創薬バイオでのイノベーションの話。
Co-LABO MAKERさんの事例、バイオ創薬のジーンケア研究所さんの記事を書きました。
開発タームが長い、バイオ創薬の領域で分野を超えたコラボレーションで収益の柱を確保
ジーンケア研究所さん、もうなんというか色々と凄かった&未来の可能性しか感じなかった。語彙力が死んでるのはご愛嬌。
まず、メインで行っているのが「抗がん剤」。サラッと言われたけど、これまでの抗がん剤と比べて副作用がほとんどない、とのこと取材時は「本題じゃないしいいか」ってスルーしてたんですが。「副作用が”ない”」ってやばいですよね。
その抗癌剤はデオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の総称である核酸を利用して、がんの原因となる遺伝子のmRNAを分解するとのこと。mRNAってアレです、新型コロナワクチンでも耳にしたヤツです。
ジーンケア研究所の創業者、故古市泰宏先生はmRNAの「キャップ」という構造を発見した方、だそうです。この方も調べてたら、ノーベル医学・生理学賞候補だった……。
閑話休題。とはいえ、バイオ創薬の領域は開発期間が長く数十年に及ぶこともザラ。効きそうな物質の基礎研究から、フェーズⅠ(健康な人)Ⅱ(少数の患者さん)Ⅲ)(多数の患者さん)の臨床試験を経て……厚労省に承認申請を出し……と進みます。10年単位でかかることもあるそうです。
ゆえに経営の資本政策が非常に難しい。ジーンケアさんも補助金や助成制度申請出しても通らなかったりしたとか。社長さんは代替わりしてて、金融機関ご出身だそう。いくら優秀でも研究者が社長やるのは大変ですよね……。
あと、バイオベンチャーの東証の上場制限に関しても言及されていました。2000年代後半以降でいろんなバイオベンチャーが上場しては……ってなっていったの。個人投資家が色々とぶっ込んだせいですよね……。『週刊SPA!』で「これから儲かる10倍株はバイオベンチャー!!」って書いてた僕にも一端があるなぁと恥ずかしくなってしまった……。
で、ジーンケアさんはメインで開発している抗がん剤の開発が次のフェーズで移って。実験設備があいたときにCo-LABO MAKERに出会いラボの貸出を始めたそう。
細胞培養に用いるクリーンベンチが3台、細胞を一定の温度に保つインキュベーターも4台あり、今後のフェーズではそれぞれ1台ずつしか使わないそう。しかも、マイナス150℃で保管ができるフリーザーも。評価するためのがん細胞を扱う海外のセルバンクから購入したチューブ1本の細胞を、継代培養して数百本のチューブを保管しているとか。開発の過程で常に同じ品質のがん細胞での評価が可能とのこと。
そして、何より。事業上の収益も非常に安定したそうです。Co-LABO MAKERさんは、この手のいい話&三方良しで事業が上手く回り始めてる&結果のイノベーションがガンガン進んでるという、本当教科書通りのイノベーション権化みたいな事例がわんさか出てくるので、取材しててまじで楽しいし、面白い。
余談:
・湘南モノレール初めて乗った。結構、設計古い感じなのでゴトゴト揺れるけど、それがまた味わい深くて良い。駅舎もめっちゃ昭和レトロ。
・車両は三菱重工業・三菱電機製、近くに研究所あるもんなぁと納得。
・大船には先冬にも三菱電機さんの取材でも訪れたけど、またフラフラと大船仲通商店街を散策。肉や魚屋、八百屋と充実してて良い。こうやって、知らない街を歩くのやっぱり楽しい。
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