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元コンサドーレ・チャナティップ選手にあらためて伝えたい感謝と、取材での学び(石野智子)

北海道コンサドーレ札幌を愛するすべての人たちのためにコンサドーレやサッカーを調査・分析する番組『コンサラボ』(毎週日曜日深夜放送)を担当しています、UHBアナウンサーの石野智子です。

タイ代表で元北海道コンサドーレ札幌のチャナティップ選手が、母国のチームへ移籍する決断をしたというリリースが発表されました。

チャナティップ(1993/10/5
出生地:タイ
前所属チーム:BECテロ・サーサナFC(タイ)─ ムアントン・ユナイテッドFC(タイ)─ 北海道コンサドーレ札幌 ─ 川崎フロンターレ

https://www.jleague.jp/player/1504755/#attack

これを受けて今回は、札幌に在籍していた2021年開幕戦のチャナティップ選手のゴールパフォーマンスから、2023年の今も私が感じていることをnoteに記させてください。

ちなみに・・・

自分の意見を発信することに責任と怖さを感じて(アナウンサーなのにおかしいと思われてしまうかもしれませんが)、当時SNSで言えないまま自分のメモとして残したものが、今回の記事のベースになっています。今回は勇気を出して発信します。


■ 2021年2月27日 札幌VS横浜FC 明治安田生命J1リーグ開幕戦

5対1で北海道コンサドーレ札幌が勝利したこの試合の、チャナティップ選手のゴール!そして、UHB「いっとこ!みんテレ」のスポーツコーナーでお願いをしたポーズを、ゴールパフォーマンスにしてくださったことは、私はこれからもずっと忘れることはないと思います。

UHBいっとこ!みんテレより

ゴールを決めてパフォーマンスをしているチャナティップ選手に気付いたときは「まさか!本当に!大事な開幕戦で!?番組がお願いしたあのポーズを!?」と驚きながらも、大大大興奮。

有言実行してくれたチャナティップ選手、本当に凄かった…!!

ちなみに、このゴールだけではなく、パフォーマンスをお願いしたこともチャナティップ選手の母国・タイにも届いたようで、チャナティップ選手はタイでも日本でも愛されていることを改めて感じました。


■ 2021年4月 タイ語で御礼を伝えることに!


思い出すと、また高揚してしまうくらい嬉しかった開幕戦のゴールパフォーマンス。そのお礼を伝える機会を作ってもらうことができました。

タイ語を学べるスクールにもお世話になり、タイ料理も食べて…チャナティップ選手にお礼を伝えよう!という企画。

最初は楽しみ、だったのですが、単純に「楽しみ!」という気持ちだけではその日を迎えられませんでした。

ここで感じたことは

今まで
「最近覚えた日本語は?」
「最近好きな日本の曲は?」
「日本語でメッセージをお願いします」
と聞いていたことに対して、嫌な顔をせず、いつも誠実に答えてくださっていたことがどれだけありがたいことだったか、ということです。

私たちはそのサービス精神に甘えながら毎回のようにお願いをしていましたが、いざ、自分が「タイ語でお礼を伝える」となったとき、簡単にできることではありませんでした。

数行覚えるだけでも、細かな発音や口の開き方も難しい。私も結果的に完璧にマスターできていたわけではないと思います。

必死に覚えてどうにか想いを伝えることで精一杯。

やっとインタビューができる喜びと伝わるかわからない不安で、インタビュー前日はなかなか寝付けず当日の朝を迎えました。

「まるでテスト前の学生だね」と言われてしまうくらい、直前もぶつぶつぶつぶつタイ語の練習。

放送では入り切りませんでしたがタイ語の歌も覚えて、ついにご本人にインタビュー…!!!

パフォーマンスでもみせてくれた番組のポーズ『いっとこ!ポーズ』
コロナ禍のため画面越し…

チャナティップ選手の笑顔に助けられ…通訳のティさんもそばにいてくれたので、なんとか伝えたいことが(おそらく)伝わり、いっしょに歌も歌ってもらいました。(日本でいう“ゾウさん”の歌)

いくつかのフレーズを覚えて伝える、さらに「伝わる」レベルまで持っていくことも大変な中、いつも日本語を使ってメッセージをいただいていたことに本当に感謝しました。


■ 2023年6月 タイのチームへの移籍報道


チャナティップ選手が日本からタイに戻るという報道を知り、改めて上記のメモを読み返していました。

チャナティップ選手への感謝の気持ちが再び込み上げ、同時に寂しさも…

実はコロナ禍の影響でチャナティップ選手とはリモートインタビューのみ。直接お話しできないまま、フロンターレへの移籍が決まり、今回タイヘ移籍。

直接お会いしてお礼も言いたかったですし、またチャナティップ選手の華麗なプレーを日本でも観たかったとも思ってしまいました。

今後もきっとある外国籍選手へのインタビューの機会。そのときにはいつもチャナティップ選手とのことを思い出すはずです。

実際に2023年4月19日、ルヴァンカップグループステージのサガン鳥栖戦。チャナティップ選手と同じくタイ代表のスパチョーク選手へのインタビューでも、頭に浮かびました。

ついつい「日本語で」とメッセージをお願いしてしまうのですが、心の中にはこのとき感じた気持ちをベースに持つようにしています。

テレビは”ショー”でもありますが、楽しいだけで人の心を傷つけたり、嫌な気持ちにしたりする媒体にはしたくありません。

インタビュー相手や視聴者の皆さんに対しても『心』の部分を大事にしたいと私は思いますし、当たり前ですが相手の気持ちを慮って言葉にすることを大切にしています。

この感覚を忘れないように記憶にしっかり残してくれたのは、チャナティップ選手でした。

サッカーを観る楽しさだけでなく、大切な学びも授けてくださったチャナティップ選手へ、届くかわからないけれど、ここでもお礼を言わせてください。

本当にありがとうございました!!

そして、タイでの活躍も祈っています。
日本にも吉報がたくさん届きますように!

ขอบคุณ ค่ะ🙏