定吉の時計とは④
定吉は真面目である。
その上孫がとても可愛いのだろう
子供の頃から僕の周りには
まぁまぁヤンチャでイタズラ好きな
友達が沢山いた
同級生の自宅に電話しては
地元の有名なヤンキーに絡まれたと
嘘ついてカンパを要求したり
スーパーの納品されたものを
そのまま拝借したりと
そんな仲間たちと遊んでいるのを
定吉はあまり面白く思っていなかった
もちろん心配なのだろうが
昔はケータイ電話なんてものはなく
家に電話あって
よく、定吉は
『よしくんは寝てます』
とか嘘をついて居留守を使うのである
家に直接チャリンコで友達が迎えに来ると
ピンポンが鳴って定吉がいつものように
嘘で居留守を使う(*´ω`*)
しかし、友達も確実に僕が居るのは
わかっているので家の前で
『マ○コ〜、チ○コ〜』と
大声で叫びながら出て来るまで
叫び続けてるので僕は気づいて
『おい、やめろ今行くから』
と伝え、渋い表情の定吉を横目に
家出て遊びに行くのである
ホントに下品な友人である
そんなある日友達が家に遊びに来ていると
いつもの様にファミコンやら
わちゃわちゃ楽しんでいると
定吉は何回か牽制して
もうそろそろ遅いから帰ったらと
促してきた、
まぁ子供なのでゆう事は聞かず
ダラダラ遊んでいると
ついに定吉の堪忍袋の尾が切れて
『何度言ったらわかるんだ!
こんなに遅い時間じゃないか!
早く帰りなさい!』
と珍しく怒ったのでびっくりして
その定吉が自分の右腕をグイッと差し出して
時計の時間を見せてきた、
しかし、よく見るとそこには腕時計がない、、
3人の間に変な空気だけが流れ出すと
何も言わずに定吉はその場を去ってしまった
定吉よホントに可愛いな
定吉しか見えない、その時計僕も欲しい