超インブリード
犬の記憶
子供の頃、親戚の家に行くと狆(ちん)という犬がいた。ヘンテコな犬であった。目がぎょろっとしていて鼻がぺちゃんこである。家で飼っていた雑種の犬とは全然違った。おそらく血統書付きの犬であろう。そんな犬を見るのは初めてだった
物心つくかつかないかぐらいに家で飼っていた雑種犬は死んでしまった。物心つくかつかないかぐらいなのであまり記憶に残っていない。その後新しい犬がもらわれてきた。再び雑種犬であった。
実家の周りは田んぼだらけで散歩はほぼ放し飼いであった。鎖から放たれたときはロケットのように飛んで行ったがちゃんと戻ってきていた気がする。その犬は蛇を見つけたら首根っこ咥えてブンブン振り回し地面に叩きつけるという特技をもっていた
それから時は流れその犬は死んでしまったがまた雑種犬がもらわれてきた。こいつはあまり記憶に残っていない。少し時は流れて私が帰省した時に額に卍書いたら数か月後に死んでしまった
さらに時は流れ、ついに我が家でも雑種ではない犬が飼われた。ポメラニアンである。ポメラニアンがいるのにもかかわらずぞんざいさん(繊細さんの真逆の人)の母親がシーズーを買ってきた。その犬は鼻が低く昔見た狆をおもいだした。ちなみにチンアナゴのチンは狆に似ているからだそうだ。知らんけど
メスのシーズーだったので子供を産ませることになった。何匹か生まれたうちの一匹を調子に乗ってまた飼うことになった。ポメラニアン1匹、シーズー2匹となった
私は興味本位で血統書あるのかと母親に聞いてみたらあるというので見てみたら家で呼んでいた単純な名前と違って非常に仰々しい名前が付けられていた。子供のシーズーの父親のところを見ても長ったらしい名前が付いていたのだが親のシーズーの父親のところをみると、おや?
なんと子供のシーズーの父親と名前が全く同じなのである。これはどういうことなのかと母親に尋ねるとぞんざいさんの母親は言った「犬やしええんちゃう?」
優しそうに聞こえてもこれはぞんざいさんのセリフです AC JAPAN
馬に例えるとサンデーサイレンス牝馬にサンデーサイレンスを掛け合わせているのである。1x2の超インブリードである。ダビスタでも無理である。たぶん
※昔の馬にはいたようです
その超インブリード犬自体は特に変わったところはなかったが調子に乗ってその超インブリード犬にも子供を産ませることになった。産まれた1匹をまた調子に乗って家で飼うことになった
しかしその犬はシーズーにしては鼻が少し高くちょっとコアラよりになってしまった。コアラ寄りになったので通常のシーズーよりかわいくなってしまった。親犬、超インブリード、コアラの親子3代飼っていたのだが
コアラ犬がメスだったため、またもや子供を産ますことになった。さすがにポメラニアンと合わせて5匹は無理だったのでみな里子に出された。そのうちの一匹は事務員さんがもらっていったのだが出社時連れてきていたので会社の事務所にはシーズーが4匹になっていた
そのコアラ犬の子供のシーズーはコアラ犬から生まれたせいかさらに鼻が高くなっていてテリアの領域に達していた。シーズーは鼻が低いのがかわいいのに鼻が高くてシーズーらしさがなくなっていた。超インブリードの影響が出ていると私は勝手におもっていた
そしてそのテリアシーズーはメスだったのでまた調子に乗って子供を産ませることになった。何匹か産まれたが一匹だけ余った。鼻と口が割れていたので貰い手がなかった。結局事務員さんが飼うことになった。手術で縫い合わせたらしいのだが何故か鼻から歯が見えていた。縫い合わせたあとはやっぱり鼻が高くてマルチーズみたいになっていた
うちで飼っていた親犬、超インブリード犬、コアラ犬と事務員さんちのテリアシーズー、マルシーズの5匹が事務所でわらわらしていた。犬嫌いの人も来客するであろうにお構いなしである。ちなみにポメラニアンだけオスでマーキングしまくるので外犬になっていた
うちで飼ってた親犬、超インブリード犬は鼻が低くシーズーらしさを発揮してかわいらしく、コアラ犬は輪をかけたようにかわいかったのだが事務員さんところのテリアシーズー、マルシーズは鼻が高くしかもマルシーズは鼻から歯が生えていたので全然かわいくおもえなかった。鼻の高い犬が可愛くないわけではないがシーズーは低い方がいい
時は流れ実家から3匹ともいなくなったのだが私の息子が犬アレルギーだったのでもう飼うことはないとおもわれたがぞんざいさんの母親はまたシーズーを買ってきた。孫が寄り付かなくてもいいようである
私の分析では何かを可愛がってる自分が好きなようなので対象が孫でもよその子供でも犬でもなんでもいいようだ。孫どころか息子の私も寄り付かなくなってしまったのであるが
ちなみに超ぞんざいさんの父親は孫にはほとんど関心がないようである