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『マイ・プレシャス・リスト』冬のNYと主演ベル・バウリーを堪能。コミュ障女子じゃない。 公開中

原題:CARRIE PILBY ★★★☆☆3.8

IQ185、14歳で飛び級してハーバードに入ったロンドン出身のキャリーが、もう一度、人生に立ち戻るため“やることリスト”に挑みます。

大学を卒業して以来、NYのマンハッタンで引きこもりの一人暮らしをする孤独な彼女は、父の友人である精神科医とのセラピーだけが日課。母を12歳で亡くし、父からは捨てられたと感じていました。

飛び級で入学した大学でも孤独を感じ、深く傷ついておりました。

要は、この子はギフテッドであり、

そこにさまざまな喪失体験が加わって引きこもってしまったわけで。


「コミュ力ゼロ」や「コミュ障」と言ってしまうのはやや行き過ぎというのか、短絡的というのか、若干のミスリードは否めません。

そんな彼女がセラピーで課せられたリストとは、

□ペットを飼う

□チェリーソーダを飲む(子どものころに好きだったことをする)

□デートに出かける

□友達を作る

□一番お気に入りの本を読む

□誰かと大晦日を過ごす

といった具合。

マンハッタン、キャリー…とくれば某ドラマを思い出しますが、本作のキャリーはファストファッションばかりで、それがまた似合っていて可愛いのです。

その立ち直り方もまで、可愛い映画。主演のベル・バウリーも可愛い。『ロイヤルナイト 英国王女の秘密の外出』のマーガレット王女役で知られますが、今年はエル・ファニングの『メアリーの総て』もあります。

くしくも、昨今流行の(?)サリンジャーが鍵に

建前や偽善が苦手な彼女は、仕事を見つけたり、リストをチェックしていったりするうちに自身にも奥行きが生まれはじめ、人間の奥深さ、表面からは決して見えてこない部分に気づいていきます。

印象的だったのは、キャリーの仕事仲間であるタラ(ヴァネッサ・ベイヤー)のセリフですね! そうそう、そんなこと言ってても、実際、誰もそうじゃないじゃん! それができてたら苦労しないんだよ! っていう。

名優ガブリエル・バーンが演じるキャリーの父も自らの過ちに気づき、娘のために奮起するところなどは爽快。

ラストシーンも素敵で、思わず、つま先が浮きました!

彼女を取り囲む男子として、大学時代の教授には「ワンス・アポン・ア・タイム」フック船長のコリン・オドナヒュー、民族楽器を奏でる隣人サイには「The Royals ザ・ロイヤルズ」や、『ナルニア国物語』の長兄だったウィリアム・モーズリー、デート相手となるマットには「GIRLS/ガールズ」スコット役やローラ・ダーン「The Tale」の ジェイソン・リッターと、気になる人ばかり。

ところで、マットみたいな男性っていますよね!? 日本で演じるなら田中圭だと思う。



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