつかわず、気楽に読んでくださいませませ。読まれるだけで感謝です。