見出し画像

【アンカラ滞在記】何を持って行くか・帰るか:こちとら、遊びで買い物してんじゃねえんだよォ!案件

5年住んだトルコ、アンカラ。その間、日本やトルコ国外にはかなり行き来をしたのですが、一時帰国というのはそれはそれは一大イベントでした。なんせ、行き(トルコ→日本)は日本に持って帰るべきものを厳選しないといけないし、帰りはより重要で、何をトルコに持って帰るかで、それはそれはもう真剣に考え抜きました。トルコ語の研究よりも考え抜いた気がしますよね。

トルコから日本に帰るときは、日本に持って帰る本をどれにしようかということが最大の悩みでした。

もともと、10年20年とトルコに滞在しようと思って渡航したわけではなかったのです。もちろん、何年いたら日本に本帰国する、ということを渡航前から決めていたわけではなかったのですが、まずは最低でも3年は粘ってみようとは思っていました。その後どうするかは、その時に改めて考えよう、と。

いつかは自分は日本に帰る身だから、というのは自分の精神状態を保つためにも大事なことだったように思います。これがあることで、滞在中に経験したいやなこと、ストレスフルだったことを回避できた部分も大きかった。

まあいいや、どうせオレはいつかは日本に本帰国する身なんだから、と。

解決方法にはなっていないのですが、とにかく気が滅入る瞬間をできるだけ減らすということには意味があっただろうとは思います。

それはさておき。そんなわけで、特に3年目くらいからだったでしょうか。トルコで購入した本、またはトルコ滞在中にアゼルバイジャンに渡航したときに入手した本を中心に持って帰るようにしていました。

和書、英語で書かれた本は滞在当時に研究を少しでもやろうとしていた身からすれば、自分が本帰国するギリギリのタイミングまで、いつでも手に取れる状態にしておかないといけなかったのです。

そのため、結局最後の1年という段階になって、あの手この手で日本に自分の自宅にあった本を持って帰るペースが上がるという結果にはなりましたが。そんなわけでトップの写真は、一時帰国前に日本に持って帰る本を選んでスーツケースに詰め込もうとしていたら、「オレも連れて行かんかい」とばかりにスペースにすぽっと入ってしまった当時の弊オフィス社長でございます。(かわいいですね…!)

一方、日本に一時帰国したときはこれはこれで重要な問題をかかえていました。まず、毎年日本に一時帰国したら何が気になるって、自分が日本にいない間に公刊された和書です。

どんな語学書が出ているのか、トルコ語で誰か何かいいものを書いて出版したのではないか、日本語文法・日本語教育関係のほうはどうか、等々。それはしかし、一方でトルコに持って帰るべき本なのかどうかも考えなければいけませんでした。

上に述べたように、なんせこちらは、いつかは日本に帰ってくることが既定路線の身なのです。トルコにもっていっても、いずれは持って帰らないといけないんだから、と。そのあたりのことを考えに考えて、よし今年はこのX冊は持っていくか、と。

持って帰るのは本だけではありません。ある意味では本より大事なもの。そう!食料品です!!

トルコにいたときに、日本で簡単に手に入るがトルコでは手に入らないものとしてとにかく欲しいと思っていたのは、インスタント麺。特に個人的にはカップ焼きそば…あの禁断の味が、ある時無性に食べたくなってどうしようもないときというのがしょっちゅうありました。

その他、みりん(みりんはお米を炊くときにちょっと入れると、格段に日本で炊くお米に近くなるからオススメ、と在留邦人の方に教えていただいたのでした)、ふりかけ、海苔、あとはカレールー、缶詰(特に魚系)あたり。

お菓子も、健康管理のことを考えればあまり買わないほうがよかったでしょう(し、トルコはチョコレート等々のお菓子は豊富に売ってますからその辺は日本で欲しいとは思わなかった)が、柿の種(特にわさび味!!)は好んで持って帰っていました。

かような次第でしたから、日本に一時帰国していた時のスーパーマーケットに立ち寄るときの、私の気合は並々ならぬものがあったはずです。こちとら、アンカラに戻ってからのQOLがかかっとんねん、と。持って帰れるもんにも限界があるねん、と。

取捨選択を迫られる中での、楽しくも真剣な貴重な買い出しの時間でした。だから、日本にしばらく帰ってない時期に日本からお客さんが来るよ、となったときは、それはそれは目を輝かせたものですよね。

社交辞令半分であちらから「日本から何か必要なものがあったら…」という文言がメールにかかれていようものならもう。
「えっえっマジかよちょっと待って考える時間をください真剣にリクエストするんで!!」となっていたことでした。

トルコ「帰国」前に日本で買いためた食料品のなんやかんや。
持って帰りすればこっちのもの。あとは、消費期限との闘いでしたね!

ただまあ、遊びに来てくださる、あるいは訪問してくださったみなさんいずれも大変親切で、リクエストしたら本当に持ってきてくださいまして、ああ持つべきものは日本在住の同胞たちだな~とつくづく感激したことでした。

今日、お昼は軽めの五穀米のごはんとサバの缶詰だったのですが、ふと「サバ缶といえばさ~」、と家族と話をしていて、ふとトルコに拠点を構えていた頃の食事の話をしたところでした。

日本にいるとすっかり当たり前に手に入るからそれほどありがたみを感じにくいものが、当時はほんとうに貴重に感じたんだよね~、という話。

今回の話はひょっとしたらnoteでも以前一度書いたことがあるかもしれませんが、書いた本人が忘れているくらいですからきっとみなさんも忘れてるエピソードだろうと思って、改めて今日書いてみた次第です。そういえば、アンカラ滞在記も早々に一通り書きおろす必要があるんですけどね…

記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。Çox təşəkkür edirəm! よろしければ、ぜひサポートお願いいたします!いただいたぶんは、記事更新、また取材・調査のための活動資金に充てさせていただきます。