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プロキシ―ファイト(委任状争奪戦)に注目:株主総会シーズンの楽しみ方

株主総会のシーズンに突入しました。

さて、そのシーズンの最高の楽しみ方があります。

まずは株主総会の情報、報道に注目してみましょう。

株主総会は基本的にあらかじめ発表された決算発表をもとに必要な議決を行う場(決算説明も含めて)です。

なので、株主の前でどういうメッセージを伝えるのか?

が注目されるポイントですね。

トヨタ自動車はすでに株主総会を終えました。

かんぽ生命は、お詫びメインでしたね。

そして、もう一つはプロキシ―ファイト(委任状争奪戦)に注目です。今年もいくつかプロキシ―ファイトがあるようですね。

 東証2部上場のケミプロ化成は20日、筆頭株主のケアシステムズ(東京都足立区)が提案した取締役会選任の議案について、反対の意見を表明することを同日開催した取締役会で決議したと発表した。ケアシステムズ案では任期を迎える取締役、監査役の全11人のうち、兼俊寿志社長と、社外取締役の江間清二氏、柳雅二氏の3人を再任させず、別の3人を新任取締役に選ぶ。6月26日に開催する定時株主総会に向けて取締役選任の議案を巡り、現経営陣と筆頭株主の間で委任状争奪戦(プロキシーファイト)に発展する可能性も出てきた。(写真はケミプロ化成が入居するビルの看板)


21日の東京株式市場では、紫外線吸収剤で大手のケミプロ化成(4960、東証2部)が急伸。終値は前日比32円(15.24%)高の242円だった。一時は248円まで上昇した。前日大引け後に、6月の定時株主総会に向けて筆頭株主が提案した取締役人事案に対して、会社側が反対意見を表明すると発表した。筆頭株主が提案したのは、現社長の兼俊寿志氏を再任させない案だったことなどから、株主総会に向けて委任状争奪戦(プロキシーファイト)になる可能性もあるなどの見方から、思惑的な買いが入ったとようだ。

大株主であったとしても自分の提案を会社側に受け入れてもらうことは容易ではありません。そこで、議決権行使にかかる他の株主の委任状を、会社の経営陣あるいは別の立場の株主と争奪する多数派工作をします。これが委任状争奪戦、いわゆるプロキシ―ファイト(Proxy Fight)です。

この状況下でどうなるかといえば、株価が短期的には上昇しやすくなります。

なぜ株価が上がるの?ということはこちらを見てもらえれば。

一般に委任状争奪戦が始まると、対立する両陣営が株式の買い集めに走るとの思惑も出やすく、株価が上昇しやすい傾向があるとされている。このほか委任状を多く集めるために、大幅な増配計画などより株主に短期的に魅力的な提案が出てくるのではないか、といった思惑も浮上しやすい。同社の業績は足元で増収基調とはいえ、株価は低位で推移している。このため短期の値幅取りと割り切った、個人などの資金も流入しやすいとの指摘も出ていた。

プロキシ―ファイトはこちらでも勃発するようですね。コロワイドによる大戸屋ホールディングスに対する敵対的買収、です。

 コロナ禍のなか、定食チェーン「大戸屋ごはん処」などを展開する大戸屋ホールディングス(窪田健一社長)への敵対的買収劇が始まった。6月25日に開催される同社の株主総会に向け、筆頭株主で居酒屋「甘太郎」、焼肉店「牛角」などを運営するコロワイド(蔵人金男会長)が取締役候補12人を選任する株主提案を公表した。

こちらは大戸屋の決算短信データです。今期は当期純損失で売り上げも昨年度比よりも減少しています。特に営業損失も計上していることからかなり苦境であることがうかがえます。

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こちらコロワイドの決算短信データです。

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コロワイドも今期赤字です。

2020年3月期は当期純損失6,798百万円を決して余裕のある状況ではないと思われます。敵対的買収に発展する可能性もありますが・・・。買収にも資金が必要かと思うのですが、資金を調達させてくれる銀行はあるのでしょうか?いずれに同じ外食産業同士での対立から目が離せません。

決算発表は次々行われますし、今は報道がコロナ一色というところもありますから注意して情報を集めていないと抜け落ちてしまいますね。

自分の興味のある企業の決算発表を見てみるだけでなく、プロキシ―ファイトがどこで起きているのか?そしてどういう結末を迎えるのか?

こうしたニュースに注目ですね。





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