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灰色の、
「灰色のゴミ、て凄いんだぜ。
いろんな色が混じってそう見えてんだ。
それって、
まるで俺らの心みたいじゃんか。」
あいつが言う。
生まれた時は緋色の心臓も
生きるに連れて黒ずんで行く。
それを
_汚い。と思うか、
_綺麗。と思うか、
それとも
_汚いけど、綺麗。と思うか、
_綺麗だけど、汚い。と思うか、
そんなのはっきり決められるほど俺らは
分断されていないんじゃないかと思う。
心も、体も、
色も、世界も。
それに気づいた日の空は
やっぱりいつもと同じ色なんだけど
色んな想いが混じった分
何だか、とても、灰色だった。
「それが、生きてる、てことだろ、
たぶん。」
そう言うあいつの背中の向こうには
真っ赤な夕焼け
なんか、広がってなかったけど、
広がってなかったのに、
なんか、すげえ綺麗だった
なんか、すげえ綺麗だったよ、
灰色の、空は。
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