
メルカリがファンコミュニティ創りに取り組む理由とは
こんにちわうえむーです。
株式会社メルカリという会社でコミュニティチームのマネージャーをしています。
僕は2016年の1月にメルカリに入社し、約3年半カスタマーサービス部門に所属していました。そして、今年の7月から新たにコミュニティチームが発足し、現在に至ります。
今回は、「なぜメルカリがコミュニティに取り組むのか」そして、先日開催した「みんなのメルカリ文化祭2019」の実施背景についてまとめましたので、よろしければご覧ください。
コミュニティチーム発足の理由
メルカリは2013年7月に誕生したサービスで、MAU(月間アクティブユーザー)は1300万人を超えるまで成長しています。
また、出品でいうと3,600万人の潜在出品顧客(※)がいると言われていて、AIを活用した出品UXの改善やメルカリ教室の展開や梱包・発送UXの進化といった、いわゆるオフライン施策にも力を入れています。
※18-74歳までの男女1,260名を対象に電通マクロミルインサイトが2019年4月に実施した調査より(潜在出品顧客はメルカリ認知あり、出品意向はあるが未出品の人。アプリDL有無や購入経験は不問)
上記のような状況の中、既存のお客さまに愛してもらえるプロダクトであり続けるために、これまで実施して来ていた「メルカリサロン」をはじめとした様々な取り組みを、より戦略的かつ効果的に実施していくことが僕に託されたミッションでした。
定量的な目標を設定しにくく、即効性のある事業インパクトが出しにくい(あるいは時間がかかる)と言われているコミュニティという分野に対して、力を入れていくという決断ができる企業はとても希少だと思うし、一番に旗振り役をしてくれて、直接チームの立ち上げを打診してくれた取締役メルカリジャパンCEOのたもさんはすごいと思う。
そして、僕をコミュニティチームに推薦してくれたメルカリ入社同期のricchaさんやnamboさんをはじめ、背中を推してくれた様々な人たちに改めて感謝したいと思います。
最初に考えたこと
そんな期待を背負う一方、7月からチームの発足自体は決まっていたものの、何をやるかは白紙。ゼロからのスタートでした。
ざっくり最初に考えたことは以下です
【概念の言語化】
・コミュニティとは何か
・なぜコミュニティなのか
・CtoCプラットフォーマーとしてのコミュニティの価値とは
・メルカリにおけるコミュニティマーケティングとは
【ミッションや役割定義】
・どのような役割がチームに求められているのかのミッション設定
・コミュニティマネージャーの役割
・チームメンバーに求める役割
【ヴィジョンや戦略・戦術の検討】
・目指すコミュニティ像
・コミュニティという手段を使ってできることは何か
・短期と中長期の戦略立案と戦術の検討
立ち上げのプロセスは改めて整理し、体系化したいと思いますが、正直まだまだ立ち上げの域を出ていないので、偉そうなことは何も言えません。上記は今後も考えて、実践によって検証し続けていくことだと思っています。
オフラインファーストであること
上述の通り、メルカリは成熟期にあるサービスといっても過言ではなく、ありがたいことに愛してくださっているお客さまは日本全国にいます。
しかしながら、いわゆるコミュニティリーダーになり得るアンバサダー的な役割を期待するお客さまは、顧客データベースやインターネット上の情報からは判断できません。
そんな中、コミュニティの戦略を考える上で、小島英揮(おじま ひでき)さんの著書『ビジネスも人生もグロースさせるコミュニティーマーケティング』にもある「オフラインファースト(実際に顔を合わせるリアルイベントの場から始めること)」という考え方はとても大きなヒントになりました。
オフラインの場で情報交換を行い、オンラインの場で情報を拡散する。そして拡散によって、新たな人がオフラインの場に入ってくる
とにかくお客さまに直接会うことや過去に出会ったお客さまを知ることから仮説検証を進めて行こうと考え、最初のアクションに踏み切りました。
辿り着いたコミュニティチームの役割
チームが発足して間もない7月に「ユーザー座談会/ワークショップ」と称したイベントを開催し、約50人ほどのお客さまに会いました。
その中でメルカリのコミュニティ創りの在り方や可能性を検証し、2種類のコミュニティの種に出会うことができました。
1つ目は、「簡単・便利・お得」などといったメルカリの機能的な価値によって生活が大きく変わり、メルカリというサービスに強い愛着があるお客さま
2つ目は、メルカリの機能的な価値はもちろん、ブランドそのものや会社や社員に対して情緒的、社会的な価値を感じ、愛着やコミットメントがあるお客さま
前者は同じトライブの象徴になってくれたり、普通にメルカリの売り買いを楽しんでくれている方々に強い影響を与える存在。
後者はメルカリ主催のイベント運営を手伝ってくれたり、ビジネスレベルで一緒に課題解決およびサービスの共創を行なってくれる存在になり得るのではないかという仮説を立てました。
そして、生まれたアイデアの一つが「共創型イベントの開催」でした。
メルカリは今まで、お客さまからの声を元に数多くのサービス改善を行ってきましたし、これからも大切にしていきたいカルチャーです。
多くのお客さまが自分のメルカリストーリーをシェアし合う場作りを実際のユーザーと一緒にできたら何かとんでもない伝説が生まれるかもしれない。
そんなワクワクした気持ちが僕らの原動力になっていきました。
僕らコミュニティチームの強みは、「オフラインでの顧客接点」と「コンテンツ」を作ることです。
データドリブンな意思決定に強みがあるメルカリだからこそ、僕らのチームでは出会ったお客さま一人一人のインサイトに気づくことができて、全社で展開していくマーケティング戦略に接続し、より深みを持たせることができると思っています。
つまり、チームの目指すべき姿としては
「ファンインサイトを深掘りしていくことで、メルカリ社内一、ユーザー仮説力の高いチームにしていくこと」
お客さまを知り、繋がっていくことのポテンシャルを価値化していくことで、社内におけるプレゼンスを上げていくことが目下の目標です。
そして、それらをサービスやコンテンツとしてお客さまに還元していくサイクルを回していくことが大切だと考えています。
そして伝説の幕開け
最初の結実の場として、先日開催したイベント「みんなのメルカリ文化祭2019」を大盛況で無事に終えることができました。
早速、参加くださったお客さまからの嬉しい声が届いていますので、一部紹介させてください。
Twitterより一部抜粋
最後はメルカリ川柳表彰式と今日のイベントのムービーで感動🥺
— りん/HayashiHiroe (@hayashihiroe) October 20, 2019
本当に暖かくてむっちゃ楽しいイベントでした!来て良かったー!
スタッフのみなさん、うえむーさん@UemuraKazuto 素敵な時間をありがとうございました💕#みんなのメルカリ文化祭2019 pic.twitter.com/329hCEJOdV
色んなブースを可視化。メルカリさんのファンイベントで描かせてもらいました。
— 守隨佑果しゅずいゆか@グラフィックレコーダー (@yuu8279tapwtapw) October 20, 2019
各ブースで話を聞いてリアルタイムで描いていくのはわくわくしたな。#みんなメルカリ文化祭2019 pic.twitter.com/I2GY5cz3o8
たもさん(メルカリの社長さん)と写真撮ってもらった!
— りばさい🌺™️®︎TNNK東京ドーム熱望 (@riversidelbb) October 20, 2019
スニーカー好きらしく、足元を眺められていた三┏( ^o^)┛笑
お話できて楽しかった!
社員さんにもTNNKの宣伝済み!
ごめんなさい、このスニーカー👟メルカリで売れちゃったので発送してきます(笑)#みんなのメルカリ文化祭2019 #TNNK pic.twitter.com/8GFdZDsqwh
もっと皆さまと話したかった〜!ってほど、もっと長居したかった!コミュニケーションがとりやすいイベントで、さすがメルカリでした✨ #みんなのメルカリ文化祭2019 pic.twitter.com/idC2x1o6BF
— 山田美穂 (@mi_mon0805) October 20, 2019
#みんなのメルカリ文化祭2019
— ケル子ちゃん (@1uW5EyiOQWorfJD) October 20, 2019
緊張してドキドキ初参加💓 pic.twitter.com/oiaViAOBu4
#みんなのメルカリ文化祭2019
— くまみ@アル (@kumakumasoda) October 20, 2019
めちゃくちゃ楽しんでいます!
書き込める企画がたくさんあってすごいたのしい! pic.twitter.com/kc5RAvFnc4
#みんなのメルカリ文化祭2019
— みねぎしこうき (@_minechannn) October 20, 2019
始まった!さっそく楽しい〜 pic.twitter.com/8TLMW0Hc1m
井下好井の好井さんのトークショー、すごくおもしろかったです〜 pic.twitter.com/ph7Xk0XyWv
— みねぎしこうき (@_minechannn) October 20, 2019
撮影・SNS投稿OKで、宣伝効果もあるな…
— 川辺の高橋 (@rivasai919) October 20, 2019
アルコールまで無料とは…メル神… pic.twitter.com/EqpdAvo1TK
集まる前の写真だけど、こういう生々しい意見を紙・生の声で得られるのは高価値だと思う pic.twitter.com/WoJQ7Dm0a3
— 川辺の高橋 (@rivasai919) October 20, 2019
飲食だけでも素晴らしいのに、体験やトークショー、意見が言えたり書けたりで、メルカリに親近感沸いた✨
— sumomo* (@yokohama_sumomo) October 20, 2019
こういうイベントで、直接ユーザーの声を聞いてくれるって、すごい試みだと思う✨
さて、今日売れた物、
早速、郵送しなければ!
#みんなのメルカリ文化祭2019 pic.twitter.com/ebfMGVIRBl
#みんなのメルカリ文化祭2019
— りばさい🌺™️®︎TNNK東京ドーム熱望 (@riversidelbb) October 20, 2019
メルカリの売るコツを社員の方に訊かれてのんびり話してたら、メルカリ中毒者(褒め言葉)の女性が現れ、自作のメルカリ検定を開始
さらにメルカリの社長(!)、ギャル2人、オシャ学生♂が現れ、『真剣メルカリしゃべり場』と化したミーティングルームの疾走感たるや
初ツイートw
— 林ライス (@1I2lfukqsHeYxJm) October 20, 2019
昨日は大盛り上がり✨
楽しい時間を共有できて
嬉しかったです。
ご招待頂きありがとうございました。
これから色んなことが
出来そうでワクワク#みんなのメルカリ文化祭2019 #メルカリ文化祭#今日も朝からメルペイでpayした#井下好井 #ライスの関町 #売るなら土曜21時w pic.twitter.com/S5qqFL6HPN
なかなか貴重な体験をさせて頂きました!
— まつかい (@kaisbsb) October 20, 2019
メルカリのCEOとめっちゃ語れたの楽しかったし今思えば凄すぎた、、
「Go Bold」「Be a Pro」「All for One」ところどころに散りばめられてましたね。(他も見つけた)#みんなのメルカリ文化祭2019 pic.twitter.com/uUJNrJWfYJ
お客さまと社員が一緒になってつくったファンイベント。お客さまのメルカリ体験を直接何人もの方に聞かせていただいた。お客さまのご利用体験やニーズは多様だと改めてしみじみと感じいる。そして、お話しを聞いていた時もイベント全体を通しても、ファンの愛を感じた。#みんなのメルカリ文化祭2019 pic.twitter.com/SUYMOxMnHk
— タカヒラヨーコ (@takyok) October 20, 2019
今日はメルカリさんのイベントで
— 井下好井好井まさお (@yoshiimasao0427) October 20, 2019
わたくしのメルカリ術を
時間制限いっぱい
猛スピードで語りました。
まさかのメルカリCEOタモさんご登場で
こんな機能があればと
僭越ながら提案しまくったら
満面の笑みで
実はもう取り組んでると言われました。
ほんまマーベラス!#みんなのメルカリ文化祭2019 pic.twitter.com/D9dGGBLrU5
メルカリ文化祭最高でした❤️
— 前田知加子 (@ChikakoM7) October 22, 2019
コンテンツ盛りだくさん!
好井さんトーク面白すぎ!
綺麗なオフィスとステキすぎるスタッフの皆様!
日本中でメルカリが広まっている“ワケ”を体感したイベントでした!
ありがとうメル神様♥️#みんなのメルカリ文化祭2019#メル神様はいるんやで#好井まさお面白すぎ pic.twitter.com/3PlJq2xZcY
ブログより抜粋
今回参加いただけなかったみなさん、本当にごめんなさい。より多くのみなさんに楽しんでいただけるようにさらに頑張ります!
そして、当日のイベントレポートについては後日公式ブログから配信予定なのでサイドストーリーはまた今度お話しします。
これからのコミュニティの取り組みにご期待ください!
【まとめ】メルカリがファンコミュニティ作りに取り組む理由
1.既存ユーザーのロイヤル化
- モノの価値をわかっている熱量の高いコミュニティが中心となって、お客さま同士で有益な情報やベストプラクティスを共有し、継続的にメルカリの価値を広めていってもらいたい
2.新規ユーザーの獲得
- 潜在ユーザーに対して、既存ユーザーが事例やユースケースを紹介。利用シーンおよびカテゴリマインドシェアを強化し、「コミュニティを通して」新規ユーザーの獲得につなげるため