企業分析をする上での最低限の簿記知識は?:最初の簿記一巡の取引までマスターしよう

「企業分析をする上で最低限の簿記の知識はどれぐらいか?」

これ、なかなか難しい問いです。

というのも簿記の知識、スキルはあればあるほどよいからです。

正直、私は簿記自体はそんなに得意ではないです。

仕組みは知っていますが、たとえば、簿記、会計士試験の連結の問題を出されてても時間内に解けないと思います(答えをみれば全部仕組みは分かりますが)。

試験問題で出される問題は、総合的な簿記力を問うてますが、それが出来たからと言って企業分析が出来るようになりません。

簿記力が高くなったら良いことあるの?

と言われそうですが、簿記力がそんなに高くないので実は分かりません笑

ですが、想像は出来ます。

まずは、簿記力が高い方が会計関連の処理能力は高いとは言えます。

財務諸表作成のプロセスが頭に入っているでしょうから、やはり簿記力が高い方が、全体の構造を掴む能力が高いでしょう。

会計士や税理士の方々とお話ししていると細かいことまで気が付く能力に秀でていることに気が付きます。

これもやはり簿記力の賜物と言えるでしょう。

実務を行う上で、データをみて違和感を感じることは大事です。

そのためには全体の構造を簿記力の向上を通じて掴んでおかないといけないでしょう。

私が、税理士試験の簿記論、財務諸表論は基礎部分であり、免除試験でクリアしない方が将来的な実務の伸びしろが高い、とお伝えしているのはそのためです(免除を否定しているわけないです)。

一定期間、簿記の思考に浸ることでしか体得し得ない領域があり、その能力が税理士、会計士になるために必要不可欠なスキルセットである、と思っています。

まずは範を垂れると考えると、私自身も簿記力を高めるトレーニングしないとな、と感じています。

とはいえ、そこまで必要ない、という人が多いでしょう。

特に、企業分析を行う上で手っ取り早く必要なことだけを覚えておきたい、という人も多いのではないでしょうか?

そんな人のために企業分析において必要な簿記の要素を考えてみたいと思います。

まず、企業分析を行う上で必要なのは、

貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)を読み取る力になります。

となると、

B/S,P/Lの構造は頭に入れておく必要があります。

そして、この二つの表が当期純利益、つまり儲けというもので繋がっていることを認識しておく必要があります。

ここで大事なのは、損益項目の整理、です。

この整理が理解できると、

当期純利益(儲け)が資本金に振り替えられていることが分かります。

ここを意識して取り組んでみましょう。

さらに、勘定科目に慣れておく必要があります。

たとえば、各項目の意味が分からないと読み取れる情報が極端に少なくなります。

費用、収益、資産、負債の各項目について区別がつくようにしておく必要があるでしょう。

現金預金、売掛金、商品、貸付金、建物、備品、土地、買掛金、借入金、受取手数料、広告宣伝費、支払家賃、支払地代、消耗品、消耗品費、支払保険料、支払家賃、雑費

など、どれが資産、負債、費用、収益の項目か?は仕分けられるようになっておく方がよいと思います。

目安とすると、簿記のテキストブックで、最初の簿記一巡の項目まで(簡易な試算表、財務諸表の作成まで)はやっておくと理解が速まるでしょう。

欲を言えばやはり簿記2級程度の知識と技能は持っておく方がベターだと思います。

というのも有価証券報告書の中には、簿記3級では触れないような科目、たとえば、金融商品やのれんなども出てきますし、そうした項目が出てきた場合に、「分からない」となってしまいます。

とはいえ、そこまで時間かけられない!というひとも多いのも事実。

最低限、簿記一巡の流れ、だけでもしっかりとマスターしておくと企業分析の理解度は変わってくると思いますよ。

時間に余裕が出来た時に日商簿記2級にチャレンジしてみてはどうでしょうか?




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