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「街⑧ 人気の理由がわかる島」

「島3」


宮古島がとても良かったので、その後娘と石垣島にいった。
これも、コロナ直前の2020年2月。
2月でもずっと暖かいはずが、なぜかこの時地元の人も「信じられない」と
いうくらいの寒さと強風だった。
ただ、この時はレンタカーを借りたので、十分に堪能できた。

1日目

この時宿泊したのが、石垣島北部にある、小さなペンションのようなホテル。
到着するとすぐに、「実は・・・」と言って私たちが宿泊予定の部屋のカーテンが壊れてしまって、修理に時間がかかるという。
他の部屋もあるのだが、他の部屋は一階でオーシャンビューが少々遮られる。
カーテンは浴室のものなので、海しかないところから見えることはないと思うが、そこにぶら下げるシーツや布を貸してもらうことで、眺めの良い部屋を確保した。
その分ランチは無料にしていただいた。

石垣島北部は繁華街から離れていることを知らずに予約してしまったため、
夕食などにも少々不便さを感じたが、景色は絶景。石垣島最北端の景色は本当に
ここは日本なのだろうか、と思うくらいの水平線。
雲の合間から差し込む太陽の光は、まるで神の啓示のようにも見える。


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2日目

翌日は、近くにある「陶器のお店」に行った。カフェと陶器販売を一緒に行っている
「貴クラフ陶」。

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陶器を焼く女性の方が接客をしてくださり、早速陶器も買った。
どれもが素敵な色合いで、柔らかく、今でも食器を愛用している。

そしてカフェからの畑の先に見える一面の海。
この風景は今でも度々思い出す。


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「この風景を、四季折々で1日中眺めていられるなんて、なんて素敵なんでしょう」
と私がいうと、
「本当そうなんです。飽きません。」
と言われた。

いいなー。
やっぱり住まないとこれを毎日見ることはできない。
1年間だけでも住んでみるといいのだろうな、と旅先ではいつも思う。

たまたま行ったその季節のことしか知らないなんて、もったいないと思ってしまう。
四季折々、そして日々の天気次第で見える景色が違うはずだからだ。
これが、天然で、無料で見られるというのは、本当に自然の恵みに感謝すると思う。
都会にいると、そんなことを感じることは稀だが、自然に感謝する気持ちが、
地方だと自然に湧いてきそうなのが羨ましい。
(そのうち、住んでいるかもしれないが笑)

そして町の中心街へ。
そこは、お洒落な街並みで、「東京からの資本が入っている空気」を感じた。
若い人も、観光客もおそらく普段よりは少ないのだろうが、それでもすれ違う人たちは観光客だとわかるくらいはいる。

一軒のおしゃれなカフェに入り、しばしの間ボーッと過ごした。
その時の陶器も、石垣島の陶器だった。

翌日行く予定の「竹富島」行きの船着場も確認し、帰りにスーパーへと立ち寄った。

あるある。珍しい魚。珍しい刺身。(名前は忘れてしまったが)
物価は安い。
お弁当やお寿司は量も多く、五百円くらいで買える。
スーパーに立ち寄ると、その土地の食と物価がわかるから面白い。

ホテルでは、ジャグジー付きの大きなお風呂がついていたので、それを楽しみ、そして翌日に備えた。

3日目

翌日。竹富島初上陸。
この船にもかなりの観光客がいたし、到著後の「お決まり」の牛車観光も満席。

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島のレストランも大忙し。
人口300人ほどの島で、交番もなく、移住の人たちもほとんどいない、という島では当然地元の人たちが全ての仕事をこなしているのだ。
ただ、観光客が途絶えると、牛車のガイドさん、船着場までのバスの運転手、レストランスタッフの人たちはたちまち仕事が止まる。


それでも自宅はあるはずだし、生活にすぐに困るとは思えないが、皆さんこの島を愛し、大事に思い、誇りを持っているからこそ、観光客の人たちに自分たちの島を知ってほしいという気持ちが伝わってきた。

竹富島で1番の問題は「ごみ」。
だからこそ、観光客は全ての自分たちが出したゴミは原則持ち帰る。
私もそうした。

ちなみに移住の人たちが少ない理由は、住居。
土地も狭いため住宅の数も少ない。
そして余っている住宅はほとんどないし、もしあってもその大家さんは誰にでも貸すわけではない。
信頼できる人にしか貸さないということらしい。
地方ではよくある「知り合い、人脈」がモノを言う世界だ。

そして石垣島へ戻り、またカフェに立ち寄り周りを見渡す。ほとんどが観光客。
若い人が多い。そしてバックパッカーのような若者も多い。
都会を離れ、人の目を離れ、ただただ暖かな気候に身を委ね、何かを考え、または何か新しいものを見て、今までの自分にこびりついた垢を落とす。
そんな旅なのではないか、と思った。

旅の魅力

そう、旅にはリセット効果がある。
今までのこびりついている、捨てたいけど捨てられない自分の考え、執着などを、あっという間に変えてくれるのが旅だ。
人は、環境が変わればあっという間に考えが変わる。
これが旅の醍醐味だと思う。
何も考えなくてもいい。ただ、その場に身を置くだけで感じるものがいつもと違うだけで自分がじわーっと変わっていくのを感じる。

ここに住みたいと思うが、一方で住み続けているとそれが日常になり、また違う環境に身を置きたくなるのかもしれない。

最近ではプチ旅で、電車で少し遠いところに行くが、それでも十分だ。

石垣島最終日は2月なのに、半袖でも暑いくらいだった。
レンタカーを返し、空港に着くとここでも観光客がたくさんだった。

マリンスポーツ一切なしの旅だったな。

そして今

海外に行けない今、沖縄離島は全国民の憧れの地になっていると思う。
石垣島は、そこそこ便利で、おしゃれなお店やカフェがあるところが良いという人におすすめの島だ。
島によって特徴があるので、好みで選ぶと良いと思う。


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上野 博美


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