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懇親会ぼっちの思い出

明日から2日間、言語学会。もうオンライン開催が続いて2年以上経つのですねえ。

言語学会では、何回か研究発表をしたことがあります。それぞれの回に思い出がありますが、とりわけ初めて発表者として参加したときのことは忘れもしません。東北学院大学(2002年秋季大会)で開催された時の大会で、もちろん初の仙台訪問だったということもありました。

今でこそいろんなところに遠征するのが楽しみな人間ではありますが、かつては初めて訪れる地というのにはやたら緊張していたものでした。まして、用件が言語学会の発表、しかも学会発表デビューです。緊張しないわけがないのでした。

当時は初日がシンポジウム、2日目が研究発表+ワークショップというプログラムになっていまして、懇親会は1日目の夕方から。参加前に、とある方から懇親会には必ず参加して司会予定の先生にあいさつをしておかないといけない、という趣旨のアドバイスをもらっていたのを覚えています。

司会の先生(どなたなのかは上記リンクのプログラムをご参照を!)がまさか当日所用でいらしていなかった(翌日発表が終わってからようやくご挨拶できた次第でした)などとはつゆ知らず、懇親会ではほとんど誰とも会話できずひたすらその先生を探し回っていました。

翌日の発表もどうなるやら、緊張しすぎていたこともありますが、同じ世代らしき人たちは仲よさそうに輪を作って話が盛り上がっているし、入り込めんなこれ、どうしたものかと。

食事はたしかビュッフェ形式でしたが、食欲もわかず、ほとんど手をつけず。何一つ参加した意義を感じられずに相当落ち込んだものです。ちなみにこの大会、たしかまつーらとしおさん(@yearman)も同じく言語学会デビューだったと聞いたことがありますが、当時はもちろん、互いに全く面識がありませんでした(知り合うのは数年後のことです)。

唯一声をかけてくださったのが、在りし日の庄垣内正弘先生でした。といっても当時はまだそこまでお互いによく知っているという間柄であるはずもなく(なんせこちらは、Dに上がったばかりのペーペーでしたから!)。

偶然その学会前に京都で研究会があり、そこに参加したときに一瞬だけご挨拶をした程度。それでもさすがはかの庄垣内先生、例の調子で「おう、キミも発表するんか」と話しかけてくれました。こちらの妙な緊張はきっと伝わっていたと思いますが、「まあまたがんばり」とだけ言い残して、またどこかに行かれたのでありました。

かくして滞在時間およそ20分か30分くらいだったか、最後までいることもできず、誰とも話をしないのではな…と自己嫌悪に陥りつつ、いたたまれなくなって会場を後にしたのでありました。

翌日の本番の発表では初の全国規模の大会ならではの強烈な洗礼を浴びまして、質疑応答もぼろぼろ。とぼとぼと大阪に戻ったのでありましたとさ。


ただえらいもので、めげずに2回、3回と発表をしていくうちに、なんだかんだで知り合いというものはできるもののようです。その後はTwitter, FacebookといったSNSも普及してきたことは我々のよく知るところですが、これでゆるく言語学関係者どうしでつながっていたことは、言語学会に参加するときの心理状態的にもかなりプラスに影響したのではないかなと個人的に思っています。

懇親会でつらかったのは後にも先にもこの東北学院大の大会のときだけ。それ以降は少なくとも、誰とも話せずにとぼとぼと帰ったということはありませんでした。Allaha şükür.(ありがたいことです)

ああしかし、自分の言語学会デビューはもう20年近くも前のことになるのですか。Zaman ne kadar hızla geçer.ってやつですね… なるほど同世代の人たちが大会委員長とかになってるわけだわ…

とか言っておりますが。

発表されるみなさまのご健闘をお祈りします。
ワイか?ワイはもちろん、テュルク諸語系の発表を聴きに行くつもりです。これも立派なテュル活ですからね!

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