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ぼくのBL 第七回

 定期的に説明をしておきますが、ここでいう「BL」はBook LifeもしくはBook Loverの略でして、あちらのBLではないのでご了承を(あちらの小説も嫌いではないので機会を改めて)。

 さて、今日は仕事帰りに4冊の収穫でした。


 まずは『女には向かない職業』P・D・ジェイムズ。未読ながらこれでたぶん3冊目。今回はトールサイズだぞー! いや、今年で生誕半世紀を迎えてしまう事実に愕然としながら、「読もうと思って読めなかった本が多すぎて死んでも死にきれない」って状況になりつつあるので、憂いを残さないためにも、ずっと気になっていた本は読もう! そんな作品がいっぱいあるじゃないか! ということで、次回のテーマは決まりました。「死ぬまでに読みたくて積んでる本」ね。

 次はケッチャムの『オフシーズン』。以前にね、『隣の家の少女』を読んだんですよ、ええ、キングの推薦とかあってね、一種の恋愛小説だなんて評も読んだこともあって。そう、やっぱりね、ヤバかったですよ。自分が共犯者になってその現場に居合わせてるのに、手も出せない、声もかけられないって状況でページをめくるしかできない地獄。嫌ならやめればいいのに、それでも指の隙間から覗き見たくなる好奇心に背中を押されて最後まで読んでしまった。罪悪感と同時に、ある意味で魂が救済されたような気分になる最悪で最上の犯罪小説でした。
 そのケッチャムが食人族と人間のバトルを描いた作品というからには読まなくちゃなるまい、ってもんです。

 次は澤村伊智の『恐怖小説キリカ』。冒頭を立ち読みしたら、あっという間に引き込まれました。著者自身を思わせる人物が登場するメタ構造のお話っぽくて、冒頭が日本ホラー小説大賞の当落を知らせる電話を待っているシーン。こういう内輪ネタぎりぎりのメタ構造って好きなんですよね。筒井康隆の『大いなる助走』とか京極夏彦の『虚実妖怪百物語』とか竹本健治の『ウロボロスの偽書』とかね。

 そしてシャーリイ・ジャクスンの『ずっとお城で暮らしてる』。ずっと前から気になってたんですよ、いろんな作家がお勧めしてたしね。
 で、手に取って解説を見たら、なんと桜庭一樹。つい先日Twitterのトレンドに『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が上がってたので、ずっと気になってた『GOTHIC』を読んだわけです。つい数日前のことだったので驚いた。解説を読んでまたビックリ。冒頭を引用させていただきます。

『つい先日、MYSCONというミステリ系ファンイベントから講演依頼があり、東京創元社の編集F嬢とともにいそいそと出かけた』

 このイベント、参加してたんですよ!(机をバンバンと叩く)
 MYSCONに関してはまた別の機会で語ることもあると思うので今回は割愛。
 この時のイベントは、『赤朽葉家の伝説』が出たばかりの桜庭一樹と、『チーム・バチスタの栄光』でこのミステリーがすごい大賞を受賞したばかりの海堂尊がゲストとして招聘されていて、トークショーとその後のサイン会があったんだよなあ(調べたら2006年のことだったらしい)。

 そんなこんなで、いろんな思惑を胸に抱きつつ仕事帰りの社畜はつかの間の快楽に溺れるのでありました。

 ごめんなさいね、仕事で疲れて帰宅しておいしい夕食をいただきながら御酒を注ぎ込んでしまうと、読書? なにそれ美味しいの? 腹の皮がつっぱれば目の皮たるむ、ってな具合になってしまうのでごめんなさいね、せっかく買ったご本なのに扉を開くのはまた今度ね、って気分になってしまう。
 酒だ! 酒がいけないんだ! と思いつつ、バッカスの力を借りないと仕事の憂さを晴らせない現状を嘆くのでした。
 まあ、これだけ本のことを書き散らすだけでもだいぶストレスは発散できてるんですけどね!

 それじゃ、また明日!
(忘れないうちに今後の企画を備忘録として書き残しておきます。『落語とミステリ』『ブックデザイン』『本の作り方』)

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