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異色太平記の感想

 『異色太平記〜新田義貞は生きていた〜』のレビュー(?)がてら感想を書きたいなと思い、この本を買うご参考までにって感じで読んでくれたら有難いです。

なんで急に読書感想文なんて書いたことないのに書き出すんだ、と言うとこの本検索してもレビューが一切見つからなかったからです(まぁ読めば分かるんですが…)


ちなみに私はこの本の存在をとある新田好きブロガー様のブログで知りました。

このお方のブログ、めちゃくちゃ面白くて大好きでございます


さて、この方が紹介されてるんですけどこの本はどうやら「新田が生きていたら」という話らしくて。しかも勾当内侍の愛に生きるというじゃありませんか。
当方、大河太平記によって新田内侍に性癖ぶち抜かれましてただ今大ハマり中なのです。これは読んでみたい……と思い買ったんですが、「珍本」と言われレビュー0の時点でこれはイマイチだったと気づけばよかった……


はい、今ポロッと本音が出てしまいましたが、この本はイマイチでした(爆)


というか、うーん……なんと言うか「無味無臭」でした。
書き方も新田と内侍の恋模様などは丁寧に書かれてはいた(書かれ「ては」)んですが、全体的に太平記の内容ザッと説明してなぞってくだけで実に淡白なのであります。私はてっきり新田が主人公なのだと思い込んで(副題にも書いてあるし)読んでたのですが、全然新田個人の心理描写とか詳しく出てこないし……笑
 
だとしたら群像劇か?と思ったのですが、作家さんの書き方のせいなのかまるで心情描写が無かった……笑

まぁそれ故に

無味無臭の太平記秒で履修できる本

という感じでした。ご参考までに!


それでもせっかく新田と内侍が慎ましやかに暮らしていける物語なのかって思って買ったんで、作家さんの意図も組んで頑張って読むのだが……


新田と内侍セッ〇スしすぎやろが!!!()



この作家さんなぜか小説書いてるのに非常に淡白に終わってしまってるので、メイン(であろう)新田内侍の逢瀬の場面ですらすっっっごい淡白。
いや、、‍ww2人がイチャコラしてくれてるだけでてぇて〜〜ッてなるけどさ‍www
愛のセッに情熱かけるんだったらそこ5ページくらい丹念にエロ小説みたいに書いてさ、うっわえっろ(爆)って思わしてくれてもいーじゃん?!なにコイツら新田の愛撫一行で終わってんだけど!?(爆)てなります。

しかもそのセッした記述が謎に複数回登場してきます‍w
毎度毎度描写がビミョーなのでただセッしただけで終わってる感じが否めません。まぁ私のように新田内侍がこの世に存在しているだけで幸せに浸れる人なら、この本買っても損は無いかもしれません(責任は負いません)


面白かったのが新田が内侍を初めて抱くところ

新田、内侍の秘部をまさぐる
新田「そ、そなた生娘。帝の寵妃ではなかったのか。これは何としたことぞ。」←草

何これ‍wwwいやなんか根津甚八の新田で容易に想像できる……‍wっていうかめっちゃ言いそう‍wあのシャイで実直な新田は言うな……(場面的には内侍が後醍醐の後宮にはいたけれども、廉子様の影響でお手つきにはならなかったという。てか何だ生娘って?股ってまさぐるだけで処女とか分かるもんなんですか(キショ))

ちなみにこの中での内侍ちゃんはめっちゃ若くてたぶん20代前半です。新田が36、7?だったっけ下賜された時らへん……まぁ年の差って可愛いよね!!っていう。
余談ですが太平記放送時の根津さんは44で、内侍役のますみさんは当時23歳でした。激萌()


太平記伝説の出会いシーン


いぶし銀根津新田


あとめっちゃこの作家さん某ソウルメイトを至高にしすぎて周りが疎かになってるあの某🪨先生に似てるな……って思ったのが、

新田生かそうとなんやらかんやら影武者とか付けて謎に良い人に終わってしまった楠木殿とか、新しい妻内侍と新田荘帰ったら嫉妬も何も無く教養のある公家の姫をすっかり尊敬して懐く(新田の)正室と側室

なんですよね〜……‍ww

楠木殿の描写、正成ファンに全ぶっ叩かれするんじゃないかと思(普通に考えて新田生かそう!で楠木は何で死なにゃいかんのだ、で怒られそう)
梅松論だけにあるという某新田を売る楠木殿は、ここにはいなかった……(これに関しても楠木殿ホントに言いそうじゃねって初心者の私ですら何か思ってしまうのですが)

あと正室と側室!!そんなんでいいのかアンタら!!()
これにはちょっともうツッコミが止まらんかった‍ww
いくらなんでも作者都合よすぎんかと!笑
まぁ身分高き世尊寺家のプリンセスが嫁いできたらそりゃ田舎の武士の娘なんぞは格下になってしまいましょうが、でもだからこそ嫉妬や妬みも生まれるのでは…?!
そこら辺の女のドロドロは吉川英治の方が上手そう(私は嫉妬深い廉子様も好きです)


ネタバレ……というか内侍は新田の子を3人産むんですが(男男女)3人目を産んだ時亡くなってしまいます……

な、なんでだァァァ〜!?!!せっかく新田が生きて平穏な生活ができてたのに……泣
まぁ世尊寺家ってたしかに寿命短い傾向にあるし、行成の奥さんとか見ても子供産みすぎて若くして亡くなる傾向にあるような気がします。
そして新田に追い打ちをかけるように、その娘も幼くして亡くなってしまいます。なんだろ……ここら辺の筋書きってもしかして行成家を参考にしたりしている…?(長家室の悲劇)

なんと可哀想な義貞パパでしょう。結局生きながらえても、他人の死の苦しみからは逃れられない…

しかしなんだかなぁ、、ここのシーンも作家さんがエッセイストが本業だったらしいのもあって、涙する場面なはずなのにあっさりと終わってしまっている。もったいないよぉ……
内侍ちゃんの御先祖「権記」の妻亡くした時の
『悲慟の極み、何事か之のごとからんや。臨終を指す間、心神、乱れず。去ぬる永延三年八月十一日以後より、今に十四年。母子の命、一日に忽ち没す。松蘿の契り千年、相変はる。所生の子、惣て七人。三人、已に夭す。』
の行成の日記の方がめちゃくちゃ小説してるよ……
てか行成って小説書くの普通に上手そうじゃないですか?同じく権記の赤ちゃん亡くす場面とか自分は穢れてしまうから屋敷から出るも、背後で赤子を抱いた奥さんの泣く声が聞こえてきて死んだのを悟るとことか……
こんなんもう小説家の手法だろ……と文才に感動したことがあるんですがね(あれ?なんで権記の話になってんや)

はい、話が大逸れしてすいません、そして新田さんはもう戦はしないと新田荘で息子たちと平穏に過ごすことになります。
別に新田がもし生きてたらのお話なんで良いんですが、ここでおん…?となるのがまだバリバリ戦闘しているであろう義興くんと義宗くんのことです。小説ではサラッと触れるだけ書いてありますが、新田と息子の関係とかどない……!?!なんですよね。。


ちなみに逃げ若でもご活躍中の義興くんは出自が低いらしく、父義貞からはあまりよく思われていなかったとか…え〜直冬みたいな感じの認知感だったら寂しいぜ……とか思いつつ、仮に新田が生き延びても義興や義宗のことをさも忘れ去って平穏に暮らせるのか……?という疑問符が‍w うーん私は父としての新田がそんな無責任な感じなのモヤります。この本なまじ内侍との子こそ至高!なノリなので、もといた妻達からの子のことはどうでもいいのか作者()


めちゃくちゃどーでもいい自分の妄想を話すと、仮に新田と内侍との間に子がいたなら女の子がいいです。それで義興くんたちとこっそり対面してよちよちしてもらいたい……(?)
願わくば内侍には世尊寺家を離れて欲しくは無いのです。出家はしても嵯峨野の往生院で、世尊寺家の人もたまにそこに訪れて欲しいのよ。世尊寺家は仲良くしてて欲しいのだ(ずんだもん)



そして思ったのですが、この本は新田生存ifな訳なのですが、生きてても結局戦から手を引き平穏に暮らす新田……それはそれで平和でいいなと思う。だけどそれはもはや”新田義貞”としての魅力を失っているのではないか……?と思った。いやこの本にケチつけてるつもりは無いのですが、概念的問題として考えてみてです。

じゃあ新田義貞としての魅力ってなんやと言うと、あそこで死んでしまうからこその新田なのかな……とか。新田を勉強してみてだんだん分かってきたのですが、彼の不憫さとか不運さとか…その脆さが新田の魅力でもあったような気がします。だから生き延びて内侍と幸せに暮らしましたとさとなった所で、武人の新田はどこへ行ったんだ……となる。最後まで武人として戦って死んだからこそ、新田義貞だった気がするのです。



そんなこんなでツッコミ入れたいがための読書レビューでした!!結構自分の思想多めになってしまってすみません。
レビューがないと購入が不安だという方がもし現れましたら、ご参考にしてやってください。
小説的表現の豊かさを期待して買うと何か違うな…となりますが、新田と勾当内侍が好きな方は買ってもいいかなと。あと新田生存ifを読んでみたい方も。

てかなんで私は普通の太平記から買わずに「異色」な方を先に買うタチなんだろう……‍w



最後に

嵐山の滝口寺のお二人に会いに行った時の写真を

勾当内侍供養塔
新田義貞首塚

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