国の思惑と逆行:社会保障・職場保障に頼る人の割合が増加
前回のnoteで紹介したのは、
社会保障政策として、自助を中心、つまり老後の資金は自分で確保してね!という政策が取られるようになってきたということです。
最近やたら聞きませんか?
地域包括ケアとか?
支えあいとか?
つまり、国の資金では到底足りないので、本当に困っている人だけが社会保障に頼ってね。
それ以外の人は自助で頑張ってね。
という姿勢ですね。
こちらの2019年度の調査結果がなかなか興味深いです。
この調査、どの質問項目も面白いのですが、「老後の生活資金を賄う手段」の項目に着目してみます。
興味深いのは、老後の生活資金を賄う手段として以前、社会保障・職場保障に頼る意識が強くなっている、ということ。
企業年金・退職金 1998年 37.0%⇒ 2019年41.9%
公的年金 82.0⇒86.7% 1998年 82.0%→2019年86.7%
逆に上がっている!
わけですね。
では企業年金・退職金(退職給付)の実施状況や給付額は?
というと・・・
以前も紹介した様に下がってます。
かつ、その給付水準も低下傾向。
退職一時金のみの企業、つまり退職金制度のみの企業も増えていて、
かつ、2008年から2018年の間に退職金制度のみの企業における給付水準は、2008年2,114万円→2018年1,344万円
と800万円も下がっています。
こちらでも分かるように公的年金の給付額も今後減少していきます。
つまり、公的(社会)保障・職場保障の給付額が小さくなっているにも関わらず、自助ではなくそこを頼りに老後設計を行う、という人が増えているわけです。
自助を中心にという方向性が示されているにも関わらず、国民の意識は逆の方向にシフトするのはなぜか?
そこに今の社会保障制度の問題点があるような気がします。
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