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タイトルを付けれなかった小説を君だけに。



俺の父親が言った
「再婚する」
と真剣な表情だが喜んでいるように言った。
俺は父親が女の人とデートに行っているのも知っているし父親も俺に話してくれていたから、やっとかという気持である。俺の母親は小5で死んでから男一人で俺を育ててくれた。感謝してるし大変だった
だろうな。
「おめでとう、いつ籍を入れるの。」
「昨日いれた。」
いやいや籍入れる前に言えよ
「は、もうちょっと早くいって」
「ごめんよ。(笑)来週それでこの家に相手の沙織さんが来てくれるから、準備しておいて」
「分かった」
まぁ父親が最近元気になっただけいいか。


「なー聞いてくれよ直樹」
「なに?」
「俺再婚するんだ」
「ぶぅーー」
直樹は飲んでいたジュースを吹いた。
「おい、汚いな」
「再婚って何?」
「あぁ間違えたというか冗談。でも俺の父さんが再婚する。俺的には全然いんだけどさ、」
「どんな間違え方だよ。でもまぁ田島のお父さん頑張ってたもんな。」
直樹は俺の幼馴染で親友だ。家が近かったから結構家族ぐるみもあった。
「ねぇ田島、おーい田島優斗君ー」
直樹が呼んでいるのにぼーっとしていて気づけなかった。
「あっごめんごめん。何?」
「部活何するか決めた?」
「そうだった、明日じゃんね、決める日どうしよっかなー」
俺の入った高校は部活は一年の内は絶対に入らないといけないが運動部と文化部の兼部はだめだが、文化部なら二つまで兼部が許されている。正直まだ全然決まっていない。
「今日放課後部活見学付き合ってくれない?」
「しょうがない」
ー放課後ー
「ちなみにさ、直樹は部活何するの?やっぱり中学と同じでサッカー?」
「そうだねサッカーだね。田島もサッカー部はいればいいじゃん中学サッカー部だったしいけるよ。」
絶対に嫌だ。俺は確かにサッカーは好きでサッカー部の中でも上の方だったから試合には出れたけど、この高校は違う市内一番の学力でサッカー部も強豪だ。練習も厳しいだろうに一年生の部員でもすでに差があるのが目に見えてくる. そうなればベンチ確定だ。
「俺はいいや、サッカー部に入ったら女子たちから全員に告白されちゃうから。」
「なんだそれ(笑)」
おれはその時一緒に笑っていたが悔しいぞ。勉強は俺の方ができるが顔、スタイル、性格(女子へのふるまい方)は俺よりも上だ。何がいいたいかというと、
「憎い」
「え?(笑)なっか言った」
おっと口に漏れてしまった。でもまぁ俺も別に顔が悪い訳ではないし、陰キャなわけでもないし。
「優斗はさどういう部活に入りたいの?ほら文化部とか運動部とか具体的に」
「楽な部活」
「文化部見に行くか。俺も少しだけ興味あるし、あと地味にかわいい子もいるかもしれないしな」
「かわいい子目当てだろ」
その後家庭部とかパソコン部とか英語部とか吹奏楽部とか色々見たけど、、、二人そろって
「かわいい子いない」
「でも吹奏楽部は2人いたよ」
「え、マジ!教えろよ」
これが俺たちの目当てになってしまった。
「でも正直あまり俺には向いていなそうだな。」
「だな。ほかにも色々あるけど文化部で部活とみなされているのはこれくらいじゃない?」
「いや小説部。」
「あー小説部か、確か部室が図書室の隣で人数が2人しかいないっから普通は同好会となるはずったたけど、図書委員会の仕事も受け入れてどうにか部活判定されているんだっけ?」
「そう。正直興味あるんだよな。一回図書室行ったことあるけど5階で一番校内で景色がきれいな場所なんだって。あと俺アニメ、漫画、小説好きだから作ってみたいなと思っていたんだよね。それに図書委員会の仕事も兼任なわけでしょ. 図書委員って休日図書館の司書さんたちと一緒に大きい図書館に行って一人5万円渡されて買っていいらしいよ。まぁ生徒の要望の本を買うわけだけど、でも要望出す生徒なんてあんまりいないから読みたい本買い放題ってわけ」
「もう入れ!たぶんだけど小説部に向いてるというか、好きなことやっていた方がいいよ。今の優斗は輝いてるし。」
「とりま行こう図書室」
「そうだな」
吹奏楽部の練習部屋の横に階段があって、それを上がったところにある廊下をまっすぐ歩くと図書室がある。5階は階段を上がって順に物理室、化学室、その二つの準備室が並んでいてその奥に図書館がある。
中に入ると異常なまでに静かだった。
「すごいな」
小さな声でつぶやいた。
本は市営の図書館並みいっぱいある。そして景色は夕焼けがさしていて、住宅街に山に海まで町が一望できる程きれいな眺めだった。
俺はおそらく小説部だろう人に
「この部活入ります」
と小声で言って、直樹に「帰るか」といった。
ー帰り道ー
「ありがとな付き合ってくれて」
「決まったか?」
「うん。決まった小説部に入る!」
俺はこれしかない。小説部が俺を呼んでいると思うほどいい部活だと思った。
「応援するわ。でもびっくりだなー去年までサッカー部でゴリゴリだったのに、小説書き始めるのか。 よかったな。」
直樹は満面の笑顔でなぜか喜んでいた。すごく。
今にも山に隠れそうな太陽の光がとてもまぶしかった。

☆一週間後
「あれ今日だっけ?ほらあの再婚相手の人が来るの。」
直樹が言った。
「そうなんだよ。緊張するー。」
「新しいお母さんが来るんだよな?」
「そうだよ」
「美人で、巨乳で優しくて、耳かきしてくれるような人だったらどうするー?」
にやけながら気持ち悪い質問をしてきた。
「別にそんなの求めえねぇよ。逆に嫌だろ父さんと同じ人を好きになるのとか。」
「フーン。美人で巨乳で優しくて、耳かきしてくれるような好きになっちゃうんだー。」
と藤咲唯花が言ってきた。ゆいは俺の幼馴染でもあり、元カノだ。実は頭もよい。そして可愛くておっぱいは、あると言えばある。性格については女子にも男子にも好まれるくらいのあざとさの持ち主。だけどあざといと言っても素直で話があって、完璧な、、、
「おっ!今日もお熱いですね。お二人とも。」
直樹が言う。
俺と彼女はにらみつけた。
「ちょっと今日帰り、話したいことがあるから。じゃ席戻るから。」
「さっきの美人で巨乳を好きになるっていうの誤解だからね。」
クラス中の視線が痛すぎた。

☆帰り道
唯は怒った顔で待っていた。
「遅い」
やっぱり。
「遅いって、藤咲さんもさっき来たでしょ。」
「あーもう。」
やばい怒ってる。何かしたかな。
「ちょっと歩こ。」
唯が口を開いた。
「もしかしてさ、お父さん再婚する?」
しまった。新しい環境になれないまますっかり唯に伝えること忘れてた。
「まぁ、はい。」
「まぁ、はい。ってなんで言わないわけ、相手がどんな人かとか、いつ会うの?もしかしてもう会ったりして、さすがにあってないよね?まだ。さすがにその相手の人って子供ずれだったりしないよね?」
怒りの顔から不安そうな顔をしていった。正直可愛いと思ってしまった。
「言おうと思ってたけど忘れていたといいますか。そもそももう別れてるし、、、、」
「分かってるよ、、、」
ほほを桃のように赤くしていった。
「そんなことよりあったのその相手の人」
「今日会う」
「今日?!初めてだよね?」
「まぁ、相手の方に娘さんとかいないかなー?美人系でお姉さんの」
可愛い唯を嫉妬させたかったその結果。 地雷を踏んだ。
「きも」
やらかした。この終わったような空気の横を電車が通る。
そしたら電話が鳴った. 父さんだった。
「もしもし、あと1時間で沙織さんたち来るから早く帰って準備するぞ。」
「ちょっと待って沙織さん「たち」ってなに」
「言ってなかったけ娘さんが二人いるんだよ。」
「娘が二人?聞いてない聞いてない」
驚きのせいか大声をあげてしまった。
「それはごめん。嫌か?」
「別に嫌じゃないけど」
前にいる唯は顔を赤くして涙がこぼれそうだけど我慢していた。
俺は唯に背中を見せて目を合わせないように
「ごめん電話一回切る、30分後には戻る」
と言って電話を切った
俺は父親よりも元カノである唯を優先するべきできっぱりと無理というべきだったのだろうか。いやいや聞いたことがない、元カノを優先するとか、、
「相手の方娘さんいるんだね。」
「そうみたい。俺も今知った。もっと知ろうとするべきだったよね。ごめん。」
桜の木の最後の桜の花びらが今にも落ちそうだ。
「ごめん、俺帰った方がいいかもしれない。帰るわ。」
最低だ俺はこんな元カノの涙が今にもこぼれそうなぐらいなのに。
背中を見せて歩き出した。
「待って」桜の花びらは落ちて、涙もこぼれていた。
「私はまだ、田島優斗が好きです。」
落ちていた桜の花びらが一気に春風によってすくわれた。
「そもそも別れた理由っていうのってさ。受験勉強だからじゃないの?私は正直別れたくなかったけど、私の親が言ってきた。それに従うのはどうかと思うけど私は、今は頭いいけど昔は偏差値が全然足りなくてそれに比べて優斗はさ足りててさ、同じ高校にどうしても行きたかったから中学生の夏休み前に別れた。でも私本当に性格悪いからさ、高校生になったらまた付き合ってってお願いしちゃったんだよね。それで優斗の恋愛を独り占めしようとした。実際今も優斗を独り占めできたらなって心の中では思ってる。だけど好きなの。優斗のことが。これだけは誓える。もう一度付き合ってください。」はっきりと言った。そして俺も好きだ。藤咲唯花を愛している。
「俺もやっぱり唯花しかいない思ってた。ずっと。俺も好きです。こちらこそお願いします。「唯」」
唯は顔面をくしゃっとして笑顔で笑った。それを見てくしゃっと心をまたつかまれた。
「家まで一緒に帰るよ」
「やった。ねぇなんでさ私のこと夏休み終わってから藤咲さんっていうようになったの?悲しかったんだからね。」
顔を膨らませている。やはり可愛い。
「クラスメートの女の子には名前呼びは普通にするのに、」
「でも一様別れてるし」
「そういうことじゃい。結構モテてるんだから優斗。」
顔を赤くしてほほを膨らませている。可愛い
「そうなの?でも授業中も勉強中も唯のこと考えてたよ。それにだれもあだ名とか名前を短縮して呼んだことないよ。ゆい」
ぎゅーう 抱きついてきた。意外と俺も背が伸びたな. 中二の4月に告白して初めてハグしたのは5月くらいだったかな。
「好きだよ優斗」「俺も」
バイバイの時振り返った顔はうれしそうな顔はしていたけど不安な顔もしていた気がする。
当たり前だ。彼女ができて、いるのにもかかわらず、血のつながっていない女の子が同居するわけなんだから。いや待てよ。べつにさ年齢が近いわけでもないかもしれないよな俺よりかなり年下の可能性もあるし、もうすぐ大学卒業しそうなお姉さんかもしれないどちらかに期待しよう。
「おっと時間がやばい」
家に着いた時には汗だくになってしまった。
「遅いじゃないかもうすぐでついちゃうぞ、って汗やばいな。早くお風呂入っておいで、急ぎで」
と父さんが焦ったように早口で言う。
「はーい」
正直お相手さんがどんな人か気になるけど唯と付き合うことができたことの方がうれしい。お風呂には時計がある。その時計を見ると7時半だった。家に来る時間だ。体洗ったら出るか。
よし。たぶんもういるな。早く着替えないと。ばたんととびらを勢いよく開けたそしたら
中学生くらいの女の子が手を洗っていたのだろうか俺と完全に5秒以上目が合っている。
「うわーぁ」と俺は叫んだ。
「気持ち悪い」と真顔で言ってきやがった。
急いで風呂場に戻ったが頭はぼーっとしていた。裸を見られた。そのあと沙織さんが「ごめんなさいね内の渚が、もう出ていいですよ」
「あ、はい」
正直複雑な気持ちしか出てこない。頭がくらくらするこれはお風呂のせいではない確実に。
一様ちゃんとした服で出た方がいいかと思って駆け足で二階にある自分の部屋へ服を取りに行った。その後リビングで2人の女性の声が聞こえてくる。緊張しながらドアを開けた。
そこには女の人が3人いて真ん中にはとてもキレイ系な同い年だと思う女の子がいた。
そして右にはお母さんの沙織さんだろう。左にはさっき裸を見られた渚ちゃんかな?3人ともきれいな人たちだが妹の渚ちゃんだけは性格が暗い。緊張しているのだろうか. 正直当たり前といちゃ当たり前だ。
「あっこんにちは優斗君。これから再婚する母の白石沙織です。」
「こちらこそよろしくお願いします」
「さっきはごめんね」
「いえいえ」
「渚、謝ったの?」
「全然僕の方が悪かったですし。」
「ごめんなさい」小さな声で謝て来た。
意外と素直なんだな。
「こちらこそごめんね。」
母親が娘たちの紹介を始めた。
最初に紹介したのは中学二年生の白石渚さんだった。次は姉の白石あかりさんだった。なんと同じ高校らしい。それも同い年で高校一年生だ。誕生日は11月13日だそうだ。ちなみに俺の誕生日は9月13日だ. ちょうど二か月前。ということなので俺が一番年上ということになる。
「ねぇねぇ優斗君」あかりさんがしゃべりかけてきた。
「ん?」
「私たち同じ高校なんだよね?部活何やってるの?私はね吹奏楽に入ろうと思ってる。」
「俺は小説部。」
「なんかサッカー部かと思った。」
「中学校はサッカー部だったけど」
すごくしゃべりやすい。父と沙織さんはダイニングでコーヒーを飲んでしゃべっているし渚ちゃんはスマホを触っている。ちなみに俺たちはソファーでしゃべっていて俺はソファーには座っていなくて、床に座っていてソファーにもたれかかっている。その斜め上にあかりさんがソファーに座っている。かなり近いし、唯とは違う女性らしさがある。何よりいいにおいがする。こんなことを考えていると唯が怒る顔が目に浮かぶ。
「あかりさん何組なの?」俺から質問した。
「1組だよ優斗君は?」
「あーだからか見たことないなっておもった。俺は8組。」
この後もいろいろと話をしたが結構話は弾むし楽しかった。10時くらいに帰る予定で今は9時52分だ. そんな時あかりさんがお願いをしてきた。
「「ゆう?」ってよんでいい?」
彼女の存在がよぎった。こんなに馴れ馴れしく呼ばれていいのか?同い年だし、同じ学校だし。
「いいですよ。」
「あと【ゆう】、敬語もだめ。別に同い年だし生まれた早さで言ってもゆうの方が先なんだから使う必要ないよ。私たちもう家族なんだよ。」
こんなことを唯が聞いたらどうなんだろうか。きっと悲しむだろう。だからといって隠すことは良くない。どうするべきなのかな。いちよう簡単にlineで説明するか。
沙織さんたちの車が行ったあと父さんに聞いた。いつからこの家に引っ越してくるかと
「5月の下旬には引っ越しが完了するって。」「わかった」
「あとな、優斗、あかりさん病気を持っていて、余命宣告されたらしい。」



「癌らしいんだ。」

    死んだお母さんと同じ病気だった。

俺は少しだけ癌について知っている。それは母親が脳腫瘍だったからだ。最後は家で見送るか病院で見送るかという話を父さんとした覚えがある。結局病院で見送ることになったが、母さんは入院初日目はとても明るくて元気そうに見えた。たぶん俺が病室からでたらそうでもなかったかもしれないけど、抗がん剤も効かないし、母さんの精神状態も悪くなっていったのをよく覚えている。余命宣告はされなかったが過去の同じような患者の生存率などを説明された。よく覚えていないけど。最終的に半年病院で生活を送った。母さんが死んだときは学校に行っていて、先生から連絡をうけて早退して泣きながら父さんの車に乗った父さんも仕事だった。病室についた時にはもう死んでいた。全てが冷たかった。空気も顔も心も。つらかった。なにより辛かった。今後人生にこれ以上辛いことはあるのかと感じるくらい。もうこんな経験はほんとにごめんだ。だからあかりが癌と聞いて俺は思った最低限しか関わらないと。これは最低かな。確かにゴミだよね。自己防衛のために余命宣告された少女と最低限しか関わらないのはどうなのかな。でもごめん。もうつらい思いはしたくない。



「そろそろ命日だね」
俺がそういうと複雑そうな顔して父さんは
「父さんまだ優斗のお母さんのこと好きだけど、、、なんというかこんな感情を持ったまま再婚してもいいのかな。」
「父さんは俺が小5のときから面倒いっぱい見てきてくれたじゃん。ほんとに感謝しているんだ。ありがとう。だからさ、少しでも楽になるために、幸せになるためにも俺は再婚していいと思う。」
俺は顔が赤くなっていたと思う。だけどこれはすごく本心だから。嘘はない。絶対だ。
「こちらこそありがとう。正直小学五年生から今の高校一年生までって普通なら反抗期とかでさ文句とか言ってきたりするはずなのにさ、反抗もしないし俺が仕事で長い時も家事も自分でやってもらって、父さん心配だったんだちゃんとお父さんやれているか、だけど今思ったよ。俺の息子が優斗でよかった。ありがとう。」
なんだか泣きそうだ。心地いい風が吹いていた。
「それでなんだけどさ、お墓参りにいこうか。」
「そうだね。」
「じゃあ今週の土曜日はどうだ。」
「多分大丈夫。」
「じゃあその日で決定な。
外がだんだん寒くなってきた。「家入ろっか。」




☆学校で報告
「おはよー」
「おはよー」
直樹は先に学校についていた。珍しい。さては情報が聞きたいんだろうか。
「でどうだった、相手に人」
やっぱり
「驚かないで聞いてほしいんだけどさ、相手の奥さんプラス綺麗系の女の子と塩対応というか緊張しているのかわからないけど、静かな女の子がいた。三人とも美人なんだけどな」
「何それハーレムじゃん」
確かに今思えばそうだ。ハーレムじゃん。普通にレベル高い女の子と。
「年はいくつなの」
「お姉さんの方がなんか俺と同じ学校で同学年だって」「え?何組?」「8組」「もしかしてだけど、白石さん」
「そうだけど」
直樹は死んだように落ち込んでいた。
「うらやましすぎだろ。普通に。あんな美人の人と一緒に暮らしたら好きになちゃうでしょ。運良かったら付き合えるかもな。」
「それはない。」
むきになって言ってしまった。
「ごめん優斗の気持ち考えないで。」
本当に申し訳ない顔をしている。
「別に怒ってないよ。でも今週中の下校の時にでも話したいことがある。」
直樹にはあかりさんが癌だということを言ってもいいかな。だけど直樹は俺の親友でメンタルがぼろぼろの時も助けてくれた。正直話さないともう限界だ。
「なになにー?まさかもう付きあちゃったりして。」
笑みを浮かべて言ってきた。
「っは!」
そういえば唯花と付き合ったんだ。
「そう。付き合った」
直樹は石のように固まっている。
「唯とね」
「あぁなんだ唯花とか正直俺もワンちゃん狙ってたんだけどなー学校一可愛いといっても過言じゃないくらいだしさ、」
強く俺はにらんだ。
「冗談。優斗と唯花両思いって知ってたし。入る隙間ねーよ。」
笑いながら直樹は言った。
そして下校の時に唯に話した。だけど不満な表情をしている。
「白石さんってあの2組の?」
「そうだよ」
「好きにならない?もうもしかしてなちゃったりして、、、」
ほほを赤らめながら上目遣いで言ってきた。可愛いかよ
「ならないならない。」
「大丈夫かな」
「大丈夫。信じて下さい。」
「分かった。そろそろデートに行きたい」
嬉しいと言う感情一言だが、デートって中学生の頃とかどこに行ってたっけ?とりあえず唯の行きたいとこを聞いてみるか。
「ちなみにデートにどっか行きたい?」
「どこでもいいよ。」
待て待て俺YouTubeで見たぞ、メンズコーチみたいな人が「お前それ男としてのレベルを試されてるんだって!いい加減気づけって!」」みたいなことをでも実際どこに連れて行けばいいのだろうか。。。水族館とか遊園地とかは昔行ったしな、、、唯も一緒にお墓参りに連れて行くか?母親の実家の長野県にお墓を建っていて、個人的には長野県は神奈川では味わえない自然を楽しめるんだけどどうかな、、、
「これをさデートっていうのはちょっとあれかもしれないけどさ、俺と父さんで母さんの墓参りに行くんだけど長野県にあるんだけど、一緒に来ない?確か唯って母さんと仲良かったよね?」
確かに初デートが墓参りっていうのはやっぱりあれだよな。
「確かに私優斗のお母さんと仲よかったけどさ、多分だけどお父さんはお母さんに再婚する事を伝えるために行く思うんだけど、私もついていくのはちょっと気が引けるというか、お父さんと二人で行った方いい思うけど、、、、でも行きたい気持ちああるんだけどね、、、優斗のお母さん私によくしてもらっただけじゃなくてさ、私のお母さんとも仲良くしてもらってたらしいからさ、病気って知ってあんまり会えなくなって私たちも心配してたからさ」
それは知ってるんだよな。お父さんが病院で母さんの事をしている時に色々助けてくれたからな。今ではもう感謝しかないけど。あと母さんも病気であることを入院するまで隠してたしな、、多分気づいていたと思うけど。
「じゃぁ行くってことで、今週の土曜日に。」
唯はもぉーという表情をしている。
「私の言ってたこと伝わった?」
「だからだよ。俺はさ、藤咲家に感謝してるんよ。それにさ最後あんまり喋れなかったんだろ?」
「うん」
「じゃあ決定だな!」
そうして俺たちは夕方6時頃一緒に手を繋いで帰った。
唯はその場所がどこにあるのかとかどこに泊まるのかとか色々質問してきたが、「俺のお母さんの実家あたりにあるん、、、、結構自然がキレだし観光スポットも結構あるんだよなー」「泊まる場所母さんの実家だけど大丈夫?」みたいなことを話して思ったけど、あれ?普通に恥ずかしくないか?まだ父さんは唯のこと知っているからまだまだなんとかなるかもだけどさ、じいちゃん、ばーちゃんは勿論誰かわからないわけだし、墓参りに女連れてくるとか俺、普通にやばいやつじゃん。うまく説明できるかな?とりあえず父さんに説明をしようか。
それはそれとして、唯は「お母さんに聞いてみる」って言っていた。

⭐︎母さんの墓参り。

「あのさ父さん、藤咲さんの家のさ唯花いるじゃん。」
俺的には付き合っているということをあまり言わないで唯を連れて行きたいところだ。
なぜなら普通に付き合っているというのが恥ずかしいからだ。
そして父は聞く耳を傾けてこっちを見て頷く。
「その唯花って結構その、、、あれじゃん母さんがさ入院してた時、唯花の家族結構助けてくれたじゃんそれで、、その」
父さんは笑みを我慢しているように見える。
「それで母さんの墓参り行くって話したら唯も、、んーと結構母さんと仲良くて最後あんまり喋れてないらしいからさ、その、感謝の気持ちも込めて墓参りに誘ちゃったんだけどさ、いいかな?」
父さんは嬉しそうに笑っている
「父さんは嬉しいよ。優斗が普通に高校生をやってて。勿論いいぞ。俺も藤咲さんに感謝してるからな。」
バレたか、、、、悔しい、、。
「それとな優斗がもし唯花ちゃんとデートに行くって言わなかったらな、日帰りで帰っる予定だたんだけど、それも帰らないといけない理由があってな、だから俺は優斗と唯花ちゃんを車で送って墓参りしてからすぐ帰るよ。優斗たちはおばあちゃん家に泊まらせてもらいな。あと、帰りの交通費はもちろん出すから。」
なんだろうか理由とは。でもまぁ仕事とかでしょ。いやもしかして俺らのために気を遣ってくれているのか。てかデートってもう完全に見抜かれてるな。
「ありがとう。てかデートって言ってねぇし」
「ふっふふ」
俺は多分照れてるけど父さんはいつも通り嬉しそうだ。
そしてその後唯にも次の日の登校日に話した。
「どうだった?土曜日。」
「うん大丈夫だって。」
「やったー。後ねその父さんがさ、、、、、、らしいんだけど。」
「と言うことは私たち二人?」
「帰る時はね。後勿論デートの時も、逆に二人じゃなかったらおかしいか笑」
いつも俺たちは自転車じゃなくて歩いて駅まで行って学校に行く。少し家から学校が遠いから早く家を出る。最近は猛暑だが朝はまだマシだ。
「ちなみにだけどさ、私たち一緒に寝れるの?」
不意打ちだった。そして顔を赤らめている唯は本当に可愛い。
「じゃぁ一緒に寝よっか。」
俺は冗談気味にからかった。
「ちょっと頑張ろうかな。」
何をかな?頑張る?頑張る?えっ!期待していいんですか?
「何を頑張るの?」
「なーいしょ。」
俺の前に立って振り返りながら言った。まさにメインヒロインだ。
そして当日になった。
「今日はよろしくお願いします。」
唯はそういうと車に乗った。確かに昔よく一緒に乗ったな。
「はーい。久しぶりだね唯ちゃん」
父さんの顔がニヤけている。俺は思うぞ可愛い女の子が同じ空間にいるだけで男は幸せになると。
「そうですね。以前は友達のお父さんでしたけど、今日は義理のお・と・お・さ・んになるかもですね。笑」
父親は笑っているというかニヤけている。やっぱり可愛いからしょうがない。
「変わってなくて安心したよ。」
確かに変わってない。学校でも結構こういう感じでおちょくるというか冗談をよくいうというか、まぁとりあえずあざとい。けど人を不快にさせないあざといだから!そこは勘違いしないように。
「じゃぁ出発するぞ。」
「今日来てくれありがとな。」
「全然いいよ。どれらいかかる?」
「3時間くらいじゃい?」
「3時間ずーっと近くに入れるね」
俺たちの会話に一つ一つにハートがあるかのような会話を聞いて父さんは気まずそうに「俺もいるんだけど」っと苦笑いしながらボソと呟いた。父は絶望的なほど空気を読めない発言をした。
「唯花ちゃんはさ俺は再婚して、3人家族が増えるんだけどさ、それについては大丈夫なのか?」
おいおいおやじー何聞いとんじゃぁー。最初から空気きまずくするとか普通に「おい」
「まぁ私はちょっとだけ嫉妬しちゃうかもですけど、」
そう言いながら俺の方を上目遣いで言いてきた。
「私もすぐに田島唯花になるので。」
「そうか唯花ちゃんも田島家に嫁入りしてくれるのかー」
車では俺は照れていて「流石にそれは恥ずかしい。」っていたけど二人は声を出して笑っていた。俺はその時唯に愛してナイス返事とか思うよりやっぱり優しいし、大人な余裕があるって感じた。
「普通に質問なんですけど、あかりさんでしたっけ?」
そう言って俺の方を振り向いて俺を見ながら、父さんに質問した。だから俺が「そうだよ。白石あかりだよ。」って言った。
でも惚けて質問しているけれど、知らないわけないんだよなぁ。ちょっと前に直樹から聞いたけどどうやら一組に行ってあかりさんと話したとか話してないとか、、、でも怪しい格好で覗き見に行ったとか、、、直樹のサッカー部員も言ってたからまぁほんとかもしれないけど。
「そうそうそれなんですけど、白石さんって田島って苗字変えないんですか?」
「うーん。それなんだど再婚相手の妻は田島になったんだけど、娘のあかりと渚はその、、、」
なぜか父さんはバックミラーで俺と目が合った。
「その、、、「田島にしなくてもいいんじゃなないか?」って優斗が熱心に説得したんだよ。
なんでだろうねぇ。だけど今気づ、、」
「おーい言ってないだろ。」
おいおい言ってないそんなこと。ただ普通にあかりたちは学校とかで名前が変わると色々と気使われるとか心配させたり注目を浴びるのが嫌だから変えないのであって、、、はぁとため息をついてる最中に隣の唯をみると嬉しそうに顔を赤くして下を向いている。こんな顔させてもう嘘なんて言えないじゃん。俺が照れてて反射的に否定したっていうことにしてもらおうか。
「まぁ優斗の言った通り嘘なんだけどな。」
は?待ってこんな空気よめないやつだったのか。
「は?」
睨みつけてきた。俺は父さんに同じ気持ちだから簡単に今の気持ちは理解できるぞ。
「優斗のバカ」
小声でつぶやいた。
その後もなかなか危なっかしいはなしをするから。俺は疲れて寝ていた。
「唯花ちゃん優斗のこと起こしてあげて。俺はちょっと先にお父さんたちの方言ってよろしく伝えとくから。」
「わかりました。」
ばん。扉を閉めて車の中には俺たち二人になった。
「久しぶりに見たなぁ優斗の寝顔。」
「ちょっとだけいいかな?」
唯は俺の胸に頭を置いた。
「あったかい。」
「ゆーうと?起きて、起きて。」
「うーんぅ」
俺はびっくりした。唯が俺の胸のところに頭を置いてこっちを眺めているからだ。
「ごめん寝てた。」
「ほんとだよ。お父さんと二人で少し気まずかったんだからね。」
「それは本当に申し訳ない。逆に二人の時喋った?」
唯は俺の上に乗ってきた。外から見れば騎乗位だ。
「うん。色々とね。」
何しゃべりやがったんだろう。
「聞きたい?喋ったこと。」
「聞くのは少し怖いな。変なこと言われてないかな。」
「大丈夫。教えてあげないから。」
「教えないんかい。」
「でもね。やっぱり私優斗しかいなぁって思ったの。」
俺たちは近距離で目を合わせながら微笑んだ。そしたら「こんこん」外から車を叩く音が聞こえた。父さんだった。俺たちはびっくりしすぎて反射的に元の席に大人しく座った。
窓を開けると。
「ごめんな。いい時に。」
「いや別にそんなんじゃないから。てかいつから外にいた?」
「唯花ちゃんが優斗の上を乗り始めてから。」
一番恥ずかしい。
「いるなら言えよ。」
「ごめんごめん。とりあえず荷物を一緒に持って家に入ろっか。」
「わかった。」「はい。」
俺と唯は返事をした。
俺のおばあちゃんの家は田舎だけど家は別にそんなに古いというわけではない。母さんが親孝行としてリフォームしてあげたらしいから結構綺麗だ。
そして家の前に来た。
「緊張してるのか?」
「当たり前だよ。なんか結婚する時に相手の両親に挨拶しに行くじゃん。その時の緊張の気持ちがよくわかった。」
「なんだよそれ。」
微笑みながら、「開けるぞ。」「うん」扉を開けた。
前にはおじいちゃん、おばあちゃんがいた。
「こんにちは。今日と明日、よろしくお願いします」
と唯は言った。
「あら彼女?ゆうちゃんもやっぱり男の子なのね。」
そうおばあちゃんがいう。
「まぁ上がれ。」
じいちゃん口悪いよな、、、ちょっと怖いんじゃ、、、
「お邪魔します。」
唯が言う。
「おじいちゃん何歳なんですか?」
「77歳だ。」
「えー見えない全然若く見えます。私のおじいちゃんと同じ年齢だと思うんですけど、私のおじいちゃんより全然若いです。」
おいおい流石にあざとすぎるぞ。これ怒られないか?
「そうかー?」
めちゃくちゃ嬉しそうにしてるー。というかおじいちゃんのことを見るあばあちゃんの目が怖いんですけど。
おじいちゃんが父親に言う。
「正弘さんちょっと来い話がある。」
空気が一変した。
「父さんいってくるから、いつも泊めてもらっているとこに荷物置いて、ゆっくりしといて。」
「うん」
心配だ。お父さん実際には涙目にもなってはいないが泣きそうな表情でおじいちゃんについていった。大体話すないよす内容は想像つくが。
「たく。」
おじいちゃんはすごく怒っている。
おじいちゃんの気持ちはよくわかる。俺の母さんが死んだ後に新たに新しい奥さんを迎えるとか、そんなの納得いかないに決まっている。「父さん頑張ってたんだよ。」っておじいちゃんに言えらいいけど正直あんまりおじいちゃんのこと好きじゃないんだよな。
「唯行こっか。」
唯は頷く。
部屋は至って普通だ。母さんの部屋と叔母さんの部屋二つある。
部屋は二つとも同じような感じで勉強机と本棚とかしかない。二回は洗濯物を干すぐらいしか用事はないらしいけど。
「どっち使う?」
「一緒じゃないの?」
「別にいいけど。」
「じゃあお母さんの部屋で。」
やっぱり父さんが心配だ。すごく弱気で、再婚するということを俺に言うときもすごく下手で俺は父さんのやりたいことをやって欲しかったからそんなな俺に構わなくていいのに、、、、
そして父さんが部屋にノックをしてきた。
「そろそろ墓参り行こっか」
父さんは表情を作っていた。5年生のあの時みたいに。
「あのやっぱり最初は二人で行ってきてください。」
唯がそう言う。
「誘ったのにごめんな。ちょっとそうさせてもらう。」
俺と父さんは玄関から家を出て車に乗って数分のところにあるお墓に行く。
エンジンをかけても車の中は静かだった。
そうすると父さんは泣いていた。
「すっ、、すっ」泣きながら鼻水を吸って
俺が「父さん?」と小さな声で聞くと。
「俺優斗の母さん幸せにできてたのかなぁ?俺が不幸にして殺したんじゃないのかあ?」
どんどん表情が涙で見えない。
「そんなわけないだろ。」
「父さんな、さっきお父さんに言われたんだ。もうお前は家に来るなって。墓参りもする必要ないって。お前なんかに娘をやらなければ良かったって。父さん悔しくてさ、なんだろう、
もう、結婚してからのこと全てを否定されたようにしか聞こえなくてさ、再婚のことも不倫をしたような目で見られて。でも俺今でも家族3人でいる時が一番幸せでさ、本当に本当に愛してたんだよ家族のことでもさ、こんなに否定されて、怒られて、もう墓参りに行くことができなとかっ、、、う、、、ごめんなこんなみっともない姿見せて。」
生まれて初めて父さんの涙を見たかもしれない。俺は世界で一番父さんが好きだ。でもこの好きは父さんの憧れとか尊敬、優しさや人間味からくるものだからなんだか今まで手に届かなそうな存在だったけど今はいつもより小さく感じた。だからこそ困惑して何か口にすることができなかった。
そして無言のまま墓掃除に取り掛かった。水を汲んでかけてあげる。そして拭いたげる。拭く時に俺は自然に涙を流していた。でもそれ以上に今まで涙を流さなかった分、涙が父さんから流れていた。俺も泣きながらになっちゃうけど想いを伝えることにした。
「父さん。父さんはさ、本当に頑張った俺さ父さんさ海外で働くのが夢だってさ俺知ってて、そのために頑張ってきたのもしってる。それでさ海外に仕事にいって、俺と母さんに会えなくて寂しい想いをさせたって思ってるかもしないけどそうじゃないから。母さん父さんのこと好きすぎてさ毎日は流石にちょっとアレだから金曜日と、土曜日、日曜日のビデオ電話を楽しみにして毎日の生活を頑張ってたし、母さんが父さんのこと好きになった理由は目標に向かって努力して結果を出すところを見て好きになったんだって。だからさ、私が一番の応援者になりたいのだから私はこれが幸せって言ってた。俺もさそれ聞いて父さんのそう言うところかっこいいな。俺も海外で働きたいっていう目標ができた。俺の尊敬する人は今でも父さんだけだ。でも父さんさ、母さんが死んでから父さん涙流す暇なく、母さんがやってた家事も全て一人でやってもらってさ、好きだった仕事も転職して、学校行事も来てくれてさ、高校生になったら、弁当も作ってもらってさ、今日だってさ、じいちゃんにいろいろ言われるって分かってたわけだよね。だとしらさホテルでもいいはず。だけどしっかり現実と向き合って逃げなかった。何より俺のことを一番応援してくれてるのが一番嬉しかた。中学3年生の最後の夏の大会も入試の時も父さんは家族を誰よりも考えて。誰よりも愛して。誰よりも行動して、、
僕は父さんが父さんでよかったってずっと思ってる。」ありがとう。優斗。」
熱いハグを交わしてきた。
「恥ずいんだけど、早く掃除してあげよ。」
その後、俺たちは母さんに「再婚して家族が増えました。」「藤咲唯花の彼氏になりました。」と報告した。
「母さん俺、母さんの子供で良かった。」


続く

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