ウヒョ助のMリーグファイナル予想
試合結果を当てる、預言者おじさん。
ようっ!
セミファイナルが終了し、決勝4チームが決まった途端、さっそく「サクラナイツが勢いに乗って勝つ!」「近藤・魚谷がいるフェニックスだろ!」「今年こそアベマズでしょ!」「パイレーツにチャンスが十分あるんじゃないのか?」と優勝予想している、おまえら。
そう、そこでMy Little Loverとか聴きながら「やっぱり90年代のJ−POPはいいよねー、青春時代を思い出すぅーん」とか言ってるメン&ウーマン、おまえらのことだ。白いカイトと一緒に飛ばされてハローアゲイン、昔からある場所に消えてしまえ。それがおまえらのDESTINYだ。
こら! そこのブリリアント・グリーンに手を伸ばそうとしてる、おまえもだ! 置け、その爪を折ったハイポジションのカセットテープを。わしの話を聞け。5分だけでもいい。
いいか。
おまえらのは予想じゃねえ。
ただの願望だッ!
比べてわしは、フォロワーの大勢から気味悪がられるくらい、試合の展開予想を的中し続けている。自分でも怖いくらいじゃ。
1年も前から、和久津プロのフェニックス入りを予想して漫画に描いたことに始まり。トップラスが誰になるかどころか、誰が倍満上がる、オーラスにハネツモでまくられる、この子が盛大にハコる…などなど細かいところまで、連日のように当てている。しかも試合が始まる前に、すでに予想を立てることが多い。
そしてこの記事を書いている今夜。セミファイナル最終日の試合でも、コナミのドラマチックな大反撃と、日向のハコラスを見事に当てて見せた。
わしはもう、預言者といっても過言でない。
「1999年に人類が滅亡する」と予言して大スベリしたノストラダムスは、おそらくドリブンズファンだったはずだ。ヒゲも生えてたし。あのチョビヒゲ預言者は、今年も大きく予想をハズしたことじゃろう。
あんなジジイは、預言者のサンクチュアリの中では、一番下等なブロンズ聖闘士ですよ。そう、わしこそがゴールド聖闘士である。
抱きしめたァーッ!
心のコスモーッ!
熱くッ! 燃やせッ!
奇跡を、オホヒェーーーーーーーーーーーーーー!
今こそわしが、輝くクロスを身にまといッ…!
…や、脱げとるやんけ。
試合の予想を的中させる能力より、あのカラオケ歌い出しで声が裏返らない歌唱力が欲しいものですよ。
とにかく、牡羊座のムウばりの超能力を持つわしが、Mリーグ2020ファイナル、その優勝予想をしてみよう。
わしの予想はすなわち、予言へと変わる。
ほぼ当たるであろう。
しかし運命は麻雀と一緒で、ちょっとしたひらめきや、ハートを込めて押し出す1打、専属メイクさんのチークの塗りすぎなどで、急に大きく脚本が変わったり、まつかよの顔が面白くなったりするものだ。
じゃあMリーグの脚本は、誰が書いているのであろう?
ところで神様っているの?
今までのわしの記事の「イキリ自分語り」を読めばわかる通り、このウヒョ助は「持っている男」である。ふぐりの話じゃねえよ。ふぐり、自慢にならんじゃろ。
今までわしは、どう漫画から逃げようと足掻いても、漫画家になる運命に、強引に引き戻されてきた。「え、そんなことある? これじゃまるで漫画じゃん!」みたいなウソくさい展開が、わしの人生にずっとつきまとってきた。良いことも悪いこともすべて、まるで何かの大事なフラグ。その先には必ず、誰かが上手に用意したようなオチがしっかり待っているのである。
まるで「神様が描いた漫画」の中で、自分が「キャラとして使われている」…そんな世界で生きてるような不思議な感覚。
それが何十年も続くと、身に起こる様々な出来事に「これ、何のフラグだろう? 今度は神様、どんな脚本を用意しやがった?」と、いちいち考えてしまうクセがついてしまった。
そんな奇妙な感覚を、わしは今、同じくMリーグにも感じている。
(Mリーグ、神様が脚本を作ってないか?)
もしかしたら同じように、多くの視聴者もMリーグを長く眺めてきて、どこかうっすら感じてる奇妙さだと思う。
あまりにも
「ウソだろ、こんなことってある!?」
…と声に出しちゃうような、ドラマチックな展開が多すぎるのである。
何か大きい力を持った「人間ではない何か」が脚本を作り、このMリーグを無理やりに盛り上げようと、ペンを動かしているのを感じるのだ。
おそらくその脚本家は、神様的な何かだ。
ちなみにわしは、無宗教である。
子供の頃にキリスト教を信仰する家庭に育ち、わしも洗礼も受けクリスチャンになった歴史はあるが。両親があまりにも宗教に電波ハマリして痛すぎたので、大人になるうちに嫌気がさし、神仏への信仰からは離れてしまった。
そして神様が何かわからなくなった20代から、わしは漫画の仕事を始めた。
何もない真っ白な原稿用紙を前に、キャラを作って、話を考え始める。
やってることはまるで、かつて旧約聖書で読んだ「神の天地創造」である。
わしはどんな連載作品でも、第1話を描き始めた時点で「物語全体の大雑把な流れ(プロット)」と「最終回の結末(オチ)」だけはすでに先に作って決めている。そこから細部を作り上げ、フラグをバラまき、やがて必ず訪れる最終回に向かっていくのだが。
これが不思議と長く描き続けているうちに、本来主人公だったキャラより、頑張るワキ役に感情移入しちゃったあげく。気づけば、筋書きが変わってしまったり、果ては主人公や結末まで変わってしまうことがある。
もしMリーグの脚本を書いている、神様がおるならば。
漫画家のわしとまったく同じ目線で、原稿用紙の上で戦っている選手たちを、俯瞰で眺めているはずだ。
おそらくプロット段階で、どこのチームを優勝させるか、誰を主人公にするか、神様はもうすでに決めているのではないか?
そして各選手の人気や頑張り方によっては、物語がさらに盛り上がるように、スジ書きや主人公をそのたびに変えていく。きっと神様も、漫画家のわしと同じ作業をしているはずだ……そんな妄想をしてしまったのである。
じゃあ、わしがもしその神様だったら。
Mリーグを前に、どんな脚本を作るだろうか?
漫画家の仕事と同じく、大勢を楽しませようとするはずだ。
神様も同じく、どこかみんなを楽しませようとしておる。
目標も作業も、漫画家がやってることと一緒なら。
わかるぞ! わしには神様が考えてることがッ!!
…実はこれが、わしの予想テクニックのすべてである。
そんな妄想だけで、今まで試合予想していたのである。
「神様ならここで、どんな脚本作るかな?」
漫画家が、同業者の頭の中を予想してるようなものだ。
で、結果、面白いように予想が当たる。
そのたびに
(まあそうするよね。脚本作り、よくわかってるじゃねえかゴッド)
と、わしはニヤリと笑う。
今まで、その繰り返しなのである。
わしがイメージする神様とは、顔も名前も知らないが、きっとわしらを「原稿用紙の中」で動かしている「漫画家」みたいなものではないか?
ウヒョ助という漫画家が、神様という漫画家の、心を読む。
同業者なら、誰よりも読みやすい。
それがわしの、予想の本質である。
さて、Mリーグのドラマを作ってる神様は、どんなストーリーを決勝の舞台に用意しているのであろうか?
そうやって、いつものように予想してみよう。
どこのチームが優勝すると、楽しい物語が完結するか?
脚本を作っている神様は、きっと今も、Mリーグという原稿用紙を前に、ウンウンと悩んでいる最中のはずだ。
「どのチームを優勝させるのが、一番読者にウケるのだろうか?」
そんな悩ましい神様の頭の中を、ジットリ読み取ってみよう。
その神様になったつもりで。
「サクラナイツが優勝する結末」
これは「新規参加チームがいきなり優勝する」という、誰の目にもわかりやすい驚きのドラマが生まれる。神様はこの脚本に、読者からの十分に手応えある反応を予想できているはずだ。ベタな展開だが、ウケるぞコレは、と。
角川の会長が、オープニングセレモニーの挨拶で「頼むよ? 大丈夫?」と選手に睨みをかけたところも、良いフラグが立っている。わしはアレを見た瞬間にこう思った。
(…これは神様「サクラナイツが優勝する物語」と、まずはプロットだけ仮決定して、見切り発車で漫画をスタートさせたやがったな?)…と。
わしは今も神様のこの方針を変更しておらず、そのまま続行している予感がしている。
沢崎は開幕から、抜群にキャラが立ちまくった。
神様もきっと驚いたと思う。
「あれ…こんなにキャラが立つ老人とは思わなかった」と。
しかし老人を主人公にするスポーツ漫画は、神様にだって作りづらい。
内川、岡田がパッとしない活躍なら「あれ…全然動かねえなこのキャラ。つまんねえ。特に内川は主人公として活躍すると期待してたのに。これなら、他のチームが優勝するスジ書きに変えようかなあ?」と心が動くところだろう。実際、シーズン序盤は沢崎しか目立たなかった。
ところが終盤、内川が四暗刻を放銃したあたりから「やっぱ内川、熱くて最高だわ! いいキャラだなコイツ! ノレるわあ、ペンが動くわあ!」と神様がニンマリしたのを感じた。わしは神様と同業者だからわかる。ああいうのが欲しい。
ヒロインである若手女流・岡田の成長も、なにげに感動的なサブストーリーを作り出している。大舞台に怯え、卓上では震え、インタビューではフラついていた、あの弱々しい少女が。今ではもう、あのヒサト相手にたくましく喧嘩しトップを奪うどころか、カメラの前で「弾んだ笑顔のダブルピース」までキメるようになった。このキャラの成長によって生まれた、急激な路線変更は素晴らしい。
神様はきっと物語の用意だけはするが、そのキャラがどう動くかは、キャラ本人にまかせているのだ。漫画でいうところの「キャラが勝手に動いて、知らないうちに人気が上がっていた」みたいな、あるあるパターンである。
オタク女子に大人気だった「幽遊白書」において、元々は敵役で出した飛影や鞍馬が、なぜか主人公の人気をこえていって作者がキョトン。……あのパターンである。
今となっては、サクラナイツを優勝させようという「当初の脚本」を、変更したくなるような悪い材料が、選手に一切見当たらない。
このシナリオでイケる!…という、かなり良い状態なのだ。
さらにチーム監督である森井さんの好感度が、ファンからメチャクチャ高い。おそらく(あの監督が優勝で喜んで、はしゃぐ姿を見たい)と願うファンは多いだろう。その喜んでるファンの顔を、神様(漫画家側)は何よりも見たいのだ。きっと神様はリクエストに応えるであろう。
スポーツ漫画は、選手と同じく、監督のキャラも大事なのだ。
神様がサクラナイツ優勝させたがる、大きい材料になっている。
ならばわしが予想するに、やはり現時点では「サクラナイツ優勝」が脚本の本筋しては濃厚であろう。
「アベマズが優勝する結末」
では、神様が(いやあ…いっそアベマズが優勝する結末に変えようかな?)と、方針を変更することはあるのだろうか?
その可能性は、十分にある。
もし神様がMリーグを「銀河英雄伝説」くらいの大長編作品にしたいと考えているならば。そのスペースオペラの第一部の主人公は、多井しかいない!…とまで考えているであろう。
しかし。
今季、このスターがまったくもって印象が薄い。
うすうすだ。
オカモトの新作コンドームより薄い。
離婚後のハギーが、初めて一人で作った味噌汁くらい薄い。
スターが活躍できる場面は、神様がつねに用意していたはずなのだが。このたかはる、最近は余裕をぶっこいた発言ばかりなのである。そして麻雀は強くも手堅い打ち方ばかりで地味、成績も勝ってはいるが地味、美味しい出番も後輩に譲ってるところが多かった。
可愛い女流プロがチームに入ったからだろうか。
どこかカッコつけて、お兄さん気分である。
神様が期待していたのは、昨年のように「チームだけじゃなく、Mリーグ全部を俺が背負ってる…!」のアピールをガンガンかます、そして本気でそう思って戦っていた、多井たかはるである。
笑われるピエロを演じながらも、無駄にいろんなものを勝手に背負いすぎて必死な中年の背中に、どこかみんな心を強く揺れ動かされていた気がする。わしもだいぶ、ゆさぶられた。カッコ悪すぎて、最高にカッコイイ。
正直神様も(これは最高に良いキャラだな! 男ってそうだよな! 見栄と意地で生きてるよな!)と、多井には特に見せ場の場面をいっぱい放り込んでいたように見えた。多井もそのチャンスを前に、手順や読みを間違うことなく、高い技量でファンと神様の期待に応え、その結果で個人成績1位の大偉業を達成できた感がある。神様に愛されていた。
今季の多井には、それがない。
神様が飽きている!
ドラマのフラグ立てをサボったまま決勝にきてしまっているので、わしは多井はファイナルでも、あまり見せ場なく終わると予想をしている。
そして次は白鳥の予想だ。
昨年、ケツにヤリイカをはさんだような、ひどい最下位の成績でヘコみまくった白鳥。しかし彼は、実直な麻雀への姿勢と人柄で大勢のファンに愛されており、「今年こそは頑張ってくれ!」と応援するファンの声も集まった。
そんなファンの反響に、神様もおそらく「白鳥に名誉挽回のチャンスを与えるのは、物語としても美味しいな、ウケルぞきっと」と、見せ場プレゼントを多くしてくれたように感じた。漫画家と同じく、神様もファンの声に左右されやすい。彼が持つ本来の実力は、そのもらったチャンスに見事に応え、役満までアガり、レギュラーシーズンに大きく成績を伸ばした。神様も「役満は脚本にねえぞ、なんだこの目立ちたがり屋は!w」と驚いたであろう。
ただレギュラーシーズンで、そのヒーローボーナスを消化してしまった感がある。神様も「もう白鳥、名誉挽回は十分だろ、それより松本をどうしよう?」と思ってるはずなので、この先は自分で頑張って見せ場を作るしかないであろう。白鳥プロが独自に作り上げる熱い名場面で、神様がまた興味を持つかもしれない。
松本はといえば、ケツにヤリイカ2匹はさんだようなクソ負け続きであった。それでも彼の必死な表情とチャレンジ精神に、そして報われない結果の連続に、ファンも熱くなり、おそらく神様も熱くなっているので、使えるヒーローボーナスを、かなり蓄積したままであると想像できる。
「どうしても届かないトップ」の悔しい空気を、ファイナルまで残したのは良かった。神様は「決勝で松本にトップ取らせるのが、展開的にベッタベタな王道だよな!」と考えているはず。
おそらく神様はしつこく、トップを取れる大チャンスを振ってくるはずだ。
生かして名場面にするか、大スベリするかは松本の腕とハート次第である。
そして日向。
これが神様にとっても、使いづらいキャラで難しい。
「たかちゃん、やっちゃうよ!」に、日向が「よっ! みんなのたかちゃん!」と重ねてくるので、チームのムードメーカーにはなっているのだろうが。神様はたぶん(なんかコレ、ノリが違うな…優勝チームにさせるのには、なんか軽すぎるな、このアベマズの空気)と首を傾げている感はある。
(日向で感動作るの難しいぞ、どうしよコレ)と神様は悩んでいる。
素直な麻雀で、良い手が入った時はしっかりアガリきり、逆に悪い時はしっかり負ける。神様もその打ち筋はわかっている。その点は使いやすい。
なので日向にもし、面白そうなフラグが配牌が入った時には(なんかドラマチックなことをやってくれ、まだおまえはキャラ未開発だ、キャラを見せてくれ!)と期待されてる場面である。素直に面白さを追って欲しい。
そこでの日向の頑張りようによっては、決勝で急に目立つ人気ヒロインとなり、アベマズ優勝への「シナリオ変更の鍵」になる予感はけっこうある。
とりあえずは、松本が生み出す物語に期待したい。
そして多井は自分のでかい役割を思い出して欲しい。
Mリーグの4年目、5年目があるかどうかは、わしらファンも、そして神様も多井に頼るしかないのだ。
「フェニックスが優勝する結末」
今季、フェニックスにとっては「魚谷の昨年リベンジ」そして「負け続きの和久津の復活」が、レギュラーシーズンの強いテーマだった。
昨年、乳にモナ王をはさんだような大不調で大負けした魚谷。彼女がこんな弱いはずがない、何かがおかしい、今季こそ暴れてくれというファンからの期待。それに彼女はファイトスタイルを調整する努力と器用さで応えた。ファンどころか、神様もウッカリ感動しちゃったのだろう。
めちゃくちゃ勝った。
個人成績1位である。
神様も(しまった、チャンスやりすぎた…あげたチャンスにコイツ、全部見事に応えやがった)と反省してるところであろう。ゴッド、魚谷をナメすぎである。
しかし結果、シーズン中盤戦の物語としては、おおいに盛り上がった。
今季は各チーム、女流が大活躍したので、神様も(やっべ、人気が美味しすぎるな女流、この手があったか。藤田あいつ頭いいな、本当に人間か?)と疑ったことであろう。特に魚谷、高宮がすごかった。
そこで一人、負けている和久津である。
乳にモナ王、ケツにヤリイカ3匹とアメフラシをはさんだような大負け続き。あまりにもひどかったので、ファン全員が目も当てられなかった。神様もズッコケたであろう。見た目が派手なだけで、使えねえなこのキャラ…と。
しかし本来叩かれまくる状況において、彼女が長年積み重ねたファンサービスの努力が、ここで効きまくった。大勢のファンからの、同情と応援の声に変わったのだ。監督もファンの声に心が揺れ動いたのであろう、昨年の大事な最終日の試合に、和久津をあえて登板させた。
そこまでは神様は予想してなかったはずだ。(あの高畑が? マジかおまえ、そんな度胸あったのか…!)と。
監督が、神様の予想を裏切った瞬間である。
結果、監督からもらったチャンスに、和久津は自力で初トップをものにした。
このあたりで神様は(やっべえ、フェニックス面白い! サクラナイツより、こっち優勝させた方が盛り上がらねえか?)…と、脚本を大幅に変え始めた動きがあった。ここからフェニックスの大躍進である。
そう。
一度、サクラナイツは見捨てられたのだ。
しかし最近は(やっぱサクラナイツいいな、ちょっと両天秤にかけておくか)と、変更決定を保留。さらに(内川、岡田が、急にキャラ良くなってきたな)と、サクラナイツにまた戻った感がある。
サクラナイツに傾いた天秤を、フェニックスがゆり戻すには、何よりも茅森が鍵となるとわしは思っている。
茅森は最近ずっと勝てず、正直パッとしない。
しかし負けが混んでいる時こそ、逆に物語を生み出すチャンスなのである。
しかし茅森。
いつも変わらぬ、淡々とした表情と態度の鬼メンタルなので、ファンもあまりその深刻な状態に注目していない。神様ですら(え、茅森って、負けてるんだっけ?)と気づいてない、緊張感のない空気が漂っている。
これはいけない…!
神様に放置されている。
できればファイナルにおいて自力でトップを取り、勝利者インタビューの席に立って欲しい。その時大勢が、そして神様も(あれ…そういえばここに立つ茅森、久しぶりだな!)とさすがに気付くであろう。そこが実はチャンスである。茅森がかつて見たことない面白いアクションや発言をかませば、急に茅森フィーバーがやってくる。第2次茅森ブームである。
そうなれば神様も(ああああああ、茅森を忘れてたあ! やっぱフェニックスが面白いや!)と、また脚本が変わりそうな気がする。
そして近藤。
近藤はピンチにはめちゃくちゃ頼れるカッコイイ男だが、チームにピンチがないままスキップで決勝まで来てしまったので、何のフラグも残っていない。特に役割はない。いつも通りに、強い麻雀を打っていて欲しい。
とにかく優勝の鍵は「茅森早香」である。
「パイレーツが優勝する結末」
ほとんどない。
悪いが、自力で勝ち抜いた感がない。
必死に追い上げてまくりにくるドリブンズや雷電、そしてコナミにギリギリまくられずにすんだ…という物語続きで。
敗北していくチームの熱いドラマを引き立てるために、神様によって、そこの位置へ置かれたというだけの存在である。
このまま優勝させると、寒い結末になるのは予想がつく。
しかし終盤、朝倉が5連ラス、瑞原がメンチンをミスってしまうという、予想もしないドラマが勝手に起きた。
朝倉に「おまえの麻雀、天鳳民の高段者以外にはまったく面白くないから、せめて顔面を険しく、面白くさせてみようか?」と、厳しい展開のプレゼントが入っていたのは、試合を眺めるわしにも感じていた。しかし神様も、ここまでおとなしくラスを引き続けるとは思わなかったのだろう。さらにあの瑞原が、あんな簡単なメンチンを見逃すなんて、神様も驚いたはずだ。
昔の話だが、わしが出来上がった原稿を編集さんに届けた後。印刷所でスクリーントーンが剥がれたのであろう。その切れ端が、ヒロインキャラの顔まで移動して、鼻の下あたりでまた貼りつき。雑誌で見たらそのコマだけ、ヒロインにヒゲが生えていたことがある。
瑞原のミスは、神様にとってそんな感じだ。
(急にパイレーツ面白くなってきたな)
神様も少し思い始めたであろう。優勝させるまではないが、朝倉・瑞原に(ちょっとしたドラマを作るチャンスをやろう)と、何か動きを見せるかもしれない。そこでの朝倉、瑞原の頑張りようによっては、神様がさじ加減をミスるかもしれない。
わしの予想では、今さら朝倉に「ようやくトップ」みたいな展開を、予選での足切り合戦の中ならばともかく。ファイナルに持ってきても感動はかなり薄い。そりゃそうだ、頑張ったのは朝倉の不調をカバーしたまわりである。報われるべきは、朝倉を決勝まで運んだ、その仲間たちだ。
よって神様は朝倉に、またもやラスを引かせる展開を持ってくる。きっと朝倉ならばこう打って、また大人しく地蔵のようにラスるであろう…と。
その神様の裏をかいてしまえばいいのだ。予想を越えていく。
厳しい展開なんのその、トップを神様から奪うのである。
神様の脚本なんてぶち壊して、空気を読まず優勝すればいいのである。
なのでわしのパイレーツ予想は「神様は厳しい脚本を用意してくるであろうが、それに打ち勝てるかどうかは、腕次第」である。
ただし堅実に自分の麻雀を貫くパイレーツの麻雀では、脚本を裏切るのは少し難しいんじゃないのかな?…という予想はしている。
急にノリノリに攻撃的になった石橋なら、何かを突破できそうな気がする。
「意外な朝倉の一面」「ノリノリを止めないバッシー」に勝利の鍵があると思ってる。
その他、唯一神様を出し抜いて(まいった、そうなるとパイレーツ面白すぎる! もうおまえら優勝させる!)とまで心変わりさせたいならば。
このファイナルのタイミングで、コバゴーが結婚発表することだ。
勝利者インタビューのたびに「妻のために打ちました」「見てるかい、妻」「帰って妻に早く報告したいです」「愛してる!」を連呼するコバゴーを想像すると、わしが神様なら勝利者インタビューを見たいがために、東場と南場で1回づつ、配牌に白發中のトイツを必ずぶちこむ。
以上である。
ウヒョ助のファイナル予言
優勝はサクラナイツ本命。
松本・茅森がドラマを作れたら
アベマズ・フェニックスは準優勝から、うっかり優勝まで。
若干、アベマズ有利。
パイレーツはまず負けると思うが、優勝したらもはや、海賊は神を超えたと認めなければいけない。その日からパイレーツが、わしの神様である。
以上だ!
こんなくだらない予想があるのか、馬鹿らしいと思ってる人も多いだろうが。でも実際、こんな考え方で試合を眺め、毎回わしが展開予想をピッタリ当てているのも事実である。
わしはわしでこう予想しながらも、これは願望ではない。
願望はセガサミーフェニックス優勝である。
わしも必死に応援し、神様と戦わなければならない。
人生とはそういうものである。
さあどうなるか、Mリーグ2020年ファイナル。
楽しもう!
ご機嫌がよろしい時、気分で小銭を投げていただくと嬉しいです。ただあまり気はつかわず、気楽に読んでくださいませませ。読まれるだけで感謝です。