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mento主催HR Night#2〜DE&I推進の現在地〜

2023年9月22日、「女性活躍推進の落とし穴」をテーマにHR Night第二回を開催。当日は、女性活躍をはじめとした「DE&I」を積極的に推進されているパナソニックホールディングス株式会社様、株式会社メルカリ様にご登壇いただき、これまでのお取り組みや知見をお話いただきました。


当日のパネリスト💡
-- パナソニックオペレーショナルエクセレンス株式会社 DEI推進室長
兼パナソニックホールディングス株式会社 ブランド戦略グループ 杉山秀樹様
-- 株式会社メルカリ People and Culture HRBP / 社内コーチ 唐澤圭様
-- 株式会社mento COO 丹下恵里

※本イベントレポートは2部構成となっております。
後半はこちらからご覧ください。

HR Nightとは「人と組織」について語り合う場

HR Nightは人事や人材開発に関わる方々の交流イベントです。
このイベントは、人事戦略や施策について情報を交換し、成功の秘訣から失敗談までをフラットに語り合える場として好評を博しています。

第二回である今回のテーマは「女性活躍推進の落とし穴」
イベントの前半ではパナソニックホールディングス株式会社杉山様、株式会社メルカリ唐澤様にご登壇いただき「各社の課題意識と施策実施の現在地」についてお話しいただきました。

日本の女性活躍推進は大きく遅れをとっている

日本の女性役員比率は15.5%(2022年)と他先進国と比較し大きく遅れを取っています。
この現状を受けて日本政府は2030年までに大手企業の女性役員の割合を30%以上にする目標を掲げています。女性リーダーの数は増加傾向にあるものの、まだ達成ハードルは高い状況です。

参考:『日本の女性役員比率、G7で大差の最下位 30%達成ハードル高く』

また、今年の日本のジェンダーギャップ指数は世界125位と過去最低。日本が越えなければいけない壁は無数にあるのではないでしょうか。

※ジェンダーギャップ指数:各国の男女格差を数値化したもの。
スイス非営利財団世界経済フォーラムが2006年から毎年発表しており、男女平等格差指数ともいわれています。目的は、各国が自国の男女のギャップの差を把握し、解消すること。

一言に「女性活躍」といっても、あらゆる要因が複雑に絡み合うため、幅広い観点から課題に向き合う必要があります。

「女性活躍」は総合格闘技になりやすい

各社はどのように課題を捉え施策を実施しているのでしょうか。

DE&I推進のキーは取り組みの順番

パナソニックグループ杉山様:
私がDE&Iの取り組みに関心が向いたきっかけは、マネージャがメンバーをモチベートするはずの場面での出来事です。人事として話を聞いたり、私自身も複数の会社でマネージャ務める中で、マネージャーは本人をモチベーションアップさせようと働きかけるのに、逆にモチベーションを下げてしまう場面を目にしてきました。

組織を観察していく中で、その要因の一つに組織の同質性が高いことの影響があると考えるようになりました。
例えば、会社の歴史が長い大企業の場合は管理職は男性のプロパー社員が多く占めているケースというのがあると思います。そうなると、意図せずともそれ以外の属性の主張や存在が薄れてしまうことがあります。

今の組織においても、似ているような状況があり、より多様な一人ひとりの個性が活きるように積極的にDE&Iの推進に取り組むようになりました。

私の関わった取り組みの中で最初に焦点を当てたのが、組織内で最も大きなマイノリティである女性でした。

DE&Iの取り組みは大きく以下の3つにステップで進めていくべきだと考えています。
① トップのコミットメント
② インクルーシブな環境
③ 当事者一人ひとりの支援
特に、この順番で進めることが非常に重要です。一般的にこうした取り組みの話となると当事者への支援から入ることが多いと感じてきました。

しかし、マイノリティと表現される属性の方々はすでにその環境の中で最大限努力をしています。変化を起こすためには先に周囲へアプローチをする必要があるのです。

そのため、はじめにトップ層のコミットメントを得るための働きかけや、インクルーシブな環境の構築につながる活動に焦点を当てて取り組みを進めてきました。

参考:パナソニックホールディングス株式会社- Diversity, Equity & Inclusion

説明できないジェンダーギャップの解消

メルカリ唐澤様:
弊社では、最近、インパクトレポートを公開しました。このインパクトレポートは、メルカリが事業を通じて社会に対してポジティブな影響を与えるための活動内容をまとめたものです。

様々な指標や活動がありますが、今回のレポートで特に反響が大きかったのはジェンダーペイギャップを埋める取り組みです。

メルカリでは政府から求められる「男女間賃金格差」のみならず、職種に起因しない「説明できない格差(unexplained pay gap)」も分析し、男女間で約7%の格差があり、有意に影響している要素のほとんどが入社時点の賃金であることがわかりました。
メルカリは約95%が中途採用です。面接などで個人の能力を判断して報酬オファーを出していますが、やはりどうしても前職の給与を考慮した金額になります。
女性のほうが賃金が低いという社会的な構造があり、そこを断ち切ることができていませんでした
一般的な転職の仕組みを取り入れた結果、社会の性差を再生産してしまっていたのです。
この結果に基づいて、メルカリは当事者の評価に基づいて賃金を調整するなど、ジェンダーギャップを縮小するための取り組みを実施しました。

参考:メルカリ、2023年度版 「Impact Report」(インパクトレポート)を公開


DE&Iの推進に向けた情報交換

お二人に各社の状況をご紹介いただいた後、各テーブルでのトークタイムがスタートしました。

参加企業の皆様は、DE&Iに関する強い課題意識を持っていますが、これらの課題の分析や施策の推進は容易ではありません。

他社の独自の課題捉え方や取り組みに対する相互の興味は絶えず、当初予定していたトークタイムの時間では収まり切らないほどに活発なディスカッションが繰り広げられました。
イベントの後半では、見過ごされがちな「女性活躍における水面下の課題」についてさらに深くディスカッションを進めてまいります。
ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

※本イベントレポートは2部構成となっております。
後半はこちらからご覧ください。



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