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財務会計を学ぶ上で必要な三つの要素:公を意識して会計処理の妥当性を問う

私の専門領域としている財務会計は、監査と同じく社会的な要素が強い学問である、と感じています。もう少し分かり易くいえば、「公」が意識される学問である、ということです。

「公」を意識するからこそ、財務会計の仕組みを通じて、組織・事業体の責任者はお金に関するアカウンタビリティ(説明責任)が求められるわけです。

財務会計を学ぶ上で必要な要素は三つあると思います。

一つ目は、各基準の会計処理だけでなく認識、測定対象である事象も理解することを意識すること。

二つ目は、会計処理を学ぶ際に、一つ目である測定対象のことも意識しながら、理解しようとすること。

この一つ目と二つ目のことを意識すれば、自然とその領域について詳しくなりあすね。その事象の本質に近づくことが出来るのではないかと思います。

問題集を通じての学習。いわゆる簿記の領域では答えがあります。また各事象についてはかなり簡略化されています。*たとえば、将来キャッシュフローの値や割引率が事前に設定されている場合がほとんどです。

ですが、資格試験に合格する、だけではなくその先まで見据えるのならば、その認識、測定を巡る問題についても理解するように努めることをお勧めします。それは三つ目の話しとも繋がります。

最後の三つ目は、社会との繋がりを意識して会計処理の妥当性について考えること、です。

無条件にこの処理はこうするんだ、と思う(暗記する)のではなく、個々の会計処理方法に疑問を持つ、問題点があるのではないか、と考えることが大事です。

というのも、各会計基準、処理において『完璧』『完成されている』というものはほとんどない、と思います。

一番動きが激しいのはリース会計ですね。

こちらでも取り上げられているリース業界ならびに会計のお話。

*このnoteを読めば、財務会計を学ぶことはその業界の実態を知ることに繋がる!ことが分かると思います。

リース会計は何度も改訂が重ねられている、もっとも基準改訂が多い基準です。

不確実で、実態が掴みにくい事象で重要性が高いと考えられる会計基準は改訂が重ねられています。

ですが、いつまで経っても完ぺきにはなりません。

そこには財務会計に一定の限界があることもまた認めざるを得ない。

だから、その限界部分を、注記であったり、内部統制、監査を通じてどのように補えばよいのか、を意識しておくことが必要です。

そして何をもって妥当と考えるか。

その際には、財務会計が、「公」(パブリック)な機能を持っていることを意識しながら、考えていく思考が大事だと思います。

その妥当性は、社会の変化に応じて求められる会計の役割期待によって変わっていきます。

だからこそ、社会、公に求められている機能を意識して考えることが必要である、と感じています。



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