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トルコ語の"c"と"j"の区別について少し突っ込んで解説してみた

「文字と発音」はトルコ語に限らず、新しい言語にとりかかる際には大変重要なパートになります。

ですので、本当はじっくりと取りかかったほうがよいジャンルなのですが、語学講師としてシラバスを考える際にはあまりここにだけフォーカスしすぎても飽きられるということはあります。実に悩ましいところです。

さて、以前noteでもトルコ語の文字と発音の話をまとめたことがありましたが、cとjはしばしばその違いが問題になります。とある語学書では、この2つを厳密に区別しないとまで書いているものもあるようです(が、もちろんとんでもない!)。

私個人のトルコでの経験上からも、この2つを意識して区別する必要はあると主張します。以前ツイートしたことがあるのですが、外来語ながらトルコ語にはcet(おじいさん)とjet(ジェット機)といった意味の違いが出てくるというケースはあるので。

ほかの箇所は同じで、その部分だけ発音が違って意味が異なる場合、その二つの語は専門的には最小対(ミニマル・ペア)をなすと言われるのですが、そのことが何を意味するかというと、当該言語ではその意味の違いを作り出している部分を音素として取り出すことができる、ということになるのです。

したがって、トルコ語には/c/と/j/という明確に異なる2つの子音がある、と言えることになるのですが、ここで気になるのは両者の実際の発音です。

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