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『28テュルク諸語で読む「星の王子さま」』、ワンチャンあるで

以下は、昨晩金曜深夜の随想です。我ながらくだらない内容ですので、適当に流し読みしていただければ幸いでございます。どうぞみなさまよい週末を…!


昨晩、おれはひっそりとOCR機能を使ってタタール語版『星の王子さま』(以下、LPP)をテキストデータとして読み取りながら、ふと本棚に目をやった。そこにはさまざまな言語に翻訳されたLPPが並べられているのであるが、その一角にひときわ輝く2冊の本がある。

改めて見返すと、風間・山田(2021)のほうは第26章を前半と後半に分けてトルコ語・ウズベク語をあてている(実際、ここは長い章なのです)。一方で、Edition Tintenfass社のポリグロット版は冒頭の献辞「レオン・ヴェルトへ」をフランス語にして、残り27章の各章を同社がそれまでに公刊したさまざまな言語で表記しているということで、構成が若干違っていることに気づいたりもする。へー。

しかしいずれもLPPという題材で多言語を紹介するという趣旨は、多言語趣味の人間にとってはなかなか魅力的に映るのだろうな(実際自分がそうだし!)、と思った。

で、おれはまたいつもの悪癖でOCR作業の手を止めてしまい、新刊のLPPがないかどうかググってみたのである。すると、最近はフランス諸語版というのまで出たのだそうで…

わー何これ。ロマンス諸語研究とかやってる人とかいたら、ネタとしてメチャおいしそうな一冊だなあ…とぼんやり考えていたのである。

…あれ?そういえばテュルク諸語ならどうよ?
最近ノガイ語版も出版されたし、ひょっとして27言語くらいには届いてるんじゃね??

おれはふと思いたって、今手持ちのテュルク諸語に翻訳されたLPPを数えてみた。とりま、現代トルコ語を転写しただけであろうとは思いつつも、突厥文字版とオスマン語版もカウントしてみる。

  1. トルコ語

  2. トルコ語(東トラキア・トルコ語)

  3. トルコ語(デニズリ地方トルコ語)

  4. トルコ語(アンテプ・トルコ語)

  5. キプロス・トルコ語

  6. トルコ語突厥文字版

  7. オスマン語表記班

  8. アゼルバイジャン語(北)

  9. アゼルバイジャン語(南;イランのアゼルバイジャン語なのでペルシア文字表記)

  10. カシュカイ語

  11. ノガイ語

  12. カラチャイ・バルカル語

  13. クムク語

  14. カライム語

  15. キルギス語

  16. カザフ語

  17. タタール語

  18. カラカルパク語

  19. ウズベク語

  20. チュヴァシュ語

  21. トゥヴァ語

  22. サハ語




くあーーーーーー!!!!!!
惜しい!!!!!!!!!
もうちょっとだけ足らんごたる!!!!

裏技というか、実はググるとほかにもトルクメン語版とバシキール語版がネット上に転がっている(内緒にしといてくださいよ…?)のがあって、それを仮に加えたとしても、まだ27には届かないんだよな…

ただし、(これも力技だけど)実は現地の知り合いに入手してもらっているがまだ手元にない、旧ソ連時代のキリル文字表記アゼルバイジャン語版LPPもあるから、それもなんとか1章に入れさせてもらえば…

今後新しいのがあと数言語出版されたら、わりに『28テュルク諸語で読む「星の王子さま」』出版企画、夢でもなくなるんじゃないか…?

そんなことを考えていて、気が付くと深夜1時を回っていた。

あーあ、とはいえ現実にこういう本を出そうと思うと大変だ、とおれはまたため息をついた。
各言語への翻訳に対する著作権のこともあるだろうし、本気で28言語を各章あてようと思ったら、分析をしないといけないし(それに、それオレが一人でやるってことになるんだよな…サハ語とかトゥヴァ語とか、かなり厳しそう)。何より、どこが出版してくれるんだ…こんなマニアックな企画…

そこまで考えたところで睡魔が襲ってきたので、おれはひとり涙して枕を濡らしながら[1]眠りについたのであった。

注記
[1] 涙は実際は出ていないので、枕は濡れていない。

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