ポケカと数学③-1: ペパーが4枚サイド落ちする確率

ウホーイ(@the_uhooi)です。
Xでペパーが4枚サイド落ちしている方がいるのを目撃し、その確率が気になったので計算してみました。


「サイド落ち」とは?

ポケカでは、60枚のうちランダムに選んだ6枚を裏にしてサイドへ並べます。
サイドにあるカードは試合が進まないと使えないので、「サイドに落ちる」や「サイド落ち」と呼ばれることが多いです。

問1: 1積みのペパーが1枚サイド落ちする確率

まずは4枚でなく1枚サイド落ちする確率を考えます。

例によって数学の問題に置き換えます。

【問1】
60枚のカードのうち, 同じカード(カードAとする)が1枚入っている.
6枚引いたとき, カードAが含まれている確率を求めよ.

解1

解1-1: 直感

60枚から選んだ6枚に含まれていればいいので、直感で $${6 / 60 = 1 / 10 = 0.1 = 10 \%}$$ とわかります。

解1-2: 確率の定義から求める

解1-1は論理的ではないので、確率の定義から考えます。

60枚のカードから6枚引くのは $${{}_{60} \mathrm{C}_6}$$ 通りです。
60枚のカードから6枚引いてカードAを引くのは、カードAの1枚を除いた59枚から5枚引くのと同じなので $${{}_{59} \mathrm{C}_5}$$ 通りです。

したがって、解答は次のようになります。

$$
P(A) = \frac{{}_{59} \mathrm{C}_5}{{}_{60} \mathrm{C}_6} \\
= \frac{\frac{59 \cdot 58 \cdot 57 \cdot 56 \cdot 55}{5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}}{\frac{60 \cdot 59 \cdot 58 \cdot 57 \cdot 56 \cdot 55}{6 \cdot 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}} \\
= \frac{6}{60} \\
= \frac{1}{10} \\
= 0.1 \\
= 10 \%
$$

直感と一致したので、計算は合ってそうです。

問2: 4積みのペパーが4枚サイド落ちする確率

本題です。

数学の問題に置き換えます。

【問2】
60枚のカードのうち, 同じカード(カードAとする)が4枚入っている.
6枚引いたとき, カードAが4枚含まれている確率を求めよ.

解2

解1-2と同じ考え方で解きます。

60枚のカードから6枚引いてカードAを4枚引くのは、カードAの4枚を除いた56枚から2枚引くのと同じなので $${{}_{56} \mathrm{C}_2}$$ 通りです。

したがって、解答は次のようになります。

$$
P(A) = \frac{{}_{56} \mathrm{C}_2}{{}_{60} \mathrm{C}_6} \\
= \frac{\frac{56 \cdot 55}{2 \cdot 1}}{\frac{60 \cdot 59 \cdot 58 \cdot 57 \cdot 56 \cdot 55}{6 \cdot 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}} \\
= \frac{6 \cdot 5 \cdot 4 \cdot 3}{60 \cdot 59 \cdot 58 \cdot 57} \\
= \frac{1}{59 \cdot 29 \cdot 19} \\
= \frac{1}{32,509} \\
\fallingdotseq 0.00003076 \\
\fallingdotseq 0.003 \%
$$

ペパーが4枚サイド落ちする確率は、何と32,509回に1回です。

おわりに

1/32,509を大会本番で引くのは非常に運が悪いといえます。
しかしリザードンデッキだとしたら、その分ふしぎなアメやエヴォリューションを縦引きしやすくなっているので、これだけで勝敗が決まるとは限りません。

逆にいえば、4枚積んでいればほぼサイド落ちしないです。必ず1枚はデッキに残ってほしいカードがあれば、4積みするとよさそうです。