これからの時代のあり方(仮説実証)
前回書いた「これからの時代のあり方(仮説)」の続きです。
前回の仮説では、客観的に可視化しづらい「主観的な価値」が日本で枯渇していると書きました。
この「主観的な価値」を高めつつ、可視化しやすい「客観的な価値」にもつなげるにはどうすれば良いのか?
それは、「社会的に意義のある価値、『社会的価値』に効果的に投資をすること。そして、「信頼」や「希望」など、主観的な価値をより多く生み出すように活動すること」と仮説を立ててみました。
今回はその仮説の実践編として、私が運営しているコミュニティ「ごはんシェアLab」を通して、どのように実験モデルを作っていくか書いていきたいと思います。
ごはんシェアLabとは
ごはんシェアLabとは、自分の身の周りで行った「ごはんのシェア」を報告し合うコミュニティです。そして、そこから豊かな関係性を生み出していくのが目的です。
いわゆるシェアリングコミュニティ(Sharing Club)と呼ばれる活動ですね。
社会的価値に効果的に投資をする
ごはんシェアで社会的価値に投資できるものとしては、
・フードロスの解消
・絶対的貧困、相対的貧困の支援
が考えられます。
現在、日本では約646万tのフードロス(食べられるのに捨てられた食材や料理)が発生していると言われています。
日本人1人あたり、毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てている計算になります。
一方で、世界全人口の9人に1人、約8億人が飢えに苦しめられています。
また日本でも、絶対的貧困ではないですが、相対的貧困率は約16%。6人に1人の割合です。
偏った資本が食の偏りにもつながっていることこそ、フードロス問題の本質なのかもしれません。
では、フードロスの解消をすると、どのような効果がでるか?
・ごみ削減による、ごみ処理費用の削減
・温室効果ガスの削減
・国内食料自給率上昇による、輸入燃料の削減
結果、無駄が無くなったことで小売価格が下がり、日本全体の生活コストは下がる。
しかし、フードロス解消できたら、現在飢えに苦しんでいる貧困層に食が行き届くようになるのか?と言われたらどうなのでしょう。
私の調査不足かもしれませんが、「フードロスの解消=偏在した食の分配になる」という情報は明確に見つかりませんでした。
ここについては引き続き調べていきますが、フードバンクやフードロスレストランのような、直接フードロスを、必要な場所に届ける活動に寄せた方が効果的なのかもしれません。
主観的な価値をより多く生み出すように活動する
社会的価値へ投資すると得られる感情のひとつに、「他者貢献の喜び」があると思います。
その喜びは、自分が貢献する対象が具体的にイメージできるかつ、効果が出ていると感じられた時に最も大きくなるそうです。
ならば上記で触れたように、自分達のフードロスを貧困層に直接届けたり、自分のフードロス解消で浮いたお金を寄付した方が、喜びは大きいのでは?と考えています。
そして、その行動は「希望(自分の力で社会を変えられる感覚)」を生むことにもつながると思います。希望も主観的な価値です。
また、ごはんシェアで得られる主観的な価値には、「信頼関係の構築」もあると思います。
自分の食をシェアできるレベルの信頼関係って、意外にハードルが高いと思います。なので、シェアできる関係があるだけで、価値がある。
また、食には人とのコミュニケーションを促進する効果があると言われています。(社会的促進効果)
まとめると、ごはんシェアLabをとおして以下の「主観的な価値」を得られるように行動すると良いと思います。
・他者貢献の喜び
・希望(自分の力で社会を変えられる感覚)
・信頼関係
ごはんシェアLabの活動内容
そこを踏まえて、ごはんシェアLabの活動をデザインしました。
活動の流れは、前回出した「価値が効果的に生まれる行動パターン」に当てはめた形にしています。
①ごはんシェアの実践
ごはんシェアという言葉のとおり、使いきれなかった食材や料理を身近な人へシェアしたり、寄付が可能な食材は寄付する。
また、規格外で出荷できなかった農作物や、小売・飲食店の売れ残り間際の食材、身近な人のフードロスを受け取る。
これもごはんシェアとしています。
【社会的価値】フードロスの解消・貧困層に食を届ける
【主観的価値】他者貢献の喜び・希望・信頼関係。
また、ここは賛否分かれるかもしれませんが、ロスしていなくても“あえて”ごはんをシェアするのもOKとしてます。
【主観的価値】他者貢献の喜び・信頼関係
ごはんシェアはGiveから循環が始まると考えているためです。
②FBグループで報告
実践したごはんシェアは、ごはんシェアLabのFacebookグループで報告します。
そこで交流を楽しむのも、主観的な価値を高めていく要素かと思います。
③GHN発行
そして、ごはんシェアを通して生まれた関係性の証として、コミュニティ通貨GHN(Gohan)が発行されます。
④おみやげシェア
発行されたGHNで、日本各地に住むメンバーが出品している、お土産や地元の名産をシェアしてもらうことができます。
【主観的な価値】他者貢献の喜び(出品側)、信頼関係
活動内容としてはこんな感じです。
だいぶ無理矢理かつ荒削りかもしれませんが(笑)
詳細な部分は、修正しながら実験していきます。
自分も含めてごはんシェアLabに参加することで、どこまで「主観的な価値」が高められるのか、みていきたいと思います。
この活動で社会がどう変わるのか、もしくは1ミリも変わらないのか…
非常に楽しみです。
実験が進んでいったらまたnoteで報告しますね。
ちなみに、今回の記事を読んで「ごはんシェアLabの実験に参加してみたい!」と思った稀有な方は、シェアライフ熊本のFacebookページにメッセージください。
これからの時代の新しいあり方を生み出せるか、実験しましょう。
「ごはんシェアLab紹介資料」(2020年1月版)
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