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HSP認知ひとつの視点

おはようございます。久々の長文記事です。

日本におけるHSP認知と現状について僕の視点からまとめます。HSPという言葉が先歩きし、返って混乱するケースが多く見られます。HSP情報の捉え方がスッキリする機会になれば幸いです。

🔸HSP概要

・1996年アメリカの心理学者エレイン・アーロンさんによって提唱された気質的概念(診断名ではない)

・「環境感受性理論」で研究中

・良くも悪くも環境の影響を受けやすい感受性傾向が高い人を、便宜上"HSP"とラベルするニュートラルな名称

・心理統計を行って再現性が確認された正式なチェックリストは、アーロン博士HPの27項目尺度と、マイケルプルース博士の感受性尺度

・感受性尺度とは、美的感受性、易興奮性、低感覚閾の3つ

・「神経処理が深い」が(感覚処理)感受性の根本だが、それを正確に測るチェック項目は未だ無し

・感情論や生きづらさを表すものではなく、脳神経の動きについて遺伝と環境の相互作用の観点から捉えた一つの視点

・健常群が研究対象であり、臨床群(病院やクリニックにいらっしゃる方)は研究対象ではない

🔸HSPを正しく認知するためのヒント

・日本では2020年6月頃より番組や本から認知が広がる

・タイプ別に分けられる傾向(HSS型、内向型、HSEなど)→類型論に近いが、現在の心理学上で定義される性格特性・パーソナリティ論に当てはめることはできない

・心理学者、研究者などが出す論文(公にされているもの)の情報に触れるハードルが高く、エビデンスベースの視点が抜けやすい

・日本のSNSで発信されるHSP情報のほぼ全ては"主観的情報"で、自分の特徴や傾向に気づく一つのきっかけにすぎない

・「HSPは〇〇」「HSPあるある」は、発信者の主観であって一般論ではない(人によるということ)

・感受性の違いに気づき、傾向を知る一つの視点

・条件によって感受性の出方が変わる(自分はどうなの?を知る)

・まだまだ曖昧で発展途上である

🔸HSP関連のリンク紹介


・セルフテスト(アーロン博士HP)
http://hspjk.life.coocan.jp/Self-Test.html


・マイケルプルース博士の感受性テストページ
https://sensitivityresearch.com/self-tests/
(英語表記なのでGoogle翻訳などご活用ください)


・HSP提唱の経緯とアップデート情報
敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術 (フェニックスシリーズ)
https://amzn.asia/d/cUppjmt


・環境感受性とは?
https://www.japansensitivityresearch.com/


・HSPを科学的根拠からまとめられた本
HSPの心理学: 科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」
https://amzn.asia/d/h7oV4fm


🔸宇賀神個人の観点


箇条書きでまとめたので、表現が堅苦しいかもしれませんがご了承ください。

HSP概念は、本来自分の特性や特徴の一つの視点です。具体的な枠を示すものではなく、傾向を知るためのものとして活用させていただいています。

僕自身初めてHSPという言葉に出会って、腑に落ちたことが多かったです。が、その当時僕は「男性が敏感であるのは恥ずかしい」と思っていて、スッと受け入れられませんでした。

今思うのは、感受性の高さや敏感性は、身体的な反応だけではなく、その時いる環境や慣習・文化と後天的に身につけた生存戦略、愛着形成や発達性トラウマなど、さまざまな影響を受けて出てきます。

クリニックにてHSPを入口に今の症状を改善したくていらっしゃる方々1300名以上と対話してきました。(2021年1月〜2023年7月現在)

HSP情報が広がって、本来は関連のない医療現場にて問い合わせが激増しています。(HSPは診断名ではなく気質の一つの視点でしかない。医療業界は世界共通の診断マニュアルに沿って診断するのがメイン。そもそも視点が全く違うのです)

今でも一定数HSP外来にいらっしゃる方々がいるのは、「HSPを知ってそれかもと思ったけど、結局自分はどうしたらいいの?」と困り果てているからです。

今広がる情報では、個人に合った対処まではフォローされていません。見た情報に当てはまっていれば安心できるけど、当てはまっていなかったらより不安になって混乱する。

HSPで困って病院やネット上で相談しているのに、具体的な対処策を提示できる人がいない(そもそも仕組みがない)というのが現状です。


個人個人がHSP認知をするだけではこうした動きは無くなりません。

なので微力ですが僕は「チーム」と「横の繋がり」を基盤としてHSP概念を活用する。一人ひとりに合った対処と今の世界を心地よく過ごすための具体的道筋を見つける機会を作り続けています。

少しずつですが、同じ視点を持つ方々との関わりが広がってきていてとても嬉しいです。

これからも横のつながりを広げながら、僕が抱く視点を社会へ示していきます。

最後までお読みくださりありがとうございました。

宇賀神

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