立川笑二 - ひとりでまくら投げ。4投目

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ちびちびと行っていた部屋の掃除が、先日、とうとう片付いた。

誰の言葉か忘れたが「部屋は心を映す鏡」とはよく言ったものだ。一人暮らしをしていると、精神状態が直結して部屋の清潔さに現れる。

私はコロナ自粛期間中に新作落語を量産してみる事にした。安定した創作活動を行うためには、安定した精神状態でなければいけないと思う(「創作活動」ってなんか格好良い響きよね)。

新作量産を思い立った時点での私の部屋の汚さといったらなかった。

全てが片付いた時には、部屋の中から体重計が3台も出てきたぐらい散らかっていた。

落ち込んでいるから部屋が汚れるのならば、部屋を綺麗にすれば気も晴れるだろうと思い、大掃除に取り掛かった。

配り切れずに大量にあまった落語会のチラシを捨てた。サイズごとに整理をし、自分が出演した覚えの無い、三遊亭白鳥師匠の独演会のチラシが1000枚近くも出てきた事に首をかしげながら片付けた。

積み上げられた裸の本と、外したままで散乱していた本の表紙を元に戻した。どうしても片方ずつしか見つからなかったので、「ソクラテスの弁明」に「人間失格」の表紙をかけて、ニヤニヤしながら本棚へ並べた。

そんなこんなで部屋の掃除をしていると、押し入れの中から学生の頃に書いていたネタ帳が大量に出てきた。

もともと漫才師になりたかった私は、中学生のころから大学ノートにネタを書き続けていて、それを東京にまで持ってきていたのだ。すっかり忘れていた。

15年前の自分の才能に向き合うのも少し抵抗はあったが、思い切って当時のネタ帳を開いてみた。

ノートの見開き部分に、当時の私が記したポエムが書かれていた。

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楽笑というのは当時のコンビ名だ。痛々しいほど立派な事を書いているが、このポエムのすぐ隣のページがさらに酷い。

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ネタ帳の1ページ目から学校の勉強してないか?

そう思ったが、よくよく見ると、書かれているのは中学生の勉強とは思えない内容だ。

なにを書いているんだろうかとしばらく考えて、思い出した。

これは、当時ハマっていたPCゲーム「大航海時代」のメモだ。

そして、下に書いてある「紋舞らん」は、当時人気だったAV女優の名前だ。

ネタを書けよ!バカ!中学生め!

今回は昔のネタ帳を見て思い出したことについて。

ひとりでまくら投げ、4投目!えいっ!

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