人を責める時のマナーの話

つい最近、SNSで某アイドルが炎上した。
「旦那様〜」のアレだ。その発言の是非は置いておくとして、炎上事件が起こるたびに目にするコメントがものすごく気になる。

「何が悪いかわかってなさそう」これがものすごく気になって仕方ないのだ。
あなたはわかってるの?ロジカルにフルセンテンスで説明してみて、と言いたくなるのだ。この件に限らず何かが話題になると、たくさんの人が思い思いのコメントを残す。
どこがアウトかの判定も人によって違う。だが「何が悪いかわかってなさそう」はこちらの判断は何も明示せずに、一方的に相手を責めている。
これは公平な態度とは言えないだろう。

今回のSNSの炎上の場合、対応は迅速な謝罪か黙殺かのどちらかになる。
黙殺した例で言えば、某女優と元芸人に絡む炎上騒動では、名指しされた芸人とアイドルはコメントを出していない(はずだ)。セクシー田中さんの件では、コメントを出さなかったことで脚本家協会が相当なバッシングを受けていた。
謝罪を出すなら迅速に謝罪文を出して火消しにかかるのが鉄則だろう。某アイドルは炎上の2日後には謝罪文を出している。

「何が悪いかわかってなさそう」
そりゃそうだ、としか言いようがない。
わかってないから炎上したのだ。彼の身近にSNSの使い方や言葉や話題選びを指導してくれる人がいるのなら、そもそもこんな炎上事件は起きない。
たった2日で問題を整理し、彼に伝え理解させられる人物が彼のそばにいるのなら、そもそも炎上などしないのだから。

「何が悪いかわかってなさそう」に対して、仮に彼が「いいえ、わかっています、〇〇が悪かったです」と言ったところで、違うと言ってしまえば違うことになってしまうのだ。
人を責める時、あるいは謝罪を求める時、問題点をはっきり明確にするのは、責める側のマナーではないかと思う。そこを曖昧にしたままだと、永遠に相手を責められる無限の権利を手に入れる。
それは大人としての正しい振る舞い方なのだろうか。
仕事やしつけの場合は、部下や子どもに対して考えることを促す必要はある。だが、それは指導であり、しつけのためだ。このケースとは違う。

今回の炎上事件の場合、出産という非常に繊細な話題がきっかけになっている。
はっきり言って、謝罪のコメントなど、火消ししたいから仕方なく出しているだけだ。炎上の拡大再生産をしない曖昧な謝罪をだし、謝りましたからねというポーズを作る。
むしろ、ピンポイントで具体的に謝罪する方が「そこじゃない」と再炎上する。だから曖昧に謝罪をするのだ。

ビッグモーターの件は、刑事事件や民事訴訟に繋がりそうだった。法人だった。顧問弁護士もいただろうし、時間もあった。
なのにあの釈明会見だ。あまりにもお粗末すぎて笑うしかなかった。法人は某アイドルとは違い、社会的責任がある。炎上しない方がおかしい。
「ゴルフを愛する人への冒涜ですよ」という迷言が生まれたが、兼重氏はおそらく本当に何が悪いか永遠に理解できないタイプの人だろう。

SNSだけでなく、誰かの非を鳴らしたくなる時はある。そんな時に、自分はどこにどんな問題を感じたのか、しっかり考えなければならないと思う。
できれば「自分が傷ついたから」「嫌な気持ちになったから」というお気持ち表明ではなく、ロジカルに。
それが、責める側のマナーだと、私は思う。

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