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仕事の成果


世の中には色んな仕事がある。
聞いたところによれば、世の中には40,000種類の仕事があると言う。
当然誰も全ての仕事の種類など知らないし、私も知らない。

ちなみに「仕事」と言うのは「給料」と言う報酬があるものを言う。
つまり「仕事」をすれば、少なくとも「給料」と言う成果を手にすることはできる。

でも、ある人は「給料」だけではない「成果」を手にしている。
この「成果」の数が「仕事のやりがい」につながっているように思う。

かく言う私も、様々な仕事をしてきたが、「報酬以外の成果」が多ければ多いほどその仕事にのめり込んでいった。

客室乗務員
子供英会話の先生
エアラインスクールの先生
オフィス用電話取り付けの会社の事務
企業研修
高校での進路講話
高校、短大、大学での就職マナー、面接講座

ざっと思い出して、これだけの仕事経験があるが、
報酬以外に得たのは「経験」「評価(良くも悪くも)」「受講者の関心事」「受講者の傾向」「講演スキル」「研修スタイル」
などがある。

つまり「仕事一つ一つから、徹底して学んだ」と思う。

給料以外の報酬が目の前にあるのに、それに気づかない人も多い。
すごくもったいないことだと思う。
自分のスキルや教える内容がバージョンアップすれば、良い評価となって返ってきた。
ただ私は「良い評価」を目標にしていたのではない。
「目の前の高校生や学生、社会人の目の色が変わる
瞬間」を見たくて、学んだのだ。

講師にとって目の前の人が退屈そうにしているのが最も辛く屈辱的だ。
だから目の前の人がどうしたら関心を持ち、身を乗り出してくれるのか、を毎回テストし、リトライする、を繰り返してきた。
正解は「全員が顔を上げて話を聞いてくれること」
やり方は「数多くある中から、その時に適したものを選ぶ」ことで、毎回確実ではないが、正解に辿り着く。

その結果、良い評価をいただく事が増えた。
その結果、毎年呼んで頂ける「顧客」が増えた。
報酬以外の成果が、次の報酬を生んだ。

ただ今日書きたかったのは、これではない。(これじゃないのか!って思った人ごめんなさい)

私にとって教える仕事での1番の成果は「卒業生たち」だと言いたかったのだ。
ここ最近卒業生たちからの連絡が増え、且つ実際に会う機会があった。
私は勝手に彼女たちの母親の気分で成長した彼女たちを見ている。

私にとっては彼女達と初対面の時からの変化が眩しい。

・人の顔色を見て思ったことも言えなかった人

・自力で受けた試験で失敗した痛みを忘れる事ができず、やる気を失い、方向性を見失っていた人

・極度のあがり症で、面接官の質問さえ覚えていなかった人

・熱い思いはあっても、うまく言葉にする事ができず、自分を全否定していた人

・家族から姉妹で比較され続け、コンプレックスの塊だった人

・面接に対して間違った思い込みを信じ、面接でいつも空回りしていた人

・客室乗務員にはなりたいけど、なぜこんなになりたいのか、自分ではわかってなかった人

初対面の際には、ほとんどの人はコンプレックスを持っていて、自分だけでは前にも進めない、進めたとしても自信がないと言う状態のため、その後成長して合格し、さらに仕事上の経験を積み重ねてきた卒業生は飛躍的な成長を遂げているように見える。

まるで赤ちゃんの状態から、立派に成人したかのように見える。

そして私がお教えしたスキルだけではなく、もっと重要なマインドが卒業生の中に生き続け、それによってお客様や同僚、先輩や後輩に評価されている報告を聞くのが何よりの成果だ。

短期間で成果が出るものよりもじっくりと時間をかけてきたものが成果となるほうが、ずっと大変だし手間もかかるが、喜びは数十倍だ。

元々不器用な私は、すぐに結果を出す「うさぎタイプ」ではない。
一つづつ階段を上がっていく「カメタイプ」だからこそ、時間をかけていく仕事が合っていたのだろう。

人を育てると言うのは、赤ちゃんとして生まれてから成人するまで20年近くかかるものなのだから、本来長い期間をかけてようやく育っていくものなのだ。
私の場合は短ければ数ヶ月、最も長くて2年弱くらいの期間しか教えることはできていないが、
成果を見せてくれる卒業生達は素晴らしいと思う。

これからはじっくり育てていく機会も人数も減らす予定だが、だからこそ今まで教える機会をもらった卒業生たちの成長した姿は、私にとって仕事の何よりの成果だ。
時間と情熱と愛情を沢山注ぎ込んだ結果、成果とならないケースもある中、多くの卒業生たちが立派になっているのは、単なる「成果」を超えて「ご褒美」だ。

仕事を突き詰めていくと、ご褒美になる。
この気づきをくれた卒業生達には、感謝しかない。


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