新Mリーガーに偉そうにアドバイスをする
よう、Mリーガーになったおまえら。
ドラフト会議の興奮で眠れぬ夜を過ごした後。明け方やっと眠りにつき、今やっと目を覚ました頃じゃろう。窓の向こうからジーワジーワと騒がしい蝉しぐれが聞こえとるか?
2ヶ月後には、それが麻雀ファンの歓声に変わる。
まだ自分がMリーガーになった実感がないじゃろう?
当たり前だ。
まだ契約がすんでねえからなっ!!
調子乗るな。顔を洗って、歯を磨いてこい。
待て、歯磨き粉はきさまら、何を使っておる?
いいか、滝沢、伊達。
おまえらはもう、ほぼほぼコナミの選手じゃ。
イメージカラーは緑。
じゃあパッケージが緑と白の、クリアクリーンを使え。
赤いパッケージのザクトを使うのは、瑠美と松ヶ瀬でいい。
風林火山は、喫煙者しか獲得しないと聞いた。ならばザクトだろ。
さあ、これから4年目のMリーグに参戦し、自分が先輩やファンに受け入れられるかどうか、洗面所の鏡で自分の寝起きのイケてない腑抜けヅラを眺めながら、不安を感じ始めたころじゃろう。まずは口をゆすげ。
安心しろ、Mリーグのメイクさんの腕は、超一流。
堀を見ろ。
デビュー前はサンショウウオの死体みたいだったのに、今や、パンパースのCMに出られるくらいツヤツヤしている。どうにかなる。
ん…まだ不安か?
わかった、このMリーグ非公式広報のウヒョ助が、アドバイスをくれてやる。
まずは、おまえ。
松ヶ瀬。
風林火山の楽屋で、連盟の大ベテラン3人に囲まれ、小国RMUのただの料理人のオジサンには、試合までの待ち時間が苦痛じゃろう。
しかし安心しろ。勝又は喋りたくて仕方ない。
なにせ滝沢がいた時、1年で彼とした会話は「それ…髪赤くしてるの?」のたった2秒だけだ。会話に飢えている。おそらく1分間に3回、チラチラ顔を見てくる。でもきさまの顔面が怖いので、直視はしてもらえない。
なので。
「勝又さんって、料理は何が好きなんスか?」と、勝又がいる場所で、あえて瑠美を見て聞け。
そうすると瑠美が「先生って、ファミレスが好きだよね、ほら写真を撮られた時も」とか上手にトスを渡すので、それを受けた勝又が「そうですねえ、例えばぁーーー肉が好きですね。でも肉って脂が多いじゃないですか。胃の受け入れには3種類、厳密に言えば、4種類あるんですね。一つは牛、そして豚、最後は鳥。ヒツジは今回考慮に入れずに考えるとして、プラスぅーーーーーー、馬肉なんてものもありますが」と勝手に1時間くらいしゃべるので、放送開始まで、ウンウン聞いてるふりをしながら、レタスクラブでも読んでろ。
もっと言えば、瑠美がいればなんとかなる。
さあ次は、ファンに向けての立ち回りじゃ。
いいか、コワモテのファッションや顔面で人気取れると思うなよ。もう松本がやってる。しかも、どんなにトガッて見せても、性格良い気持ちいい好青年だと友達の多さでバレてるので、そこそこすべってる。
たぶん、おまえもだ。
無駄に後輩に慕われておる。バレておる。やめておけ。
そこで何が一番ウケるのか。ツカミが大事じゃぞ。
いいか、秘策を教えてやる。
たかはるの貯金額をバラせ。
実家のリフォームで金を使い、実際は7000万円くらいの貯金じゃが、そこはファンサービスで数字をレタスのように盛り付け、4億と言っておけ。それでも生々しい。
そしてプレイスタイル。
きさま団体対抗戦で、中邑真輔ばりにのけぞり、ツモった二萬を渾身の力で叩きつけ、卓を一台壊したな。あれはかなり良かった。
やれ。
強打をしろ。
なんでもない、400,700の両面ツモアガリでも、牌を叩きつけ、のけぞれ。
強打を見て、ツイッターで文句つけてる連中は、ほぼほぼMリーグにお金は落としていない野次馬じゃ。客じゃない。もしくは、潰れかけの雀荘の店長じゃ。「お客さんが真似るからやめていただきたい」とか真っ当っぽいことを言ってくるが、客がいないから暇でMリーグ見て、そしてピリピリしているわけで。さらにどうせその店の常連は、もっとマナーが悪い。
客のしつけは自分でさせろ。無視でいい。
強打しろ!
鬼のような顔で打て。
顔面はひなたん、タメツモはハギーを超えていけ。
Mリーグ記事を書く記者たちが「いい顔がありすぎて、キャプチャーどれ使えばいいか困るよお!」という、関ケ原帰りの落ち武者のような顔で打ちまくるのじゃ。
行儀よくスマートに打っても、ライトファンの主婦あたりが「顔は怖いけど、麻雀はきれいなんですね、素敵です♪」なんてリプをくれたりするだろうが、どうせ過去ログ眺めたら「ウッチーかっこいい!」ばかり言ってる女だ。きさまのファンにはならん。
おまえは、男にモテる男になるのじゃ!
すべての麻雀ファンの兄貴になれ!
あと、もう5キロ痩せろ。
以上じゃ。
それじゃ、次ィぃいいいいいいいいいいい!!!
伊達ぇーーーーーーっ!!
まずはあれじゃ。
おまえバッキバキの人気声優じゃろ。
たぶん、これから1年は
「連盟のプッシュで、麻雀なんか全然知らない若い声優が、ベテランさしおいて椅子に座りやがって!」
という、ベタな野次コメントが通算1万件くる。
まずはこう考えろ。
その椅子にもし中田花奈が座っていたら、予想30万件きている。
きさまの30倍の悪口の数じゃ。
そこを悔しいと思え。
人気の差じゃ。
中田花奈も悔しいじゃろう。桜蕾戦のタイトルも奪われ、Mリーガーの席も奪われ。私なら伊達の30倍のアンチを飼えるのに、と。
そして「若い声優」という意地悪ワードに対しては、シンプルにこう返せ。
もう30歳だと!
そして「連盟のプッシュ」という声には「どう考えても入れたいのは、団体の功労者の宮内こずえパイセンだろ!ニワカかきさまら!」と、心の中だけで返しとけ。口に出しちゃダメだぞ。
で、アンチは注目のバロメーターだから別にいいとして、問題は楽屋だ。
滝沢、ヒサト、高宮。
やさしい人達じゃが、会話に入るのは無理じゃ。飲み会もない。
滝沢は男同士で、小学生のようなシモネタをいいながら飲みたい男じゃ。自宅の本棚には、珍遊記しかない。
ヒサトはそれを無視して、富士山の話をしたい男じゃ。
高宮は、メトロポリタン美術館の、石膏の女神像だと思ったほうがいい。しかもレプリカじゃ。本体は茨城に心を残してある。応答はない。
飲み会など生涯、歓迎会の1回のみじゃ。
なので「同じMリーガーで、チームは違うけど一緒に遊びましょうよ!」と、別の派閥と仲良くなって遊び行くのが良い。
まずは同じ連盟の魚谷派閥。
ここに勇気を持って飛び込み、同じ新Mリーガーの東城りおとも仲良くなり、果ては宮内、仲田の大先輩ともつるんで、連盟女流最大派閥の仲間入り!…これが一番、幸運なラインであろう。
もしくは、高宮の後ろにいる、二階堂派閥。
和久津パイセンともつながり、お洒落な業界人の顔をするのも、夢の一つである。とにかく連盟は、女流さんすべてが仲が良い。どこに飛び込んでもいい。最終的には全員とつながる。
しかし。
きさまはフォロワー6万人の人気声優じゃ。違う業界でのベテランだ。しかもめっちゃ若いわけでもない。先輩たちも、後輩としてマウントがイマイチ取りづらい。その扱い方を知るのに、漫画家のウヒョ助を前にするくらい、どうしても時間がかかってしまう。
それは最高位戦の茅森派閥、ひなたんのするしない派閥でも同じだ。初手は警戒されてしまう。河野ホンイチなど、声優が放送に遊びにやってきたら萎縮して、川柳が5文字で終わってしまう。
なので、そのへんと打ち解けるまでの時間のつなぎに、一人頼れる先輩を紹介する。
きさまと同じ香りがする女性が、ひとりおる。
どこの派閥にも属さぬ、孤高の白き牝鹿。
瑞原明奈パイセンだ!
まず、Mリーガーの心得を聞かせてください的な、ベタな話しかけをするのだ。瑞原はパイレーツの楽屋で一人、枝毛を探し続けてるはずだ。
瑞原はきっと「えっえっえっ、私もまだよくわかってないんですよぉー」と笑い、手をパタパタさせながら、なんだかんだで、さしさわりのない世間話を長々としてくれる。これぞお母さんが持つ最強スキル「誰とでも、距離を縮めないままの井戸端会議」である。
幼稚園のキャンプで食べるカレーのルーを、星の王子さまにするか、二段熟カレーにするかで、3時間は語れる能力である。
序盤は瑞原で時間を稼げ!
そんな伊達を眺め、よく会話する普通の女子なんだなと思ったら、先輩たちも安心してマウントを取ってくる。あの瑞原にペコペコしてるなら、私たちならもっと堂々、後輩扱いして良いと。そうなれば大勢の先輩と仲良くなるのなんて、あっと言う間じゃ。
最終的に岡田だけが、ポジションわからず、砂漠をさまようことになる。
丸山が先輩ヅラしてきた時だけは「は?」と返せ。
麻雀の方は「強い押しができる」という魅力を大きく評価され、むしろ監督がそこに惚れきったと思うので。
いつもどおり押せ。
ファンのちょっと麻雀知ってる勢が「あんな危ない牌を押すなんて、全然読めてねえな」なんて野次を、いちいちコメント飛ばしがちだが。
たまたまのビタ止めを、あの連中に評価されても何の得もない。
ビタ止めで大成した麻雀プロなどいない。
しかし大舞台で押せる勇気で、スターになったプロは大勢おる。
その頂点の大スターが、チームメイトの先輩におる。
そういうことじゃ!
外野じゃなく、尊敬する人たちからの評価のみを信じるのじゃ。
次、東城!!
おまえ!
きかんしゃトーマスに似てるとイジられ、傷ついたらしいなっ!!
おいっ!
すまなかった…!
あまりに可愛すぎて、生涯で一度も顔面ついて面白くイジられた経験がないだろうから、どこか無理矢理にでもイジれるスキがないかなと1時間眺めたが、まったくスキがないあげく。見事な完成形で。
これは漫画家として負けるしかないのかな…いや、負けたくないとさらに3時間眺めてみたら。
トーマスに見えてきた。
前原さんにやんわり叱られたので、封印する!
女性の顔をイジるのなんて、もっての外ですよ。
全員がひなたんとは違うのですよ。
しかしあんまりイジらずに放置すると「団体下位リーグなのにMリーガーかよ」だけが浮き上がってしまうので。神聖なものと守られるほど、アンチからのその声が反発で大きくなるので。コメントがそればっかになるので。
何か、他にそらすイジリ場所がないかなと探したら。
よう、おまえ!
秋田県出身らしいなっ!!
いいもの持ってるやんけぇええええええええええええええ!!
どこだよ、潟上市って。
おいトーマス、田んぼしかないぞ!
麻雀の方は、今年タイトルを穫ったらしいな。
第15期夕刊フジ杯麻雀女王決定戦・優勝!
やるやんけ…!
今年なら、今が麻雀の旬が来てるってことじゃ。
個人タイトル持ってるなんて、園田より格上じゃぞ。
Mリーガーになったからには、多少のファンからの悪口や野次、クソ漫画家からのクソイジリを受けることにはなるが。もしそれが嫌だったら、来年、水口に席をゆずって欲しい。そんなの余裕へっちゃら、夢のためなら、盛り上げのためなら笑い飛ばすわ!…の気概がある麻雀プロが山ほどおるので。
んだども、この席はゆずらねっ!
おめらじゃMリーグ盛り上げられね!
めんこいゆーみんとMリーグ、でっけえ祭りにおがれでみせる!
ちっとのイジリじゃ、ごしゃがねぁわっ!
…というのならっ!
応援するしかないのーう!
4年目のセガサミサポーターとして大歓迎するぞい!
やんわり、やさしいところから遠回りにイジるので、許して欲しい。
次、本田ぁあああああああああああ!!
本田本田本田本田本田本田本田本田本田!!
おまえ発表後、驚いた!みたいなコメント出しておったが。
正確には
「風林火山に取られるはずだったのに、雷電で驚いた」じゃろ。
理由がわからんじゃろ。
いいか。
ナギーこと高柳監督が北陸出身だから穫った。
以上!!
しかし気をつけろ、監督は石川県出身だ。
富山県民を下に置いてウットリしたいだけじゃ。
福井県民の藤田社長を前に、たとえ電通とはいえ一社員じゃかなわねえ、しかし富山県だけには負けないぞと、きさまを穫った。
マウントを取られるな。
その腕で雷電を優勝に導き、チームにかかせないエースとなって、監督に「おい高柳、富山銘菓・月世界を買ってこい」と言える男になるのじゃ。
おそらくイケメンということで、滝沢内川と並べられ、いちいち騒がれることになるとは思うが。
そこに白鳥がシラーと混ざろうとした時は、ガン無視しろ。
松本が来たら、ちょっと迷うが、それでもガン無視しろ。
あいつらは冬の豪雪を知らねえ。
長野の内川、新潟の滝沢は知っておる。
ここと仲良くしろ!
雷電に入って、気をつけることは、たった一つ。
黒沢の年齢を知るな。
以上。
最近、連盟の早川林香が、なぜか謎のお詫びとともに謎に自粛に入り、何をしでかしたことやらとファンをザワザワさせたが。おそらくだが、黒沢さんにうっかり「本当は何歳すかー?」と年齢を聞いちゃったのだろう。
ある日、おまえが着てるはずのユニフォームを、アフロ頭のヒゲ男が着ていたら、ああ同じく、軽い世間話のつもりで、うっかり聞いてしまったんだな、と。
一応礼儀として、ハギーの代表作のドラマや映画は一通り見ておくのじゃ。思った以上に立派な俳優で驚く。代表作は「実写版・山ねずみロッキーチャック」だ。
面倒くさい時は、アニメのカイジとアカギを見ておけばいい。カイジの主題歌をハギーが歌ってるので、楽屋の空き時間に鼻歌で歌ってると、ハギーが反応して、翌日きさまの分のケーキも買ってくる。
ケーキばかりだと、太るのを気にするかも知れないが。
安心しろ、黒沢が食べる。
富山から東京に出ることになると思うが、家はMリーグ会場の近くで探せ。
間取りは2LDKでいい。でも1室だけは、何も置かず空けておけ。
なぜなら、たびたび瀬戸熊先輩が自宅に帰りたくない時がある。
お泊めしろ。
押し入れに、瀬戸熊用フカフカお布団を用意し、つねにベランダで天日干ししておけ。ベランダ向こうに、同じくパンツを干している沢崎と目があった時は、ちゃんと挨拶をしろ。
この両名に可愛がられると、出世が早い。
おそらく1週間で猿川、2年で紺野と肩を並べ、のちに浦田と北陸支部長を争い、望月と戦争することになる。そしてパーマをかける。
富山の雀荘は、安心して吉田葵にまかせろ。
シーズンオフ、里帰りした頃には内装が、ブリの描かれた大漁旗に変わってる。以上。
そして滝沢ぁああああああああ!!!
瑠美ぃいいいいいいいいいいい!!!
何も言うことはない。
滝沢、ユニフォーム白いから、ジャムパンのジャムこぼすなよ。
ご機嫌がよろしい時、気分で小銭を投げていただくと嬉しいです。ただあまり気はつかわず、気楽に読んでくださいませませ。読まれるだけで感謝です。