『マリッジ・ストーリー』離婚を通して「結婚」を問う…スカヨハ×アダム・ドライバーが史上最高 Netflixにて12/6より配信

Netflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』画像のコピー

原題:Marriage Story ★★★★★

『イカとクジラ』『フランシス・ハ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』など、辛辣でもユーモアと温かさにあふれた作風で日本でも好きな人が多いだろうノア・バームバックの最新作。

『アベンジャーズ』のブラック・ウィドウとしてお馴染みのスカーレット・ヨハンソンと『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』も控えるカイロ・レン役のアダム・ドライバーがタッグ。

結婚生活が破綻したNYの夫婦を演じます。

スカヨハは、かつて青春映画でブレイクし、夫と出会ってからは彼の劇団の看板女優として舞台で活躍するようになる妻ニコール

アダムは過去のバームバックの分身のような、NYの新進気鋭の舞台演出家チャーリーを演じています。

上のポスタービジュアルが、この2人の対比を象徴しています。

離婚を決めたニコールはTVドラマ(SF、今ありがちな設定!)に出演するため、一人息子を連れて、実家のあるLAへ。母親や姉もショウビズ界で活躍する芸能一家。

一方、チャーリーはインディアナ州から若いときに出てきて以来、今やすっかりニューヨーカー。

その根本的な基盤が、違っていることを象徴するビジュアルです。


Netflix配信のオリジナル映画ですが、今年の東京国際映画祭ではマーティン・スコセッシの『アイリッシュマン』、アリシア・ヴィキャンデルの『アースクエイクバード』と、本作『マリッジ・ストーリー』は、去年の『ROMA/ローマ』のようにスクリーンで目にすることのできる貴重な機会となりました。

『アイリッシュマン』はキャパも大きくなく、チケットは最初からあきらめていたのですが、この『マリッジ・ストーリー』は絶対に見たかった1本(『アースクエイクバード』も見ました)。

その期待を裏切らず、

辛さもユーモアもひっくるめて、今年見た中で10本の指に入るお気に入りとなり、今までのバームバック監督作品の中でも一番好きな作品で、今まで製作されたNetflix映画の中でもナンバー1

今出せる、最高のスカヨハとアダムがここにあると思います。

アカデミー賞Wノミネートされるでしょう、されてほしい!

弁護士役のローラ・ダーンが「ビッグ・リトル・ライズ」の仕事中Ver.のようにハマっており、脇を固める俳優陣も最高です。


まずは、上の映像のようにお互いの長所を言い合う、微笑ましい可愛い夫婦と家族が映し出され、あっという間に彼らを好きになるものの、

この映画は終始、離婚の話。ひたすらそこに向かっていくストーリー。

私たちは大好きな2人が、別々の道を歩き始める姿を泣き笑いしながら見守ることに…。


夫婦はお互いの欠点を補い合うとかいいますが、そう簡単ではありません、期待をしては裏切られ、惰性と妥協の連続です。

しかし、それすらも耐えられなくなったとき、

かつては確かに愛したはずなのに、思いは形を変えてしまうのです。

さらに生活…、子どもとの関係も含めて生活そのものが一変してしまうのです。


顔を真っ赤にして、罵り合い、あることないこと、他人には些細と思われるようなことも、思い出す端から次々と口をついて出る

そんな夫婦の壮絶な言い合いを、結婚の終焉を見せられるのです。

スカヨハとアダムは全編にわたり素晴らしいのですが、このシーンの2人は、本当にすばらしかった。


しかも、時に見守ることさえ息苦しいほどの地獄絵図なのに、軽妙なユーモアや粋な計らいがしっかりと収められ、笑いで満たされる瞬間も多くて、ノア・バームバッグらしいなと。


劇場でかけたら、けっこう入ると思いますよ。口コミでも広がるだろうし。そうすれば、また観に行きますし、

配信されたら、腰を据えて見ます。


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