「タスキメシ五輪/額賀澪」を読んで感じたこと
2023年のおかき的ベスト本の6位はこちら
〈アルバイト募集!2021年の夏に開催される大規模な国際スポーツイベントで、食を通してアスリート達をサポートしませんか?〉
このバナー求人広告を見た伊坂都がアルバイトの面接を憤りと白けた気持ちで受ける場面から始まります。
2021年夏の大規模国際スポーツイベントとは勿論東京オリンピックですが、オリンピックという言葉を使えない世の中の事情には覚えがあります。
コロナ禍の非常事態宣言で経済が止まる中、オリンピックが金と利権の祭典であることを改めて私達に思い知らせてくれましたから。但し、始まってしまえば、選手達に感動をありがとうとか思ってしまった国民性なのですけどね。私もその類です。
オリンピックの選手村食堂で働く都、その食堂を運営する食品会社で働く仙波千早、補欠から繰り上げで五輪マラソンを走る助川亮介。
オリンピックにどんな気持ちでどんな関わりをしていたのかを、最初は陰鬱に、徐々に積極的に、最後にはそれぞれの達成感で爽快に描かれてました。
しっかり言葉にも出てくるんですけど、選び取ったことではなく任されたことに使命感とやりがいを見出す歓びが、しっかりと伝わってきました。秀でたものがあるわけではない私たち大多数の心にガツンとくるんじゃないかな。少なくとも私はそう!
故障で苦しむ藤宮藤一郎にも明るい兆しが見えてきました。眞家春馬はパリ五輪を目指して相変わらずヤンチャです。眞家早馬は皆んなの心の拠り所です。
気持ちの良いエピローグにwakuwaku。
今作は駅伝ではないけど、心のタスキを繋いでました。
まだまだ、続きが読めそうです。
裏表紙前のページに大きく
GOAL!←
…and
RESTART‼︎
って書いてありましたから♪
このシリーズは1作目を読んで心を持っていかれたのです。
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