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珈琲を好きになるまでの話。

私は喫茶店にほとんど行ったことがなかった。
大学生になってから、Wi-Fiとコンセントがあるカフェを探し回った記憶はあるが、美味しい珈琲を探し回った記憶は全くと言っていいほどない。

いつからなのだろう、珈琲について考えるようになったのは。

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記憶を遡ること10年前、、、
珈琲にまつわる一番古い記憶は、高校三年生。
大学受験の勉強にのめり込んでいた7ヶ月間のこと。バレーボール部を引退してから、予備校に入り浸った。朝から晩まで勉強をするなんて慣れていないから、どうしてもお昼ご飯の後眠くなってしまう。

そこで、ある日、缶コーヒーをお昼ごはんの後に飲んで15分間寝て、それから勉強を始めた。すると、その日は午後も眠くならずすごい集中力で勉強ができた。
実際のところ、眠気覚ましにどれだけ効果があったか因果関係はわからないけど、思い込みの力とはすごいもので、お昼に珈琲を飲んだ日の午後は、お目目ぱっちり頭は冴え冴えなのだ。こうして、「お昼ごはん直後の缶コーヒー一気飲み」は習慣になっていった
缶コーヒーがリュックに入っていないと不安になってしまうくらいには、コーヒーの信者になっていた。

そしてついに訪れた一月のセンター試験本番。
もちろん「お昼ごはん直後の缶コーヒー一気飲み」を実施。持参した缶コーヒーを神に見立てて祈るように飲んで、体内にカフェインをグイッと取り込んでから15分間眠った。

あの頃、200日にわたって毎日のように缶コーヒーを飲んだけど、珈琲そのものというよりはカフェインを求めていたので、珈琲が好きなわけではなかった。

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そんな私が珈琲を好きになったのは、いつからだろう。
考えてみてもやっぱりわからないのだけど、気づけば、珈琲は私のそばにいた。
コンビニの100円コーヒーをドライブのお供に、
インスタントコーヒーをデスクワークのお供に、
喫茶店でのコーヒーを恋人とのデートのお供に、
ハンドドリップの一杯を朝の時間のお供に。

珈琲を一杯飲むとホッと安心して、落ち着ける。
珈琲が私のお守りのような存在に変化していった10年間だったみたい。
これからもっと好きになりたい、大切にしていきたいと思う。
好きを大切に育てていくと、自分のことをも大切にできるような気がするから。

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