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夏のかぶとむし珍道記 #5 福島+茨城→千葉

 会社で長めの休みをもらう。ところが、独身の大人の夏休みは、結構ひまなのである。暑いしだるいし、家にいると滅入ってくる。なので、今年買った車で、行きたい場所を探しにいく。せっかくなので、旅行記として残してみることにする。



かぶとむし(5連勤)



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 さて、役目を終えたかぶとむしは、帰路に飛び立つことにする。福島から、大都会千葉県へと旅をしめくくる。エネルギーを充填するために、古本屋から出て、散歩をしていると、おしゃれな建物を見つける。有名な建築家の設計に寄るもので、まちの縁側という名前の地域活動施設とのこと。就労支援カフェや保育所も併設されていた。

 


まちの縁側
まちの縁側の縁側
畳イス
(ほしい)




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 隣には市の博物館もあり、ついでに見学をする。ここ陸前高田市は、東北大震災で津波の大きな被害にあった町の一つであり、博物館の展示品も流されてしまったものや壊れてしまったものもあったが、報告してくれた人、届けてくれた人、修繕ボランティアなど、様々な人の協力で展示品が戻ってきたとのこと。一つの復興のかたちを見て感動する。



未来への約束
モノにもココロがあり、物語がある
貝コーナー
(食べられません)
色んな種類の貝
(貝殻集めしていたころを思い出す)




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 まだまだ大変なこともあるだろうが、津波があったとは思えないくらい町はきれいにたくましく見えて、勇気づけられる。勇気と感動を胸に道を南下していくと、金色の鳥居を見つけたので寄ってみる。何やら金の匂いがする。どうやら、日本で初めて金がとれた場所らしい。


 

金色の鳥居
(おや?)
日本初の産金地
(おお!)
黄金山神社
(大金持ちになりますように!)




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 旅とは、目減りするお金と戦うことである。10円玉のお賽銭を入れ、ご利益に期待して神社をあとにして、宿に向かう。途中、街のスーパー銭湯に寄ったので、宿についたのは遅い時間になってしまう。真っ暗闇の山道をぐるぐる登っていくと、今日の宿である古民家カフェにたどり着く。



古民家カフェ「hitotabi」




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  かなり遅い時間になってしまうが、オーナーは待ってくれていた。民泊だが、今日は自分以外泊まり客がいないとのことで、広い古民家に1人取り残される。童話やら妖怪やらを見に行ったあとだったので、妖怪に警戒するが、「いい妖怪しか出ないと思いますよ」とオーナーがリラックスさせてくれる。




古民家カフェ 店内
(ひとりぼっち再び)
びくびくしながらトイレに行く
蝉の声で目が覚める
(2024年 夏)




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 オーナーの女性はまだ20代で、地域おこし協力隊からそのまま祖母のいるこの地で起業して、カフェや宿を運営しているというのですごい。自分も興味がある旨話すと、「やってみてもいいんじゃないですか」と賛同してくれる。泊まれる古本屋もそうだが、若くても、芯をもってやりたいことをやっている人はいるのだなと実感する。自分もそうありたいがなかなかむずかしい。

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 順調に帰路に向かうが、途中宿に泊まっているときに調べた場所に向かう。またまた図書館(そういうのばっかり行く)だが、ちょっと変わったことに、ほとんどの本が寄贈で成り立ってできた、その名も「もったいない図書館」。面白いのが、矢祭市は「合併しない宣言」をして、役所職員の人員や給与を大幅に下げて財政を運用したりしたという、戦う市区だという。

 

矢祭市にある「もったいない図書館」
本の交換コーナー
(再び)
人と本、そこには生理的相性があるのだ




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 学生が静かに勉強していて、町によくある図書館のようだが、小さな町にも色々な物語や、面白いところはあると思うと、出かけるのも楽しくなる。とはいえ暑くて疲れたので、ご飯屋さんよりよく行く、銭湯に三度突入する。「日本秘湯を守る会」でも選出された、山の中の秘湯、「湯の澤温泉」。



湯の澤温泉
趣がある
家族経営らしい
健康十訓



 
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 先客は帰り、ほぼ貸し切り状態で贅沢な風呂だった。秘湯の本を買い、これから少しずつコンプリートしてみようと思う。さっぱりしたが、ちょっと外でタバコを吸ったらすぐに汗だくになり、お風呂効果は一瞬だった。すぐに冷房車かぶとむし号に乗り込み、千葉に向かう前に最後に美術館に寄る。茨城の笠間市にある「陶芸美術館」の特別展を見る。




陶芸美術館
(建物は陶芸ではない)
作品名「遠くを見る」
思えばただ遠くを見ている旅だった。




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 美術館をあとにし、茨城県から千葉に帰宅する。総日数6日間、距離数1000km以上の長旅だったが、無事に事故なく帰ることができた。これにて、脱ペーパードライバーを名乗らせてもらおう。気がついたらオリンピックははじまっていて、7月は終わっていて、休みももうすぐ終わりそうだが、今年の夏はまだ終わらないようである。



洗車
ありがとう、かぶとむし



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