後悔する生き方を選んでしまった人に伝えたい話

私は以前、知り合いから「子どもなんて産まなければよかった」と言われたことがある。悲しくなった。自分の母親に言われても、おそらく何とも思わないが、人から聞くととても悲しくなる。
その人は、出産云々より夫選びに失敗したタイプだと思うが。

そして、その人から「あなたは後悔してることはあるか」と聞かれた。自分に話が振られると思っていなくて、もっと勉強すれば良かったかなぁと、何とも冴えない返事をした。今そのことに後悔している。

空想力が自慢の私はやはり空想で解決する。
もし、自分が変えたい分岐点まで戻ったとする。そして、過去とは違う決断をしたとする。
例えば、私は勉強をすれば良かったと思っているのだから、小学生に戻ったとしよう。そして、勉強をする。果たして、私は本当に勉強するだろうか。絵本を読まずに、空想をせずに、テレビを見ずに、兄弟の作る工作を眺めずに、勉強できるだろうか。
例え過去に戻ったとしても、そこにいるのは所詮自分なのだ。

もっと人生が変わりそうな分岐点に変えよう。
例えば、高校生の時。大学進学を目指して、受験に合格できたとしよう。学歴が変われば就職先も変わるだろう。でも、それ以外何が変わるだろう。
大卒になっても、今より多少いい企業に勤めても、多少いい給料をもらっても、そこにいるのは自分だ。毎日残業しないための工夫に精を尽くし、さっさと家に帰り、自分の好きなことに没頭する。

どんな分岐点でどんなパラレルワールドに行ったとしても、自分が自分である以上、大差ない人生を送るのではないか。むしろ、その時に真剣に考えて選んだ今の決断が一番いいのではないかと思う。
自信を持って言うが、私は好きな勉強なら何時間でもできるが、興味ない科目はとことん手を抜く。たとえ大卒になれても、決して高学歴にはなれないだろう。給料だって今の倍にはならないだろう。東大からの官僚コースは、自分は絶対に歩めない人生だ。
ならば、若い時代に色んな仕事や経験を楽しく積めた今の人生の方がいい。どんなパラレルワールドにいる自分より、今の自分の方が幸せだと思う。

結婚する人は今の配偶者と結婚しなかったとしても、やはり誰かと結婚したのではないかと思う。人の好みなど簡単には変わらない。やはり今の配偶者と似たような人を選ぶのではないか。
失恋で大きな傷を作った人は、その傷を回避できても、他の恋愛で大きく傷つくのではないか。メンタルはそんなに簡単に強くはならない。傷つく機会は恋愛以外にいくらだってある。
後悔する人は、どんな人生を送っても後悔するのではないか。

人が後悔する時というのは「失敗から何も学べなかった」からだと、私は思う。
きちんとその出来事に、過去の自分も今の自分も向き合えなかった。だから後悔するのだと思う。失敗を糧にできなかった、ということだ。
ユニコーンガンダムのフルフロンタルは「過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ」と言っていた。その通りだと私も思う。なぜ大人の特権なのかはわからないが。

身も蓋もない言い方にはなるが、後悔する人は別の世界の自分も後悔していると、私は思うのだ。
どうせ後悔するのなら、今の人生でお付き合いしてきた後悔と、これからも付き合っていくのがいいのではないか。せっかく別の世界に行って、新たな後悔を抱えるのもつまらない。
今の後悔としっかり向き合って、どう効果的に人生を豊かにする糧にできるかに軸足を置いた方がいい。
どうせ一度しかない人生なのだから。

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